ある、ごみ出しの日に
きゃー、やっちまった!
朝の家事を一通りバタバタとこなして、さあやっと自分の時間だ…って机に向かうと。
ぷーちゃんが椅子の背をパリパリパリ!足元で仔猫のように鳴きだします。
「にゃーん!(まってました!)」
「あそぼうあそぼうあそぼう!!」
「シー〇ちょうだいシー〇!!」矢継ぎ早の催促(笑)。
そうだね、ずっと待ってたんだもんね。よし遊ぼっか!
お気に入りのMVをちらちら流し見しながら、ぷーちゃんとひとしきり遊ぶ。
よし、そろそろいいかな。
さーPCで作業…って思ったら、あらま、タイムアップじゃん!( ̄▽ ̄;)
ああいかん、もうこんな時間だ仕事に行かにゃあ。
コーヒーをボトルに用意して…と思ってキッチンに向かうとそこには!
「ボクまだいるよん!」 緑色半透明のでっかい奴が!
まずい、やばい!!
ゴミ袋がまだ、そこに!
そうだ今日は燃えるゴミの日だった!
間に合うかな、どうしよ、もう収集時間20分は過ぎてる…
Σ(゜Д゜;≡;゜д゜)
ばあちゃんのでっかいごみ袋も玄関に鎮座して、運び出されるのを待っているのだ。
あれを次の収集日まで、置いてはおけない・・・( ;∀;)
「ダメもとだ。行くだけ行ってみよう!」
決意と同時に目の前の袋を掴んで階段を駆け下り、靴箱の前に置かれたばあちゃんのゴミ袋もグワシっと握る。前のめりで靴を履きノブを肘で下げ、扉は足で押し開けて(笑) 外へ飛び出す。
間に合いますように。どうかまだ、収集が来てませんように。
心の中で唱えながら集積所に向かって走る。
ほんの僅かな距離だけど、両手がゴミ袋で塞がってて走りにくいことこの上なし。
普段の運動不足もこういう時、ひときわ身に沁みるのよね。
息が上がってきちゃう。
あの角を曲がるとすぐ、集積所。まだ、皆さんのごみ袋がありますように…。
一心に祈りつつ、曲がってみると!
ああ~
ざんねん。ネットの中は空っぽ!
やっぱり間に合わなかったか・・・・しょんぼり (T_T)。
仕方ない・・・。このところ毎日のリズムがバラっバラだから、曜日感覚もすっ飛んでたもんなあ。
迂闊だったあ…。
これ、どこに保管しておこうかな…あっちかなコッチかな…
なんて考えながら、とぼとぼ引き返す。ああ、ゴミ袋がやけに重たい。
と、そこへ。後ろから大きなトラックの音。
あっ、ごみ収集車さんだ。
うちのとこの次、隣組の集積所の回収が済んで、その次へ向かうために道を引き返してくるところだった。
はい、スイマセン。間に合いませんでした。
狭い道で通過のジャマにならないように、道の端っこに寄った。そのとき。
ププっ、って軽くクラクション。減速して停車。
え!
作業員の方が窓を開け、声をかけてきた。
にこやかな笑顔で「いいっすよ、持ってきますよ!」
えええ~~~いいの!!??(≧▽≦)
「ええっ、いいんですか!ありがとうございます!」
パッカーが回転を始め、口が開いたので そばまで持って行こうとしたら。
お兄さん「大丈夫っすよ!」ってすぐさま運転席から降りてきて。
私のとこまで歩み寄り、二つの大きなゴミ袋をわしっと掴んだかと思うと、手慣れた鮮やかな動作でパッカーへと投入してくれました!
うわあ、なあんて、かっこいい!!
「ああありがとうございます!!すみません、お手数かけて」
「いえいえ、大丈夫っすよ!」
「助かりましたー、ほんとにありがとうございます!!」
高い運転席にひらりと乗り込んだ作業員さん。
頭を下げる私に窓越しに爽やかな笑顔を見せてくれ、颯爽と次の集積所へ向かっていかれました。
ううううれしい・・・
ゴミ出し一つでこんなにもあったかな気持ちになるなんて。
大変なお仕事でしょうに。嫌な顔一つ見せず、思いやりの行動が然り気無くサッとできる作業員さんにめっちゃ感激!
素敵だなあ。こういうのホントカッコいい!って思いました。
次へと向かう収集車の後ろ姿が見えなくなるまで、
「いつもありがとうございます!今日は本当に、ありがとう!」ってお辞儀して、感謝の想いでじっと見送ったのでした。
でも、再びご迷惑はかけないように次からは一段と、気をつけねば!
と、この感謝と共に心に固く誓った、爽やかな秋晴れの朝でした(笑)。




