権能対策
《強欲》が都市に侵入する前に遡る。
「《剣聖》様、ここが狙われているというのは本当ですか?」市長が《剣聖》にそう尋ねる。
「はい。枢要司教がここに向かっているとの情報が入りました」
「その情報が正確なら、奴らはこの都市を足掛かりに侵略してくるかもしれませんな」危機と話す市長に《剣聖》はこう答える。
「奴らの一柱はここで打とうと思っています」
「なんと!それは頼もしい」それではこの都市の住人のため、魔女教は撃退しましょう。
これが、《剣聖》と市長との話しの結論であった。
現在。
「まったく、攻撃は当たっているのになんで倒せないんだ」
「君さぁ、ボクは至高の領域に到達したんだよ?この世界でボクは完璧な存在なんだ!未完成な君がボクを倒せるわけないじゃないか!」
「彼はこう言っているけど君はどう思う?」
「そうだな、」漫画やアニメの世界なら肉体の時間を巻き戻したりとか、不老不死になったりとか出来るんだろうがこれは現実だ。
「彼を攻略するヒントは見つかったか?」《剣聖》が俺にそう聞いてくる。
「そうだ!分かったぞ!《強欲》の権能のカラクリが」
「ホントかい?」
「あぁ!そいつ前に臓器は無いって言ってたんだよな?」そうネルソンが聞くと《剣聖》は思い出したかのように頷いて答える。
「つまり、そいつは・・・なんて言えばいいのかよく分かんねぇけど、複数いるんだ!」
「君さぁ!さっきからごちゃごちゃうるさいんだよ!」
「キレるってことは当たりだな?」
「そんな訳ないよねぇッ」レオニスはネルソンに向けて不可視の斬撃を繰り返し放つ。
「そういえば、こいつには姉がいるんだよな?」
「あぁ、だが問題ない!そちらにも別の者が向かっている」
「じゃあ、後はーー」《剣聖》の肩を掴んでから話を続ける。
「ーーこいつらに仮を返すだけだなぁ」