《強欲》のエメラダ
《強欲》のエメラダが竜車で屋敷に帰還している途中、ある男とすれ違った。
「停めなさい」男にそう指示するとエメラダは外に出る。
「あなたには屋敷で待機してるよう命令しておいたはずなのに、なんでここにいるんです?」
「何か、嫌な予感がして」
「ただのガキじゃなかったってことですか」
「お前は誰だ?」
「《強欲》担当、エメラダ・ノアってもんですよ」
「《強欲》?それはレオニス様じゃないのか?」
「あぁ、あいつは元々、私の人形だったんですよ。だけど裏切った。あいつはこの私を自分の妻に殺させようとしたんですよ。ま、死ななかったですけどね」
「妻たちはどうしたんだ?」
「置いてきたに決まってるでしょう?」
「そうですか」
「欲しいなら取ってくるがいいです」
「分かりました」今の僕は末端の使徒、功績をあげ、司教になった時、部下は必要だ。
「そうだ、、言い忘れてました。私の屋敷にアンタの居場所はない。本部に戻りなさい」まさか追放されるとは。
「分かりました」僕は城塞都市でレオニスの妻たちにレオニスがやられたことを伝え、僕と一緒に来て欲しいと話をした。抵抗されると思ったが二つ返事で了承してくれたことがちょっと意外だった。
第2章城塞都市パイオニア編完結。
3章からはカロンの下克上が始まります。司教と街を落としたりなど活躍を楽しみにお待ちください