爪痕
「マルシア様、戻りました」《憤怒》は本拠地の場所が分からないらしく僕1人で行くように言われた。
「なんで司教様たちは本拠地の場所が分からないんですか?」
「ご苦労さまです。前にも言いましたがここは異空間です」
「異空間?」
「異空間・白炎城」
「白炎城か!だから何もかも真っ白なんですね」
「そうよ」
「でも、これだけ大きいと維持するのも、大変じゃないですか?」
「ここはね、その日のコンディションによって変わるのよ」
「でも、マルシア様の近くに空間系の術者なんて、いないですよね?」
「たしかに、居ませんね」僕とマルシア様が話している時、マルシアが持ち歩いているミーティアに通信が届いた。
『マルシア様!』
「どうされましたか?」
『《強欲》姉弟がやられました』
「そうですか。魔女因子の確認は?」
『まだです。おそらくですが《強欲》を打った者の中に入ったのではないでしょうか?』
「その可能性はありますね」
「《強欲》は確か、隔壁都市バイエルにいってるんだっけ?」
「そうです」
「どういうところなの?バイエルって」
「分かりやすく言うと外との通信が一切、通じないところですね」外との通信不可。なんて物騒な街なんだ。
「レオニスたちの反応は消えたのかな?」
「どうです?反応は消えましたか?」
『完全に消失しています』
《強欲》が没落した。
このことは魔女教内にも人類連合にも瞬く間に広がった。
人類連合は成果に喜び。魔女教は仲間の損失に悔やんでいる。
「マルシア様」
「今は、反撃のときではありませんよ」
「しかし、やられたままでは悔しいです」
「人間であるあなたが悔しいと思うなんて余程のことですね」
「茶化さないでください」
「少しお遊びが過ぎたみたいですね」マルシアは上を見てからカロンの目を見て宣言する。
「Xプロジェクト、始動」確実に魔女教の脅威が人類を襲う。
次回からは、《強欲》姉弟の部分を書きます!楽しみにしててください