知ってる? “運命の糸は他の糸と繋ぎ直す事ができる事を!”
【嘘つき!】
私は思わず、その言葉が出てしまった。
私の姉と“運命の糸”の話をしていると? 急に姉がこんな事を
言い出したからだ!
『知ってる? “運命の糸は他の糸と繋ぎ直す事ができる事を!”』
『嘘つき!』
『嘘じゃないわ!』
『だって! 運命の人は運命の糸で繋がっている事が決まっているのよ!』
『糸なんて、繋ぎ直せばいいじゃない!』
『お姉ちゃんは、“夢も希望もない現実主義者なのよ!”』
『あら? 夢や希望だけじゃ結婚相手なんか見つけられないわよ!』
『それでも、夢や希望は大事だわ!』
『まあ、アンタは妄想主義者ですものね。』
『メルヘン主義者と言ってよ!』
『はいはい、分かった、分かった。』
・・・元々姉は? 子供の頃から私とは違い。
【現実主義者】だった。
夢や希望だけで、自分の願いは叶わないと信じ切っていたのだ。
ひたすら努力して何でも手に入れてきた姉。
でも私は違う!
夢や希望に満ちており、メルヘン主義者の私はいつも夢心地。
願えばきっと、私の想いは届き叶うと信じているわ!
そして今日も、私は“恋の神様”にお願いするの。
『どうかお願いです神様! “私の運命の男性と巡り会え
ますように! 運命の赤い糸の相手と私は出逢いたい!』
*
・・・数日後。
私は遂に“運命の男性と巡り合う事ができたわ!”
背も180センチ以上でガタイも良く顔は小顔の爽やかイケメン。
私はこの男性が運命の人だと直感的に感じたの。
そして私と彼は付き合い出したわ。
これって? 間違いないって事よね。
【運命の赤い糸】で結ばれてなければ付き合ったりなんかしないと思うわ。
私は彼と【結婚】も視野に入れていたの。
でも? 姉が私の彼と1度会いたいと言うから会わせてあげたら?
何でそうなるの? 姉と彼が付き合いだしたじゃない!
しかも? はっきりと彼から私はこう言われたわ!
『済まない、俺は君のお姉さんを“本気で好きになってしまった。”
こんな事は今までで、初めての事なんだ! どうか、許してほしい!』
『・・・わ、私はどうなるの?』
『いずれは、“俺の義理の妹になると思う。”』
『バカにしないでよ! もう好きにすれば!』
『ありがとう。』
『・・・・・・』
私は彼を許した訳じゃないのに、彼は最後に私にニコッと微笑んだの。
これって? 以前姉が言っていた。
“運命の糸は他の糸と繋ぎ直す事ができる事”ってこと?
私の運命の赤い糸は彼と繋がっていたのに、お姉ちゃんが彼と繋ぎ直
したって事なの?
本当にそんな事が可能なのかな?
私は姉から大事な彼を奪われた。
しかも? “運命の赤い糸で繋がったひとだったのに...。”
そんな事、あり得るの?
・・・じゃあ、“私の運命の赤い糸で結び直された男性は
今何処にいるのよ!”
【ピーポーン】
『はーい!』
『ふみちゃん、元気にしてた?』
『・・・か、カズ君?』
この時、嫌な予感がしたわ!
キラキラ運命を感じるこの感じ。
子供の頃からの幼馴染のカズ君。
大人になった彼は体重100キロ以上あってメガネはいつも曇っていて
夏でも冬でも半袖短パン、夏はいつも体がベトベトしている。
こんなデブのカズ君が“私の運命の人”だと言うの!
やめてよ! 嫌よ、いや! 勘弁して!
カズ君が運命の人だと言うなら、私は一生独身でいいわ!
今の私にはムリ! いや、これから先も無理!
【ごめんなさい恋の神様! この運命の人は私には受け入れられません!】
初めて私は神様に、お願いを拒んだわ。
こんなのあり得ないじゃない!
最後までお読みいただきありがとうございます。




