幹部会議
ここは以前に会議した鏡の間。
『やっと来ましたか』そう言ったのは《強欲》エメラダだ。
『我々はあなた方と違って忙しいんです。こんな頻繁に開催されては困りますよ』
「申し訳なく思っていますよ《憤怒》さん」あの人が憤怒か。魔女教の服を来ている上にフードを被っているから顔が分からないな。声からして女なのだろうが。
『それで?今日の議題はなんなのかな?』
「レオニスさん、無事だったんですね」
『失礼だな!君。姉さんたちがいる限りボクは無事なんだよ』魔女様にそう言ったあとでレオニスは僕の方を見る。
『君も!カロンとか言ったっけ?妻が1人帰ってきてないんだけど、いったいどういうことなのかな?』
「1人くらい減ってもいいかなって思ったから僕が貰うことにしましたよ」
『ボクと妻を引き離すなんて、酷いことしてくれるじゃないか』
「あなたといるより僕といる方が安全だと思ったのでしょうね」
『お前、殺してやる!』
「そんなこといっていいんですか?」
「そこまで」レオニスと言い争っていると肩を、トンと触られ魔女様に止められた。
「それで、今回の議題ですが、《虚飾》が目覚めたかもしれません」
「えっと、《虚飾》ってなんですか?」
「大罪の1つですよ」そう言って鏡を見渡してから話し始める。
「私は《虚飾》となった人物に枢要司教になってもらおうと考えています」
『その人物に心当たりはあるのですか?』
「残念ながらありません」
『では、早急に探さなければ』
「そうですね」今回の会議は、これで終わった為、解散となった。
「それにしてもカロン、隠し事は困りますよ」
「なんの事ですか?」
「今回の議題に、上がった《虚飾》。あなたよね?カロン」
「バレちゃったか!」
「なんで黙ってたの?」
「どこで誰が聞いてるか分からないから黙っておけって助言を貰って」
「誰から?」
「それは、《傲慢》の魔女からですよ」話した瞬間、殲滅の魔女の顔色が変わっていた。
「《傲慢》?冗談はやめて」
「ホントですよ」
「なら、権能は?」
「事象の書き換えです」そう言うとやっぱりね、と言われた。
「あなたは今日から枢要司教よ」
「まだ早くないですか?」
「国1つ滅ぼせる戦力を眠らせておく訳にはいかないの」
「分かりました。魔女教枢要司教《虚飾》担当、メオ・カロン。謹んで拝命いたします」よく言ったわね!魔女様はほめてくれた。
「魔女様、いい加減名前教えて貰ってもいいですか?」
「まだ教えてなかったか!マルシアよ」
「マルシア!良い名前ですね」あれ?そういえばどこかで聞いたことあるような。クロノアから聞いたんだ!
こうして僕は出世したのだった。