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2-10辺境の町ゼルーノ

「――、報告は以上となります」

「………そうか」


ゼルーノ領主の館。その領主執務室にて二人の男がいた。

一人は冒険者ギルドゼルーノ支部のギルドマスター。

もう一人は領主ゼルーノ男爵。


「………若い龍にクーセフォールヴ。短期間に立て続けにこうも強力な魔獣が出現するとは。原因は何だと思う」

「加減を知らない残酷な遊びをしている龍は偶然だと思うが、森の奥で暮しているはずのクーセフォールヴが人里近くまで近づいてきたのは恐らく森で何か異変があったと俺は考えている」

「そう考えるのが妥当か」


 机に肘を立てて組んだ両手で口元を隠すゼルーノ男爵。


「おいおい、頭くらい抱えてくれよ。こっちだってやりたいんだからな」

「………ったく。領主然としているのを崩そうとしてくれるな」


 張りつめていた厳粛な空気が霧散した。


 領主の執務室、並びに彼が住まう小さな館には必要最低限度の調度品しか置かれていない。すべてがゼルーノの土地から採られた材料で職人が丹精込めて作られた一品だと分かるそれらは、爵位が上の貴族と比べれば質素と評されても仕方がない。

 執務室には幅広な執務机に本で埋まられた書架、年季の入った暖炉とその上に飾られた一振りの長剣。あとは応対用のソファーセットしかない。

 貴族は態度から滲む気品や身にまとうもの、館や調度品の豪華さや華美で相手を威圧してその力を示そうとするが、ゼルーノ男爵はそれをしない。それはゼルーノ男爵と飾られた長剣にあった。


 ただの装飾品ではない。手入れはされていても所々小さく掛けた刃、血と汗が染み込んだ柄は今もその剣が現役であることを示している。着ている上着の上からでも分かる隆起した肉体はゼルーノ男爵が武で生きてきたことを示しており、身にまとうオーラは机にかじりつくことが多くなろうとも衰えはなく筋肉の谷が木の年輪のように貫禄があった。


 領主になる前の若かりしゼルーノ男爵は白鉄階級まで上り詰めた冒険者だった。家を継げない三男坊は家で当然に飛び出して憧れた冒険に繰り出した。様々な苦悩と挫折、出会いが彼を強くした。そしてその実績を認めた前領主――父親に懇願されて領主の座に就いた経歴を持つ。

今は当時のパーティメンバーである女性を妻に迎えて、領主権限で男をギルドマスターに据えた。ギルドマスターも同パーティメンバーの女性を妻に迎えて、かつてのパーティでこの小さい町を守っていた。かつての仲間であればその貴族と領主の威厳も崩れるというもの。


「それで今はどんな感じだ?」

「ギルドにいる腕の立つ斥候を何人か立てて森を調査しているが手がかりらしいものは何も発見できていない」

「だが推測はある程度立てられる。だろ?」

「ああ。縄張りを持ちそこから出ないクーセフォールヴが出てきたんじゃなくって追い出されたと考えれば、今の森にはクーセフォールヴ以上の脅威がいるってことになる」

「対大隊級以上の………。そうなると俺たちだけでは対処が難しいな」

「守るものが多くなっちまったからなぁ」


 その身一つであれば立ち向かえるが、守るものがあることでそちらにも意識を割けなければならい。辺境といえど一つのパーティが駆けるには領地は広すぎる。


「俺がもう少し、後輩を育成していれば対処に当たらせたんだが。腐った奴らを叩き直すには時間と手間がかかってな」

「それはこちらも同じだ。騎士を名乗りたい馬鹿どもはその称号しか興味が無くてな。使える者が衛兵しかいない。かのドラゴンスレイヤーはどうだ?今回のクーセフォールヴの討伐者なのだろう」

「あの男は魔法を使うソロの軽戦士だ。斥候の経験を積んでいる動きではない。ランクはクーセフォールヴ討伐の実力を評価して青玉にしたが、動きはまだまだ素人だ。今回は使えん」

「となると実際に魔物が出てきたときに対処してもらうしかないか」

「その実力が本物だったらな」

「まだ疑っているのか?」

「信じられるか。おれはまだ信じられない。この目で龍の死体を見てもだ。移動魔法しか持たない男が龍を倒せるか」

「その綺麗な死体でこの領地は潤ったんだがな」

「それとこれとは別だ」


 龍との戦い。死戦と表してもいいその結末は、多くの傷しか残らない。人に土地、そして倒した龍の死体でさえも。ドラゴンを倒すには硬い鱗を砕き皮と肉を割かなければならず、素材として売ることになっても使える部分は少ない。個体数も少ないうえに、使える素材が少ないともなれば稀少価値はさらに上がる。

