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影雄譚  作者: 今日仰日ゞ
僕は『僕』へと離脱し、ゾンビ(?)と出会う
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それでは僕、僕の周りにいる変わった人たちをご紹介。

 目野前現

・『僕』

・通称『人間離脱』

・一人称『僕』

 宛陽菜

・『善の後遺症』

・通称『元、正義者』

・一人称『私』

 イラメラ・ソノ・イミメラン

・『空想人』

・多重人格

・一人称『おいら(オイラ)』

 仲成成

・オメガテンション

・不良

・一人称『俺』

 甘噛瑠羅

・マイペース

・口調の区切りが謎

・一人称『あっし』

 運河流

・真面目

・寂しがり屋(仲成の好み)

・一人称『私』

 韜鏖飌

・変態

・名前があまりに難しいため、通称『カザカザ』

・一人称『儂』

 やっぱり女子というのは一人称は『私』が多いようだ。二人だけだけど。

 僕はこの日初めて知った事実。

 僕はどうやら『世界の中心』によって『僕』にならされたらしい。

 その目的は分からない。だが、何も理由も無しにこのようなある意味『変質者』を作り出すだろうか?

 正直あれが世界の中心だという自覚は無いし、あまり信じられないのは事実であり、今は無理矢理信じ込んでいるという感じなのだ。

目野前現

宛陽菜

イミメラ・ソノ・イミメラン 

この僕達に共通点は全くない。

僕と宛は世界の中心に願った。だが、イミメランは…?

彼女は人間じゃない。これは僕もそうなのだが僕の場合、『人間』から『僕』への離脱。彼女は元から人間じゃない。

空想人である。

空想の人である。

つまりあくまでも願ったことは、手段であって僕達の目標には何か別のことがあるはずだ。

 何かしろと命じているのかもしれない。

 『新生物』

 『元、正義者』

 『空想人』

 この異質三人組な何をしろと?

 僕は朝をチョップで迎える。

 略して朝ップ。

「いだだだ…げ?」

「先輩、朝っスよぉ!まだ起きないんスかぁ?」

 こうも色気のない朝も珍しい。少女に起こされたのに!!

 ロリコンだろうがなんと言われようが、男のロマンである。

「…なぁに勝手に『カタチ』っちゃってんだよ。アレなんだよ、僕人間から離脱してる時動けないんだよ。色々壊れるから」

「なんでしたっけ、体が強すぎるんでしたっけ」

「そうなんだよ。だから実はあまり使えないんだ」

 例えば、僕がお行儀良くお箸を使い、肉じゃがを食べるとしよう。うーん、座った時点で床が抜ける可能性がある。

「僕はイミメランが戻ってくれない限り動けないんだよ。頼む、戻ってくれよ」

「何スかぁ、せっかく起床が遅かったから起こしてあげようとしたのに、酷いっスよ!」

「え?僕そんなに寝てた?」

 僕はベッドの上に転がっていた目覚まし時計を見た。

 表示されていない。

 それもそうだ。なぜなら電池が無くなっていたのだから。

 無くなっていた。それが一番正しい表現だった。

 僕はそれほど寝相が悪いというわけではないので、ベッドの上に目覚まし時計が置いてある。

 それが仇。

 てんやわんやで電池が抜けたようだ。僕は本来足が置いてあるはずの所に頭が置いてある。

 幼少時代によくあった。

 僕の部屋の時計はこれ一つである。

 僕はリビングに出て、現在の時計を確認する。

「えー現在ー十時二十三分ー」

「何で棒読みなんスか…」

 頭の中でイミメラン(後輩)が突っ込んでくれた。ああ、やっぱり僕の空想の中に住んでいるんだな。

「で、どうすんスか?目野前先輩」

「……………あ、ヤバイ。今青ざめる…」

 真っ青。

「ちょっと仲成さんに電話してみる」

 僕は携帯をいじる。

 あ、僕番号知らないや。メアドも。

 と思いながらも一応携帯を開くと、新着メールがあるじゃないか。

 えー昨日メール来てたんだ。全然気づかなかったな。

「誰だ?」

 仲成。

 To 仲成。

THE 仲成。

 …何でメアド知ってんの?

