ありふれたあいのこくはく
今日は仕事で疲れたからとっておきのお酒を飲もう、だがお酒を飲むのは風呂上りに柿ピーを頬張りながらと相場が決まっています。まだお風呂は沸いておりません。それなら今日の出来事を日記風に書き出してみようと・・・気が付けば2時間ほどパソコンをカタカタしておりました。風呂は冷たくなり大好きなプレモルはぬるくなり・・・それでも一仕事終えた後のお酒は何にも変えられないご褒美です。たとえぬるくなってもビールはビールですよ(なぜ冷やしておかなかったのか)
そんな即興な話で申し訳ございませんがもし読んで貰える機会があるというのなら今手に取っているプッレモルもいっそうおいしくなるものです。
それではよければ呼んでってくださいな!
無理をしているのに無理するなよとかそんなまるである程度妥協する事が正しいことであるかのように慰められるのは、忘れていた孤独感を思い出してしまうからやめて欲しいなとつくづく思う。
確かに私は客観的に見れば年中無休で働いてはいるし数少ない休日だってしなければならない仕事のような家事と、夜の街にくりだし家に帰ったかと思えば撮り溜しておいたドラマとアニメを徹夜で見ているのだからお前は動かないと死ぬのかと回転寿司で男子会なるものを開いては、私はマグロ扱いされるのだ。
人生は一度きりで後戻りはできない、こんな短文で説明できる法則すら私たち人間が寄せて集まっても傷一つすらつけることが出来ない、何が三人集まれば文殊の知恵なのだろうか。どれだけ人間が広い宇宙で人間が住めそうな別の惑星があることを発見しようが、太平洋をまたいで指ひとつで離れたハニーとイチャイチャできるようになっても人間の寿命を延ばすのには限界があるのだ。そんな事実を知ってなお君は家でおとなしくこうやってパソコンを弄繰り回し、その汚れた世界の窓から少しだけ覗いては知ったような気になってこの世はよくない事ばかりだと嘆いているのですか。むなしすぎるからせめて自分の体と脳みそが稼働するうちに自分の出来る範囲で構わないから知りたいとそう願っているだけなのに、あなたは引きずられながら私の足を引っ張ろうとしてくる。
振られた女から台詞を頂戴してあなたに言い放つ言葉は
「もうあなたには飽きちゃったから」
続けて普段は隠し通してきたありったけの自分でも分からなくなるくらいには溜めこんできたストレスを爆発させるのではなく弱気な私を奮い立たせる推進力に変換して
「あんたの言っている事は間違ってはいなかったよ、でもそれを言うお前が一番間違っていたからとっても勉強になりました、反面教師として参考にさせて頂きます。ではさようなら。」
私は会社を辞めてしまった。後三か月頑張っていたら100万円だったのに。しまったなんて言ったら後悔しているように聞こえてしまうけど、これは私が普段弱気であることの証明ではある。普段弱気にしているのはいざという時に強気になりたいから。って、そんな言い訳めいた台詞を少しでも口にしてしまったものなら、また乾いた作り笑いでごまかされてしまうだろうなきっと。でも文章に書き出すくらいなら問題ないでしょう、見られるわけじゃないし。おっと長話はここまでにして次の仕事を探さなければ。
お金があるからといってだいたいの事はなんとでもなると思っていたけど、それは私が出来ない事を他の誰かにやって貰う為にお金を支払っているだけであって、つまり私は国民の財布として貢献していただけであった。お金が無ければだいたいの事、つまりほとんど何も出来ない私に出来る事なんてあるのだろうか。きっと自分にしか出来ない事があるなんて聞き飽きたような自分を奮い立たせる呪文を心の中で何度も唱えてみるが何度やってもそんなものはないって声がはっきりと脳裏にはよぎる。
きっと俺にしか出来ない事なんてものは無いだろう、60億いや100億にも膨らむであろう人間のバリエーションを考えるのには神様も投げ出すであろう。だから私は神様が飽きてきた頃に適当に作られた人間だと思う。この世にオリジナルの人間と複製された人間が存在するならば私は後者だろうとは思う。
でもそれが何も出来ない、しなくてもよいという理由にはなりえない。何も出来ないからこそ私がこの世に作られた理由を知りたい、なければその理由を作りたいと得体の知らない何かが私を突き動かそうとするのだ。
だから私はいつもこういうのだ。
「俺にしか出来ない事なんてものはきっとこの世に存在しないよ。だからこそ私は誰にでも出来る事を誰にも出来ないくらいやりたいと思うのです。それが誰よりも仕事を頑張ってあなたを幸せにしてあげる事ですよ。」
と、これはいつかあの子に言った、ありきたりな愛の告白。それを聞いた彼女は驚いたようなそぶりはなく
「そんな事を言うのはまず仕事を手に付けてからにしてください。後仕事を年中無休で続けると言っても家の事はどうするのですか。おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯への役割分担をするほど冷めた関係でいなければいけないのなら一人でいるのとなんら変わらないでしょう。あなたが私を愛するというのなら仕事と私どっちが大切なのなんて選ばせません、どっちも大切にしてください。だってあなたは誰にも出来ないくらい私の事も愛してくれるのでしょう?」授業で問題を当てられた生徒が突然当てられたにも関わらず詰まることなく的確な回答を機械的に答える委員長のような口調だったから五年経った今でも一言一句詰まることなく唱和出来る。
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話が長くなってしまったがこんないきさつがあって私はほぼ年中無休で働き続けている。それじゃあいつか体壊すよって?確かに最近は疲れやすくなってきたような気もするがそんな事はどうでもいいのだ。だって今こうして私は誰でもやろうと思えば出来るかもしれないが、確かに私は誰にも出来ないくらい嫁の尻に敷かれているという実感がある。端から見れば情けない旦那かもしれないが私にはそれが生きている理由にすら思えてくるのだ。鋭い言葉の裏に隠れた無邪気な嫁の笑顔を目にしてしまっては、他人の心配が意味をなさない。
だから私は嵐のような仕事をなんとかやり過ごし、あの店に駆け足で今日も向かうのだ。「店ってそういうやつではありませんよ?嫁の店です、あっ嫁がそういうのやってるわけじゃないですよ、断じて。」
「お好み焼きやってるんですよ、ヤッてるんじゃなくて・・・。」
「私たち今は子供じゃなくてお好み焼きを作ってるのです、勝手に妄想しないでくださいね?」
せっかく描いたラブストーリーを汚していったところでこれにて一旦終了。
お後がよろしくなかったのでまた語りたくなったら付き合って下さいね、お客さん。