だが、赤髪の青年が倒したとされるドラゴンは無傷であった鱗と皮膚(・・・・・・・・・・)の下の首がズタズタに切られている以外に外傷はなく内臓も無傷。その方法が口から斬りまくったと説明されても信じられず釈然としない。


「釈然としないが、使える戦力は多い方がいい。今は討伐依頼を多めに回して実力を伸ばしているところだ」

「そうか。できればこの一件が収まるまでゼルーノに留まってくれたら良いが」

「抜け駆けは無しだぞ」

「悪いな、早い者勝ちだ」


 仕事をしている時は、基本繰り返しの日々だ。定められた時間に起床して出勤して休憩して退勤して就寝する。時間に管理された生活。そうした日々を過ごしていると思うことがある。

 あれ?一日が短い。

 業務に集中している分、時間に気に割くことが無くなり、体感時間が短く感じる。

 それは異世界だろうと変わらなかった。

 定められた時間に起床して依頼を受注して帰還して就寝する。生活に慣れた頃には体感時間短縮のサイクルが出来上がる。


 つまりなにが言いたいかというと、ゼルーノ滞在があっという間に数週間経ったということだ。


「おはようオドさん」

「よう、おはようシンクロー」

「はいこれ依頼書の受注をお願い致します」

「………って、また薬草採集かよ。クーセフォールヴを倒してランクも上がったんだから討伐系に挑んでみたらいいじゃないか」

「………………………………戦闘はしたくないっていうかできないから」

「下級冒険者の仕事を取るなって言ってんだ!玉級が石級の依頼取ったら受けることができないじゃないか」

「別に取ってないよ。これだって指名依頼だし」

「え、あ、………ホントだ。ったく、高速で空飛べることを知った魔法薬屋に重宝されて幸せもんだな」

「はい、お陰様で。食うのに困らないから助かってる」


 異世界の、知らない言語に囲まれているといつの間にか脳が言葉を理解し始めて、シンクローは共通言語を話せるようになっていた。しかも教える先生が優秀すぎて共通言語とアルフ語の文字まで書けるようになっていた。正直に青年は頭が良いという自覚はないが、環境への慣れと褐色美少女黒隷ロゼとのマンツーマンレッスンが上手だったということにした。深く考えない。


 変化はロゼの方が大きい。そう、見た目の変化が。もう誰?っていう感じだ。


「お待たせロゼ」

「……ご主人様!……」


 入り口から離れた路地で待たせていた相棒に声を掛けた。

 相変わらず少しブカブカの袖口が大きいフード付きのコートを身にまとう美少女が伏せていた顔を元気よく跳ね上げた。笑み満開で黒い尻尾が見えていたならばフリフリと振っていただろう。幻覚でも見せられているのか、柴犬の耳と尻尾が見える。


「……待ちくたびれたですよ、ご主人様……」

「そんなに待たせていないと思うけど」

「……ご主人様そうでなのです。ここは『待たせたな。寂しくなかったか』と聞き返して抱きしめる場面です……」

「え、そうなの?」

「……そうなのですよ☆……」

「略」

「……ひどいです。でも抱きしめていただいたのでおーけーです……」


ガリガリのロゼはどこへ消えたか。そう、目の前にいる。日頃の食事とサキュバス的な栄養補給で儚げ美少女(予定)は年相応以上の魅了バラまく美少女に大変身を遂げたのだ。

身長こそ変わらないが全体の肉付きが良くなった。鳩尾に押し付けられた顔にはこそげた頬はない。浮き出た骨が目立つ渇いた身体は瑞々しさが戻り、こんがりとした日焼けのような健康的な若さのある褐色肌に、深みのある雪のような白髪(しろかみ)、暗く濁っていた瞳はどこへやら今は誰もが引き寄せられる黄金に輝いていた。

ただ残念ことに弱体化した喉までは治らなかった。でも、しゅき。


「……すー、はー、すー、はー……………ああ、ご主人様♡……」

「よしいいな仕事に行こう」

「……………………………………………………いけずぅ……」


肉付きが良くなったことで、身体も魅力も急成長した証――肉まんくらいの大きさの柔らかい双丘を押し付けてくるが、仕事前に宿に帰るわけにはいかない。仕事モードのシンクローの自重力を舐めてはならない。仕事にはケジメとメリハリが必要なのだ。しかしそれも終業のベルが鳴るまでの話。


「仕事が終わってからな」

「はい!!!!!」


 元気がよろしいようで。

 今回シンクローへの依頼は聳える断崖絶壁に生えるユリに似た植物の採取だ。採取するには傾斜八十度以上の崖をクライミングしなければならない。当然登攀用の道具が必須となるとなり、手足を滑らせば落下の危険性がある依頼だ。