僕は仲成にメールアドレスを教えた覚えはない。

 教えたのは宛だけである。

 内容。

件名 メルアドを何故知ってるのかってぇ~?

  メアドを何故知ってるのかってぇ~?

   はっはっはっはっはっはっはっは

(ΦωΦ)フフフ…

それは昨日の昼休みにパクったからだ!

(´◉◞౪◟◉)どや

「腹立つ…」

「兄貴!コイツ、シメますかい!?」

 何故ヤクザ風!?

 でも助かった。パクったのは普通にムカついたけど、現状を聞き出せるからな。

 僕は仲成にメールした。

件名 今どんな事になってる?

 僕ガッツリ遅刻してんじゃん。

   教師怒ってる?

 送信。

 すると一分も待たずに帰ってきた。

件名 Re

 用、引き。けよっwww

   

   PS 現って先公のこと教師って言うんだなwww

 うるせぇ。

 んだよ。用件に引くなよ。つーか『けよっ』て。普通『なよっ』じゃね?

 『なよっ』とは僕の応用語句では『なよなよ』を意味する。

 …なよくないし…。

「何でカタコトなんだよ」

「いや…先輩。こんな幼稚レベルの暗号解けないんスか?」

 暗号?これが?

 確かに変な文章だよ思うけど…。

「『曜日、聞けよっ』………」

 すぐに分かった。

 解けました。

 解読成功。

 ガチ幼稚レベル。

「聞けよって、ええと…誰に?」

「…その…おいらが、いるじゃないですか」

 イミメラン、人格が変わったのだな。今は(優)ってところか。

「だってお前空想人じゃねえか。この世界の時間とか分かるのかよ」

「分かりませんよ。…その…だから目野前さんの…その…腹時計を使わせていただきます」

 腹時計?ああ、体内時計が狂っているわけではないからな。

「教えてくれ。今日は何曜日だ?」

 この際、僕は普通に携帯電話を見るべきだった。

 携帯にはしっかりと『土曜日』と表示されているからである。

「えーと、今日は、『金曜日』ですね」

「マジで!?」

 しかしながら、もしこの僕の『単純な』生活リズムのズレが無かったら、きっとあの事件、いや、事実にも気付かなかっただろう。

「今からでも行かねきゃな!!急がなきゃ!!」

 僕は急いで着替え、カバンを右手に持ち、玄関の扉を開ける。

 僕は走る。人間は離脱していない。下手に離脱すると地面のコンクリートが砕けたりすることがあるのだ。


 ちょうど半分くらいに差し掛かった所だろうか。息を切らせながら僕は一度休憩していると、周りに“違和感”のようなものを感じた。

 近くには僕がこの前落下し、『世界の中心』が現存する山があるだけで、それ以外に目立った特徴はない。

 そう、小さな山。

 僕はその“小さな山”に違和感を感じていたのだ。

 方言では「いずい」と言う。

 世界の中心にはこんな違和感は感じなかった。

「ん…何だ、この感じ…。おい、イミメラン、何か感じねぇか?」

「…」

 返事はない。

 僕には学校がある。今すぐにでも登校しなければならない。

 そう思いながらも僕は山へ向かった。

 僕はまず、世界の中心へ向かう。

 違和感の原因で一番の心当たりがそれだったからだ。

「…おいおい…何だよこれ…」

 世界の中心。

 僕から見れば『とある神社』。

 宛から見れば『如来様』。

 イミメランから見れば『可愛らしい小屋』

 今、僕の目の前に写っているのは神社に変わりはなかった。

 崩れかけだが。


ブゥゥゥン。ブゥゥゥン。

僕は呆然としていると、宛からメールが届く。

内容

件名 如来様が!

