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あなたの手

いつもは失恋系のお話が多いのですが、今回はハッピーエンドで終わってみました。



話の中に色々と詰め込みすぎた結果、少し長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただけると光栄です。



感想なども、良かったらお願いします。

私の好きなものは、色々。


本、水色の物、チョコレート、睡眠、小動物、あなたとの時間・・・


ほんとうに、どれも大好き。



でも、やっぱり大好きなのは、あなたの手。



春。

泣いた私を抱きしめてくれた手。



夏。

頑張ったね、って私の頭をなでなでしてくれた手。



秋。

寒くなってきた空気を感じて、優しく私の手を握ってくれた手。



冬。

初めて買ったペアリングを、お互いにつけた手。




春夏秋冬の中で感じた、あなたの手。


季節を重ねる度に、あなたの手が大好きになって、愛おしく感じるようになったんだよ。




これからもずっと、大好きなあなたの手を身近で感じられると思ってた。




でも、その想いはちょっとだけ・・・邪魔されちゃったんだよね。




遠距離恋愛という壁に―――――――――



付き合ってから知ったの。

あなたが、この街を出て遠くの大学に進学したいってことを。



ほんとは、ほんとはね、遠くになんて行ってほしくなかったよ。

側にいてって、言いたかったの。




でも、あなたがその大学に進学することがずっと前からの夢だってことを知ったら・・・

そんなこと言えなかったし、そのために努力してる姿を1番近くで見てきたから・・・



余計にそんなこと言い出せなくなったんだ。




あなたの大学合格が決まった時。

嬉しそうなあなたの顔を見て、私も嬉しかった。


だけど、内心は複雑で仕方なかった。



遠距離になって、あなたに会える機会が減っちゃうということは、つまり。



あなたの手に、私の大好きなあなたの手に。

抱きしめてもらえる回数が大幅に減っちゃうということだから。



でも、私は大好きなあなたを応援したかった。

だから、遠距離恋愛を受け入れることにしたの。




3月の終わり。


付き合って1年目を迎えてから、数週間後のある日。


あなたが遠くに旅立つ日の前日が来てしまいました。




私の部屋での会話は、いつもと変わらない内容。

たまに、大学の話や向こうに行ってからの話をしたりして。


ほんとにいつもと変わらない、私の大好きな時間だった。



だけど、時間は止まらない。

とうとうあなたが家に帰る時間が来た。



私はとっさにあなたに抱きついて・・・泣きながら叫んだ。


行かないで――――――――――



あなたは何も言わず、ただ泣きじゃくっている私の頭を撫でてくれた。

何回も何回も。



私の大好きなあなたの手で。




あなたは何も言わなかったけど、私は気づいたよ。


あなたの手が、「ごめんね」って言ってたことを。





結局、あなたは遠くの街に行ってしまったけど・・・

今の私は、元気に頑張っています。




だって、あなたが毎日くれるメールを打つ手は・・・・・・




私の大好きな、あなたの手なんだもの。




あなたの手が紡ぐ、私への愛の言葉は。

しっかりと、私の元に届いています。



だから私は・・・・・・


今日も笑顔で頑張っていけるんだ。












最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました!!!

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