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第1話 プロローグ ①

はじめての投稿ですm(_ _)m

「オークの襲撃だーっ!数少なくても50を下らん!」




「戦闘体勢とれーっ!」




 安全な街道なはずだった。安全な護衛のはずだった。戦闘が起こることしても散発的にゴブリンなどが数匹現れるような戦いが起こるはずだった。


 

 護衛対象はこの国の第一王女でローゼレッタ・フォン・アゼルガ。

 入念な下調べをし、念のため護衛の騎士団30名を配備し王国旗を掲げることで国に喧嘩を売る盗賊などがいないことから盗賊避けもした。




(なのに、なぜ!?)




 この街道でオークの目撃情報などなかった。ローゼレッタは安全に国務を終え自国へ帰り、そしてまた日常に戻るものだと信じて疑っていなかった。




「姫様の馬車に近づけるなっ!密集隊形をとり迎撃せよっ!!」




 馬車の外から怒号が飛び交う。耳慣れない肉を切る音が聞こえる。グシャッという音はオークが持つ棍棒もしくは刃の潰れた剣が護衛騎士を叩き潰す音だろうか?



 ローゼレッタはすぐにでも、耳を塞ぎうずくまり現実逃避をしたかった。

しかし、あまりの恐怖にそれすらも許されなかった。



そんな、状態のローゼレッタに扉越しから声をかけられる。




「姫様!相手はだたのオークではありません!どうやらオークキングがいる模様です!」




 絶望には底がないのか、オークキングといえば討伐には一個師団の騎士団の投入が不可欠と言われている。



 現在の護衛人数では決して撃退できない。




「姫様!なんとか敵包囲陣に穴をあけます。なんとかそこから脱出を!」




 答えのでない絶望のなかで、混乱の極みに達しているいるローゼレッタに護衛騎士団長のエリシアから声をかけられる。



 受諾できない言葉に恐怖を一時忘れ馬車の窓を開き、エリシアの顔をまっすぐ見据え堰を切ったようにローゼレッタは叫んだ。




「そんなっ!わたくしだけ生き残るなんて出来ません!」




「姫様!問答をしている暇はないのです。オークキングが出たとなればこの程度のオークの数ではすみません、もっと増えるでしょう。今しかないのです脱出のチャンスは!」




「でもっ!」




「問答をしている暇はないと言ったでしょう。あなたは決してこのような所で死んではならない身なのです。」



エリシアは強くローゼレッタの目を強く見据え騎士団に指令を出す。




「敵、もっとも薄いと思われる左陣に突入する!密集突撃隊系をとれ!突撃ーっ!!」




 エリシアの言葉とともに馬車も急発進しローゼレッタは座席から転がり落ちそうになり隣にいたメイドのアンナにしがみつく。



 アンナははさきほどから一言も声を発していなかったが抱きついたその体は小刻みに震えていたのだ。

本来であれば許される行為ではないがアンナも反射的にローゼレッタを抱きしめ必死に恐怖に耐えていた。




(怖い!女神エースティア様お助けください!どうか、逃げ切れるように!)




 ローゼレッタは、女神に願った。

 逃げ切れるように、と。



 しかし、決してその願いは叶うことはなかった。



 激しく揺さぶられる馬車が突然止まる。そしてエリシアの口から、また絶望が紡がれる。




「バカな⋯⋯⋯⋯オークキングとオークジェネラルが10体だと⋯⋯⋯⋯」




 終わりなの⋯⋯⋯⋯?

エリシアがまず浮かんだ言葉だった。



 オークキングほどではないけど、オークよりもはるかに屈強で重武装している魔物、オークジェネラル。



 もはや、この戦力で突破できるなどという希望は見事に打ち砕かれた。



 オークジェネラル、そしてそれを率いるオークはすでに100を越している。その雄叫びはエリシアの腹の底を抉るからのようだった。



もう、ここで終わりなんだわ⋯⋯⋯⋯


 護衛団長のエリシアも混乱の極みにあった、こんな場所にオークがいること事態が異常であったがオークキング並びにオークジェネラル10体が明らかに戦術を用いて我らを待ち伏せしていた。



 本来のオークキングは、ここまで戦術を使用することはないただ自らより下位のオークを統率し虐殺と蹂躙を撒き散らす天災のようなものであるはずなのに、なぜこのようなことが?



 偶然と断ずるには、いま考えると左陣の敵の薄さは意図ではあったのではないのか⋯⋯



 堂々巡りする頭とは裏腹に、ローゼレッタもこれでおわりだと絶望を感じていた。

なんとか生き残ろうと頭は動くが体が、もはや動かない



 やがて頭も無理なのだ、倒せるはずがない、そんな思考しか思い浮かばなくなっていった。



 オーク達がローゼレッタの馬車にゆっくりと歩を進める。



 護衛騎士団達が息を呑む。



 だれもが絶望していた。



 これで終わりなのか⋯⋯⋯⋯







 否――――





 突如、空からオークと護衛騎士団の間に謎の物体が舞い落ちた。

全身が黒を基調とし全身に金のフチ取りがされよくわからないフルフェイスの兜?甲冑?を着用した何者から聞き取れない言語が紡がれる。




『Change Try Fighter Ver.X3』




ヒーローは、いつの世も遅れてやってくるものである。


見て下さりありがとうございますm(_ _)m


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