第ニ話 少女の思惑
ニ話目です。
会話が前回よりもおおくなっちゃいました。
てへぺろ。
次話ではなんとかしたいです。
洞窟に着いた。
ちょっとした崖のような所に大きな口を開けている。
まだ雨が降っている。
服がびしょびしょで気持ち悪い。
中に入ってみると奥は深くない。すぐに行き止まりのようだ。
チラリと命の恩人を見た後、まだ雨が降っている外を見る。
雨は結構長引きそうだ。今日はここで一泊するかもしれない。
一応焚き火などの準備をする。
この間に少し洞窟について説明する。
この国での洞窟のほとんどは南の山岳の方に集中している。草原にもあることはあるけれど、どれも弱いやつしか湧かないし、群れていてもたかが知れてる。
しかし、山の方にはゴブリンも沢山湧き、一つの集落のようなものまで作っている洞窟もある。
大概、そういった危険な魔物の巣食う洞窟には国が封鎖し、管理している。
それでも全てというわけではなく、いくつかはギルドが管理している。
ギルドが管理している洞窟はランク付けされており、危険度が小さい順に、C、B、A、Sとなっている。
魔物が全く湧かないただの洞窟はギルドが確認の調査を行ったのち、無害認定される。
無害認定された洞窟はほとんど放置状態だ。
ちなみに、国が管理している洞窟には入り口に結界が貼られている。中には危険な魔物が居るとも噂されている。
ふと、何故あんなところにドラゴンが居たのか気になった。
大体、ドラゴンは最強と呼ばれていて、山の奥の方等に僅かに生息が確認されている程度だ。草原では確認されていない。
ちらっと向かいの岩に腰かけている命の恩人を見る。会話がなくて気まづいので話しかける。
「何故草原にドラゴンに居たのか気になりますね。」
「確かにな。」
再び静かになる。折角話持ち出してやったんだから繋げろよ、とは内なる私。
「今までに戦って来たドラゴンは二つのタイプに別れていたんだが・・・。」
数秒の沈黙ののちに再び口が開かれる。
「その二つのタイプとは?」
「一つ目は頭が良く、長生きしていて、人間の言語も理解している。魔法も使えるタイプだ。だからあれだけでかい体を飛ばすことができる。」
「ふむふむ、で、二つ目は?」
「二つ目は、飛ぶためにとことん体を軽くしたやつだな。頭も悪いし最低限の重さしかない。糞尿は垂れ流しだしな。」
「へぇ〜、で、今回のやつは?」
「・・・今回のやつは魔法も使い頭も良さそうだったが、人間の言語は理解していないようだった。」
「つまり?」
「・・・少しは自分で考えたらどうだ?」
「てへっ」
と舌を出し、照れ隠し。
しかし、そこまでヒントを出されてはいくら実技以外の成績が悪かった私とはいえ簡単に分かる。
「分かりました!生まれてまもなかったってことですね!」
「あぁ、そうだよく分かったな。」
「えへへ〜」
はっ!だめだだめだ、私としたことが
ブンブンと顔を振る。
「ん?もう晴れたみたいだな。じゃあ王都に行くか。」
「え?あ、ホントだ晴れてる。」
外を見ると、いつの間にか空には太陽が見えていた。
まだドラゴンと対峙したときの興奮が残っているのか心臓の鼓動が速い。
「じゃあ、行くか。」
そして私達は王都に戻る事になった。
洞窟をでると太陽が顔を覗かせている。
けれど、快晴ではない。雲がちらほらある。
後ろから来る男をチラッと見る。
フードを深く被っており顔が見えない。
高そうな鎧に身を包み、腰には一本の刃の部分が細長い剣。
「その剣見たことない形してますね。なんていう剣なんですか?」
「これか?これは剣じゃない。刀というものだ。名前を「梅雨」という。」
「へぇーここら辺では見ませんね。どちらの物なんですか?」
「・・・遠い国だ。東の方にある。」
「ふーん。東の方って言ったらロイナですかね?あ、でもロイナは東の方は確かに遠いけど国自体はそこまで遠くないか・・・」
ふと、空を見上げる。太陽が眩しい。
「さっきの雨でスライムが湧いたようだな。・・・それにしても凄い数だな。」
言われて、周りを見ると私達の周りを沢山のスライムが囲んでいた。
ぴちゃぴちゃ音を立てている。
「移動だけだから前のやつだけを倒しながらいくぞ」
「りょーかいです」
そう言われ鉄剣を抜き、スライムの核を刺しながら歩く。
スライムはとても弱い。核を潰されればすぐに死ぬ。
「そういえば、まだ名前聞いてませんでしたよね。私はアリナです。」
前に名乗った気もするけれど、一応ね。
「・・・名のるほどの者ではない。」
「・・・」
空を見上げる。雲が太陽を隠し辺りが少し暗くなる。
それからはろくに会話もせずただただ王都に向かって歩いた。
王都に着くと時計は180度になっていた。
夕飯の時間だ。
「じゃあな」
え?ここまでなの?あわよくばパーティ組もうと思ってたのに。
男は私を王都まで送るとさっさとどこかへ行こうとしていた。
「ちょ、ちょっと待ってください!」
「うん?」
しまった!引き止めたのはいいけれど、その先を全く考えていなかった。
「えーと、あのーそのー、あ、そうだ!一緒に晩御飯食べません?助けて頂いた恩もあるし!」
適当に思いついたけど中々良い気がする。
「・・・いや、当然の事をしたまでだ。遠慮させてもらおう。」
上目遣いまで使ったのに断られた。
ちょっとショック。
「じゃあな」
咄嗟に服の裾を持つ。
「・・・」
「離してくれないか?」
「・・・」
離しませんよー。
「離してくれませんか?」
言い方の問題じゃねぇよ!