「……やはり、空を飛ぶというのは反則だと思うです……」

「そんなルールは知りません」


それをシンクローたちはたった半日も経たずに終わらせて夕暮れにギルドに帰還した。


 受ける依頼は採集系と依然と変わらない。ただし空を飛べることが広まってからシンクローに依頼をする指名依頼が急増した。そのすべてがゼルーノに店を開く調合士や薬剤師からだ。彼らが要求するものはゼルーノから遠く離れた山岳地帯や底なし沼といった難所に生息することが多い。それを受ける冒険者もそれそうの準備と危険を伴っているので支払われる報酬が割高になっている。しかし宙に浮けて鳥より速く飛ぶというアドバンテージを持っているシンクローであればその危険度がぐんと下がる。採取系の依頼でも危険度次第でこうも報酬が変わるのだから、当然懐具合も潤ってとても喜ばしい。

 ただし、すべてが採取系の依頼ばかりではない。


「……………ギルドからの討伐系の依頼?」

「そうだ。緊急で悪いんだが、引率つきで複数のパーティを組んで『草刈り』に参加してもらう。そのうちの一つに選抜した」

「……………えー、戦うのはちょっと」

「………分かってはいたが断るやつがいるなんてな。だが、これはギルマスからの依頼だぞ」


 上司からの依頼とは実質命令に近い。断ったところで逆らえないだろう。


「それにだ。他に受けられる奴らが今はいないんだ」

「はいはい分かましたよ。でも普段からしてないから失敗しても文句は言わないでくださいよ」

「…………お前が失敗なんて想像つかないぞ、逆に」


毎日宴会をしていた冒険者ギルドだが、今はちらほらと待機している冒険者を数名見るだけで、ベテラン勢の冒険者の姿がない。異常な静けさだった。

 最近になって魔物と魔獣の目撃されており、少なからず被害が出ている。その討伐に待機していた冒険者が駆り出されたのだ。

 その異常を駆り出されたベテラン勢はもちろんオドを含めたギルドに勤める者たちは正しく感じ取っていた。何かが起こり始めている嵐の前の静けさに強張るのも無理はない。

 ただしそれを感じ取れない異世界人がいた。忙しさなんて仕事の時々で変わるもので部署(いらい)が変われば忙しさも変わる、程度にしか思わず、今回も指名依頼なんて形をとっているが実際は助っ人だろうとしか考えていなかった。


「おお!遅かったではないか、|自称ドラゴンスレイヤー《・・・・・・・・・・・》君?」

「………げ」


 既にメンバーが集まっているという集合場所の北門前で最初に出迎えたのは金色に輝く美男子だった。

 彼の名はキヒル。ゼルーノ支部に所属する正規の冒険者にしてゼルーノ最強の青銅級冒険者。彼が纏う鎧と剣は黄金が多く使われており、その姿から『金閃のキヒル』と呼ばれている。高い鼻梁にシュッと細い顎と傷も痣も日焼けもない肌。長い金髪を振りまわすその美貌は古きフランス騎士を彷彿とさせる。


「………すみませんでした。依頼を先ほど聞いたばかりでして」

「遅いのよこの嘘つき冒険者(・・・・・・)!」

「そうよ!キヒル様と私たちをどれだけ待たせたと思っているのよ!」

「早く謝りなさいよ!!」

「………すみませんでした」

「なによその謝罪は!全く誠意を感じられないわ!頭を下げればいいとでも思っているのかしら!」

「集合にも遅れて、謝罪もできなくて、嘘の報告をしてランクアップするなんて冒険者の風上にも置けない。もうあなた冒険者辞めなさいよ!」

「そうよ辞めなさい!そしてキヒル様に忠誠を尽くして奴隷のように働きなさいよ!いいえ、いっその事キヒル様の奴隷になるべきだわ!そうしたらキヒル様の強さと偉大さが少しでも感じられるに違いないわ!」

「いい考えね。そうしたら私たちもこき使えるわ!」

「「アハハハハハハハハハハハ!」」


 シンクローに言いたい放題に叱責するのはキヒルに侍る二人の女性。彼女たちはキヒルのパーティメンバーではない。一応冒険者登録はされているがそのランクは木板――黒石以下の仮登録の状態の二人だ。何もしなければ数日中に仮登録すら抹消される二人はキヒルの協力者という立ち位置にある。キヒルに惹かれたのをきっかけに、彼が彼女たちとギルドに無理を承知で頼み込み一時的な冒険者にしているのだ。


「こらこら。彼は仮にも青玉の冒険者だ。貴重な戦力がこんなところで失うのは惜しい。それに大の大人がいじける姿は濡れた狐のようで可愛そうじゃないか。私はなんとも思っていないから君たちも彼を許してやってくれ」

