邂逅Ⅱ
撃たれた腹から血がしたたり落ちる。
まぁ、少し痛いだけで歩けないほどではない。
というか、痛みがあるだけで普通に動ける。
「なんで動けるんだ」
そんな声が聞こえる。
振り返ると、髪の短い少女が立っている。
「なんで動けるんだ、と聞いているんだ。犬養健二。」
自己紹介を忘れていたが、俺の名は犬養健二
16歳、ぴっちぴちの高校2年生だ(棒読み)
少女を無視して歩き出そうとするが、頭に銃をつけられた。
「もう一度言う、なんで動けるんだ。」
「さぁ、なんでだろうな。」
「しらばっくれるな。」
「お前に関係ないだろ。」
「関係はある。」
「なんだよ。」
「私は生徒会長の命を受けて動いている。」
…あの人か。めんどくさいことしてくれたな。
少女が再び口を開く。
「お前がなんで動けるのかは、後で拷問でもして、聞き出すとして…」
「おい」
「お前には、一緒に生徒会室まで来てもらう。」
……めんどくせーなぁ
「おとなしく来たほうがお前のためだぞ。こないと言うのなら…」
「言うのなら?」
「お前の下半身の一部をちょん切る。」
……
「お前、何言ってんのかわかってんのかっ。」
俺は慌てて問いただす。
「私が変なことを言ったか?」
「お前、意味わかって言ってんのかっ。」
「会長が、こう言ったらおとなしくついてくる、とおっしゃっていたのだ。」
「ドヤ顔でいうことじゃないだろ…」
……会長、完全に遊んでるなぁ。
でも、ついていかなかったらまじでやりそうだな、こいつ…
「わかったよ。ついてけばいいんだろ。」
「それでいいんだ。」
血をダラダラと流したまま、俺は生徒会室に連れていかれるのだった。