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影双譚(かげふたつたん)

作者:林涼子
京の夜、もう一つの沖田がいる。
病床の天才・沖田総司の背後に、ひょうひょうと笑う双子の弟・沖田静。
「私」の剣は風を切り、「俺」の槍は雷を呼ぶ。二人が並べば、敵は影の数を数え損ねる。
池田屋では表と裏が同時に口を開き、茶屋では茶杓の跡が密偵を暴く。雪の三条大橋では、一息の隙が生死を分け、向日葵畑では、生かす決断。
退くは逃げにあらず――蓮の槍は背を守り、静の剣は道を示す。生き延びることこそ、最も難しい勝ち方だ。
剣戟は鮮烈に、策は静かに。血飛沫よりも息遣いを、怒号よりも足音を聴け。
兄の名を囮にする夜もある。影を着込み、灯の位置をずらし、嘘をひとつだけ混ぜる。殺すための刃で、殺さない勝ち筋を描くために。
斬るか、生かすか。
守るか、退くか。
選ぶたび、刃は心を試す。
月は走り、桜は舞う。京の路地に、二本の影が交差する。
『影双譚(かげふたつたん)』、ここに始動。
私刑か赦しかで揺れる隊内の裁き、総司暗殺を巡る月影の替え玉、敗走の道でこそ輝く退き際の美学、
そして桜の端書に記された小さな願い。刃の物語に、柔らかな灯がともる。
新選組異聞にして、戦術サスペンス。剣と槍が織りなす連携は、一歩の間合い、一寸の灯、
たった一文字の嘘で戦況をひっくり返す。
静は“ひょうひょう”とした敬語で、敵を油断させる。
蓮は砕けた一声で、味方の心を奮い立たせる。
二人の呼吸が揃った瞬間、戦場は物語になる。
続き
2025/09/23 20:50
続き
2025/09/23 21:10
続き
2025/09/24 05:50
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2025/09/24 11:20
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