「「――っあん!はい、キヒル様!!」」


 彼女たちの腰より下に手を当てて窘めるキヒル。そして素肌を撫でられ軽く抱かれたことに赤面する女性たち。

 決していじけているのでなくその光景から目を逸らすシンクロー。目のやり場に困っているのだ。

 彼女たちの装備はお世辞にも冒険をするものとは言えない。武器は意匠に凝った長杖なのだが、防具は恥部の箇所しか隠せていない下着より恥ずかしいとされるビキニアーマーだった。肌面積多めの防具が何の役に立つのか甚だ疑問であるが、恐らくキヒルの趣味だろう。分からないこともないが、味方を困らせてどうするんだ。全員明後日の方向を見ている。


「そういうことで彼女たちが言い過ぎてしまったようだね。あとできつく言っておくよ。でも彼女たちも君がランクに似合う実力を見せればここまで言わなかっただろうし、君自身も誤解を生んでいるということを自覚した方がいい。特に実力に見合わない作り話だとか奴隷のサキュバスとか、ね。今後気を付けるように」


 身の程を弁えろ。言外に伝わってきた。


「……ご主人様……」

「ロゼ謝るなよ。こんなのいちいち気にしてたらキリがない。実力行使してこないだけマシだよ」

「……あの金ぴか、ぶっころです……」

「こらこらロゼちゃん杖構えちゃダメ。というかこんな野蛮な言葉使いどこで覚えたの?」


 シンクローは悪目立ちしておりゼルーノ支部冒険者から目の敵にされている。きっかけはやはりクーセフォールヴ討伐とドラゴン討伐だ。誰もが信じることができなかった。ゼルーノでは誰も相手にできない一つ雲の上の強敵難敵を倒した。突然現れた新米冒険者がそれを成したと想像できようか、否できない。極めつけは迫害と洗脳の象徴たるサキュバスを連れていたこと。彼らの中でギルドの職員を魅了して洗脳ないし暗示をかけたのではないかと疑っていたが、今ではそれが確信に近いものになっていた。呑んだくれている彼らであっても冒険者としてのプライドを持っている。だからこそ力の前では従順であり、一切のズルを認めない。例え力づくで割のいい依頼を独占しようとも、力を誇示しないでランクを上り詰める輩を誰が許せようか。


 すでに準備されている二頭引きの馬車に近づくが、先に乗っている冒険者たちの十六の眼光に怯む。鎧に武器と身に着けていて対面になっている座席にシンクローたちのスペースは無いようにも見えるが、奥に連れてその間隔は絶妙なほどに広がっている。詰めれば座れるはずであるが、先乗りしている冒険者たちの目がそれを許さないと語っていた。

 もう一台馬車が用意されているが、それはキヒル専用だ。すでに中は多数の裸同然の女性で埋め尽くされている。御者も半裸の女性だ。


「おい早く乗りたまえ」

「………あー、あとから追いかけるので先に行ってください」

「……そうか。では出発しよう」


 つまらなそうな表情をしたキヒルの号令の下、二台の馬車が走り出す。

 誰もいなくなったところでロゼが爆発した。


「……ご主人様どうして何も言わないのですか!?馬車に乗れなかったのは金ぴかの指示です!ご主人様はあの金ぴかでも倒せない強敵を倒したのですよ!それはわたしが見て知っているです!ご主人様は強いのです!もっと威張って良いはずです……」

「いやぁ、威張るのはキャラじゃないっていうか」

「……でなければ、…………わたしは悲しいです。自慢のご主人様がバカにされるのが悔しくて……」

「………ロゼ」


 誤ればいいのか。それすら分からない。期待を寄せられたことのない人生はその応え方すら教えてくれない。

 出来たことは抱き寄せること。成すが儘に腕の中に納まった小さな少女は身を預ける。


「……せめて、格下の冒険者に席を譲れくらい言ってほしかったです……」

「ごめんな。でも居心地の悪いあんな男だらけのむさ苦しいところに座りたくなくってさ」

「…………はい?……」

「ロゼはあのむさ苦しい空間と俺と二人っきりの空の旅、どっちがいい?」

「……ご主人様さぁ行きましょう飛びましょう向かいましょうでもまだ飛ぶのが怖いので抱き着いてもいいですかいいえ抱き着くですご主人様の奴隷が空から落っこちたらご主人様の奴隷失格ですなのでそれとゆっくり行きましょう草刈り程度にご主人様の力を示す必要はないです格下にやらせれば良いのですそうと決まればゆっくりと蛾より遅く蝶のように優雅に飛びましょう……」

「…………お前、こういうキャラだったか?」

「……わたしはご主人様に愛と忠誠を誓う奴隷です。………お嫌ですか?……」

「まさか。大好きだよ」

「……わたしも愛してるです……」


 シンクローが引き寄せた大楯は二人を乗せて空を行く。

 既に見えなくなった馬車をあっという間に見つけて、空から追従するのだった。



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