シンバルチョークがカッコいい
以前、ビートルズのドラムがうるさいという作品を書いた。
せっかくなので、今回は僕が「カッコいい」と思うドラムのテクニックの一つ、シンバルチョークについて書いてみたい。
シンバルチョークとは、シンバルを手で掴んでシンバルの音を止めるというものだ。
シンバルは普通に叩いたままだと「ジャーン」という音が減衰しながらしばらく鳴り続けるものだが、これをシンバルを手で掴む事によって意図的に止めるのである。
こうすると、「ジャーーーン」と長く続くシンバルの音が「ジャシッ!」とか「バシッ!」という短い音に変わる。
これが僕の耳には歯切れの良い音として心地良く響くのだ。
必要最低限の要点だけをズバっと言って、余計な事は言わずにすぐ黙る、みたいなカッコ良さがある。
「ゴメン」とだけ言って一切言い訳しない、みたいな。
無口で不器用な高倉健みたいだ。
(どんな例えだよ)
シンバルチョークが見られる、僕の好きな動画がある。
以下にURLを貼っておく。
https://www.youtube.com/watch?v=-b99RS8h1ls
僕がこの動画を見始めたのはもう10年以上前のことなのだが、時々見たくなって今でも断続的に見続けている。
彼は左手でハイハットを叩いているから、おそらくは左利きなのだと思うのだが、その彼がシンバルチョークをすると、まるで研ぎ澄まされたボクサーの左ショートアッパーであるかのような切れ味で「バシッ」と見事に決まる。
先の動画では、何回もシンバルチョークが出てくるが、中でも再生時間が3:46の箇所は一番かっこいい。
まさに切れ味鋭い左ショートアッパーだ。
昭和のプロレスで言えば、アブドーラ・ザ・ブッチャーの地獄突きを彷彿とさせる。
昔の話すぎて誰も知らないか。
いずれにせよ、カッコいいワザには違いない。
どこかにシンバルはぶら下がってないだろうか。
そしたら僕が、「バシッ」と掴んであげるんだが。
読んで頂き、ありがとうございました。