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コメディ

バーガー中毒

作者: 千路文也

 三大欲求は誰にも止めらない。中でも食欲はまともに生きていく上では必要不可欠な欲求だ。この欲求を満たすためには腹いっぱい何かを食べればいい。奇しくも神様は欲求を満たす食べ物にはタッチしていないので、人は好きな物を食べられる。しかしここで疑問に思うのは、好きな食べ物と嫌いな食べ物を区別して、好きな物だけを食べる愚か者だ。毎日の主食はハンバーガーですと腹をブクブクと太らせた中年男性がいたとしよう。その者は朝からベーコンダブルだの、ベーコンレタスバーガーだの、月見バーガーだのお腹を満たすためだけとは考えられない量のハンバーガーを注文していた。周りから見れば凄い食欲だと思われがちだが、本人からすればそうじゃない。とっくに腹が満たされているにも関わらず、バーガーを食べる腕が止まらない。所謂彼はバーガー中毒に犯されて次々と胃の中にハンバーガーを収めていく。無論、そんな事をすれば業務に支障が出るのは明らかだ。彼は毎日のように決まってトイレで長時間凄し、お腹に手を当てて神様に祈りながら腹痛が去るのを待つのだ。決まって彼が口にしている言葉は『もう二度とハンバーガーを食べませんから、神様許して下さい』と言っている。人間はこういう状況に陥って初めて、今までの何気ない日常が幸せなのをひしひしと感じる。何をしても情熱的になれずつまらない人生だとしても、こういう腹痛を体験するだけで、何気ない日常がどれだけ恵まれているかを再確認する。ようは最近の人間は期待しすぎているのだ。スマートフォンの普及やインターネットの繋がりで、人々は安定した生活を送っている。部屋の中に居てもクリック一つで買い物が出来る世の中にまで発展した。野菜ですらネットで買えるのだから、わざわざスーパーで買い物するメリットも薄まった。それに腹が減れば外出して近くのファミレスに行くのもアリだ。アナログからデジタルに変わって便利性が求められた裏では、こうしたバーガー中毒者が増えている。アナログ時代のように、スーパーで買ってきたパンを焼いて朝食に頂く方がまだマシである……と、男性トイレの個室で思っていても翌朝はきっとハンバーガーを食べているに違いない。デブの約束はあてにならないのだ。絶対に信用してはいけない。特に食生活が乱れて、部屋の中が汚れて、本人も知らない内に悪臭を放って周りの人間に迷惑を振りまいている輩はもうおしまいだ。手に負えない。



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― 新着の感想 ―
[一言] そうだよね。バーガーを含めた。そういうあるのが当たり前の文化中毒になってるよね。 だが、それでも! 私はバーガーを食べ続ける!
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