音がする
しいな ここみ様の『瞬発力企画2』の参加作品です。
お題は『お金』です。
ちゃりーん。
音がする。
音しか聞こえない。
ちゃりーん。
また音がする。
1日に2回ほど、音がする。
音がするたびに、少しずつ体が重くなるような感じがする。
気がついた時には俺はここにいた。
その前はどこにいたのか、覚えていない。
何も見えない。
音だけが聞こえる。
ちゃりーん。
やはり、音がするたびに体が重くなっていく。
一方で身のうちが満たされてゆくような感覚もあり、俺はこの現象の評価に迷った。
かわいい男の子の声がする。
初めて声を聞いた。
「早くいっぱいになるといいな。」
その声で、俺は身のうちが満たされることの喜びに気がついた。
そうだな。
この子を喜ばせたいな。
俺も少しわくわくする。
ちゃりーん。
いい感じだ。
体は重くなっても、男の子の声を聞いているだけで心は軽くなる。
身のうちもだんだん満たされてきた。
いっぱいになったら何が起こるんだろう?
俺にも男の子の顔が見えるようになるのかな?
「いっぱいになったよ!」
男の子の嬉しそうな声。
俺もつられて嬉しくなる。
「ねえほら、いっぱいになったよ。ゲーム買っていい?」
「うん。よく頑張ったね。じゃあ中のお金を出そうか。カナヅチ持っておいで。」
「はぁーい!」
え? ちょっと待って‥‥。
完
本文「完」まで含んで500文字きっかりに納めてみました。
最後の「完」は「カン!」と読んでください。(^◇^;)




