【新番組】魔法少女ロリカルニーナ
わたしニーナ! 小学○年生なのです。
ある日、しゃべるハリネズミのツンツン妖精アコちゃんがやってきて、ニーナにお願いしたんだぁ。
「ボクと契約して魔法少女になってよ!」
ニーナにできるかなぁって不安だったけど、いま街にはわるーい妖魔がひそひそしてて、人間にとりついてわるいことさせてるんだって。
ニーナにはわるいこころをきれいきれいできる、不思議な力があるみたい。
麻桜王子の町を守るため、ニーナはがんばるぞい! なのです!
麻桜王子の駅前が大パニック!
謎の宗教――幼女真宗が町のみんなを洗脳しちゃったよ。
教祖のお兄さんは白いローブ姿で、手にした光る棒を使って、みんなに呪いをかけちゃった。
「はーっはっはっは! 貴方も貴方もそこの貴方も、全員ロリコンにしてあげましょう!」
教祖のお兄さんが光る棒をフリフリしたら、みんなニーナに注目してるッ!
ど、どうしよう! ステラお姉ちゃんに、お友達のカノンちゃんまで!
そしたら、ランドセルの中からハリネズミのアコちゃんがぴょんっと飛び出してきたのです。
「ニーナ! 今こそ特訓の成果を見せる時だよ!」
「で、でもぉ」
みんなゾンビさんみたいに、うーとかあーとか言いながら、ニーナを取り囲んできて……あわわわ。
アコちゃんがニーナの頭の上にぴょんとのって言いました。
「このままだとニーナだけじゃない。この世の小学生がみんなロリコン化した大人にやられちゃうんだ!」
「なにをやられちゃうのです?」
「い、いいから変身だよ! さあ、教えた呪文を唱えるんだ!」
ニーナは覚悟を決めたのです。
大好きなみんなを元の優しいみんなに戻すため。
ランドセルから縦笛のケースを手にして、中から魔法のスティックを取りだして、ニーナは青いお空にかかげました。
「リルリルラルラルロリポップン! ルリルリルラララシャウエッセン!」
魔法のスティックから光がばーっと広がって、ニーナの身体を包むと服が……服が消えちゃうのです。
「「「「「「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!」」」」」」
ゾンビさんになっちゃった町のみんなが急に元気に……逆効果?
それから、光がリボンになってニーナの身体にくるくるって巻き付いて、ピカッ! と弾けると身体をぴったり包んだレオタードみたいなスパッツみたいなぴっちぴちの服になりました。
頭には山羊さんの角みたいなカチューシャで、お尻に尻尾がゆーらゆら。
スカートみたいに腰のところにヒラヒラがフリフリでかわいいけど、ちょっと恥ずかしいかもぉ。
頭の上でアコちゃんが言いました。
「やったね! それは魔法装束っていう魔法少女だけに許された特別な服だよ! さあ、魔法少女ロリカルニーナ! 黒い獣の明日を狩るんだ!」
ニーナはスティックをぎゅうっと握って、うんってうなずきました。
「なんだかわかんないけど、やってみるね!」
「「「「「「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!」」」」」」
ゾンビさんたちがニーナにいっぱい押し寄せます。
「わああどうしよう」
「みんな操られてるだけだけど、操られる方が悪いんだ! 遠慮無くロリポップスティックでお仕置きしちゃうんだ!」
「お仕置きって……」
「叩けば直るんだよ! 昔むか~しの箱型テレビと一緒さ!」
ゾンビさんになったステラお姉ちゃんがニーナに抱きつこうとしてきました。
「ニーナー! ハグハグさせてー!」
いつもと一緒だから、もしかしたらゾンビさんじゃないかもだけど……
「えいっ!」
お姉ちゃんごめんね!
スティックでステラお姉ちゃんの頭をコツンとしたら、お姉ちゃんはその場でヘロヘロになって倒れちゃった。
「ふええぇ……力が抜けるぅ」
「わぁ。お姉ちゃんがフニャフニャになっちゃった」
アコちゃんがニーナの肩のところにぎゅっと掴まって言いました。
「その調子さ! ほら、次! ステラのクラスメートのカノンが来るよ!」
「ニーナーちゃんチュッチュさせるでありますー!」
「えい!」
「きゃー! ニーにゃんかわいい! お持ち帰りさせて!」
「えい!」
「ニーナ様、このベリアルとどこか遠くへ二人きりで逃げま……」
「えい!」
「「「ふにゃあああああ」」」
三人ともフニャフニャになっちゃいました。
それから、町のみんなをどんどんフニャフニャにしていくと――
「クッ! 私の計画を邪魔するとは許せませんね」
教祖のお兄さんがニーナの前に立ちはだかりました。
ニーナはスティック片手にお兄さんに言います。
「みんなを元に戻してほしいのです!」
「そうは行きません……が、もし、貴方が私のモノになるというのなら、考えてあげましょう」
はわわ! ど、どうしよう。
耳元でアコちゃんが言います。
「騙されちゃだめだよロリカルニーナ! 考えるだけで実行しないつもりさ!」
「そ、そーなの? お兄さん?」
ニーナがじーっと見つめると、教祖のお兄さんは言いました。
「なぜバレたのでしょう」
うわ、お兄さんはひどいのです。これはニーナがお仕置きしなくっちゃ。(使命感)
「悪いお兄さんは改心なのです!」
教祖のお兄さんも手にした光る棒を構えました。
「ふっはっは! いいでしょう! 最後の戦いを始めようではありませんか。生き残るのはロリかロリコンか!?」
――今、最後の戦いの幕が切って落とされたのです。
「みたいな夢をみたのですステラおねーちゃ!」
「へ、へぇ……」
あるうららかな春の朝、ニーナは姉に笑顔でそう語り、それを聞いた姉はこう思ったという。
どうしてあたしがマスコットキャラじゃなくてヤラレ役なのよ! と。
<魔法少女ロリカルニーナ・完>
※エイプリルフールだったのさ




