当主と剣聖
「領主様!大変です」
「どうしたんだ?そんな急いで」
「門番からの報告なのですがこの街に魔女教のヤツらが来てるそうです!?」
「魔女教だって?人数はどれくらいだ?」
「10人ほどいるようです」
「10人だと?」たったそれだけの人数でこの街を落とせるというのか!?
「当主様。客人です」
「客だと?」
「はい。昔、当主様に助けてもらったとか」
「通しなさい」そう言うと男が1人と女が3人ほど入ってきた。女3人は男の連れか?
「はじめまして。私はこの城塞都市の当主をしているハマスと言う。あなたは?」
「挨拶ありがとう。対話って大事だと思うんだ」
「確かに、大事だと私も思うよ」
「連れの3人はボクの妻だ」
「奥さんが3人もいるとは羨ましいですな」
「そしてボクは魔女教枢要司教《強欲》担当、レオニス・アルファード」
「魔女教だと!?」当主の傍に立っている兵士がそう言う。
「あぁ、ボク達は魔女教さ。そして今日はお願いがあってきた」
「お願い?」
「ボクは命は大事にする方なんだ、だからここを我々に明け渡して欲しい」
「お断りします」
「なんだって?」
「断ると言いました。私はこの城塞都市の当主。逃げる訳にはいきません」
「そうかそうか。それは残念だ」
「なら、この街ともお別れだ。消えてもらおうか」その時、部屋の外から声がした。
「消えるのは君の方だよ」
「君は確か、《剣聖》か」
「そう、僕は剣聖。君を葬る者だ」