「・・・」
「はぁ・・・分かった。晩御飯はご馳走になる。」
やったあ!
ふふふ。私の作戦と粘り勝ちだね。
「じゃあ、私が一番好きな店に行きましょう!あ、でも待ってください!先にギルドへ行って報告と報酬を貰いましょう!」
そうして意気揚々とギルドへと向かった。
ギルドに着き受付のお嬢さんに報告・・・はしない。隣のイケメンさんの方に行く。
「アリナちゃん。おかえり。遅いから心配したよ。ん?そっちの彼は?」
「あ、この人は私の命の恩人なんです。実は・・・」
こうして今まであった事を話す。
受付のお兄さんは終始ニコニコと話を聞いていた。一通り話終えると奥へ行き、すぐにまた戻ってきた。
「ふうん。大変だったんだね。とりあえずゴブリン討伐の報酬の300円だよ。」
え?それだけ⁉︎もっと褒めてよ!
勿論そんなことは表に出さない。
「はい。確かに受け取りました。ありがとうこざいます。」
「あと、ギルド長が呼んでるよ。二人ともそっちの部屋に行ってね。」
「はい。分かりました。」
その言葉を聞いて右の部屋に入って行く。
扉を開けると頬に傷の入った強面のおじさんが長めのソファに座っていた。
怖っ。恐る恐る話しかける。
「あの・・・。ドラゴンを倒した二人ですけど・・・」
「ぬ。君たちがか・・・。まぁ腰をかけてくれ」
言われたとおりギルド長の向かいのソファに座る。
部屋を見ると壁にはドラゴンの顔やブロウドの顔がかけられている。どちらもベテラン冒険者が何人も集まって倒すモンスターだ。
「早速だが・・・。これがドラゴンを討伐した報酬だ。」
と、沢山の金貨がまばゆいばかりの光を発している。
「え?こんなにいいんですか?私はほとんど何もしていないのですが・・・」
と、横の男を見る。我関せずと、壁の方を見ている。
「あぁ、ドラゴンだけでも多いが口止め料も入ってある。」
「口止め料というと?」
てっきり何も言わずに事の成り行きを見守るだけだと思っていた隣に座っている男が口を挟む。
「・・・。草原にドラゴンが居たと知れては下位の冒険者は安心して草原へは行けまい。」
何か隠してるなこの人。問い詰めればすぐに吐くかな。吐かないだろうな。じゃあ魔法で脅して・・・
「・・・なるほど。ありがとうございました。」
「え?」
それで納得するの?
ありえないでしょ。もしかしたらあのドラゴンに殺されてたかもしれないんだよ?
「行くぞ。」
「でも・・・」
「行くぞ。」
片腕を引っ張られ、少し強引に連れて行かれる。
「失礼しました。」
納得いかない。絶対あのギルド長はなにか隠している。外を出るときギルド長の顔をチラッとみると苦虫を噛み潰したような顔をしていた。
私は半ば強引にギルドの外に連れ出された。
というわけで、第ニ話終わりです。
どうでしたか?
え?素晴らしかった?
知ってます。
冗談はさておき、冬休みももう終わりですね。
師走は過ぎ去りましたが、私は宿題でまだまだ忙しいです。
似たような状態の方はいらっしゃいませんか?
励ましあいましょう。
話がズレてしまいました。
次話は気が向いたら書き始めます。
まだ書いてすらいません。
だいたいどんな話にするかは決まってるんですけどね。
ではまた。
おっとヒントを忘れていました。
ヒント1 男の身の回りのものにヒントが。
ヒント2 ずばり刀です。
ヒント3 梅雨といえば六月ですねぇ。
まぁ名前はそこまでこだわらず、適当に考えたので、そこらへんにあるなぞなぞ程度です。許してにゃん☆