 ちょっと!如来様の首が無くなってる!!しかも家から見ても分かるわ!

   少し錆びているのよ!!何かあったか心当たりある?


   PS こんの変態!!

 PSは余計だ。

 しかしこれで分かった。

 今、世界の中心、世界が異状な状態にあることが。

「…ふえ!!…あれ?…その…ここ何処ですか?」

 イミメランは寝ていたようだ。昨日遅く寝たのはイミメランも変わらないからな。

 どうやら(優)の場合は夜ふかしが出来ないタチらしい。

「ここは世界の中心だ。お前にゃどう見える?」

 ズズズ…と僕の体と重なりながら出てきた少し透明なイミメランは、世界の中心を見て目を丸くした。

「…あ…、え…」

「小屋はどうなった?」

「…その…ヒビだらけになってます…」

 やっぱりな。

 何かがおかしい。

 何が起きているんだ?

「…………………あ、んん?ん…」

「おい、まだ驚いているのか?」

「いや、そうじゃなくてですね…その…あれは……」

「へ?」

 イミメランの指の刺した方向を見る。

「な、何だあれ…」

 一体。

 たった一体。

 しかし僕にはその一体がとてつもない驚異に見えた。

「『ゾンビ』…?」

 ゾンビが一体。

 僕の前に立っていた。

「気、持ち、わりぃ…」

 ゾンビも怯えているようだ。しかし怯えることには熊だってする。

 問題はそのあとの行動である。

 大丈夫だ。万が一何かあってもゾンビの弱点は脳天。脳天を撃ち抜けば殺せるはずだ。

「ヴァァァ……ヴァァァァァ」

 ゾンビは白い息を吐いている。

 腐敗臭が臭う。

「あ、ああ、あああ」

 (優)の方のイミメランは臆病なようで、言葉がしっかりと声として出ていない。

 それなら僕の空想の中に戻ればいいのに。

「くっ、何だコイツ!」

「ヴゥゥゥゥッゥヴゥゥゥゥゥヴゥゥゥゥゥゥア!!」

 最悪なことが起きた。

 僕に襲いかかってきたのである。

 それがまぁ足の速いこと速いこと。

 ゾンビだからよたよた歩くとか、考えが甘すぎた。

「ひっ!」

 イミメランは僕の中に入った。

 空想の中は安全である。

 そうなれば僕は今『僕』状態なので、当たり前のように『カタチ』が使える。

 僕の表現方法。

 すなわち僕自身。

 もう一つの僕は『拳銃』としよう。 

「ヴァァァ!!」

 噛み付いてこない。

 パンチ。

 噛み付けば僕だって仲間

ゾンビ

になるはずなんだけど。

「ぐはぁぁ!!」

 僕は動くことが出来ずに、顔面に喰らう。視界がぼやけてよろけてしまう。

 僕はギリギリ転びそうなところで引き金を引き、大きな発砲音がなる。

「ヴァァァァ…」

 それが脳天に命中した。玉は貫通して、奥に立っている木に当たる。

 だが死なない。

 死ぬ素振りも見せない。

「ああ!?」

 ゾンビは三秒以内に五十発以上のパンチを僕に炸裂させたあと、足の裏で蹴飛ばした。

 僕は木を三本くらいへし折って、吹き飛んだ。

「あででで…!」

 気が付くと目の前に、という表現が一番正しい。

 僕はもう一度、ゾンビに銃口を向ける。

 スパーンとゾンビの胴に穴があく。

 だが進むのを止めなかった。

 拳銃は退けられ、僕は銃を離してしまう。クルクルと回転しながら飛んでいってしまった。

 「ヴアァアァアァアァア!!!!!!!!!」

 この悲鳴は僕である。

 僕はもう一度顔面に拳を喰らうことになる。

 流石に頭蓋骨が粉砕しただろうか。ベシベシという音が鳴った。

 僕は耐久力と生命力は上がったが、治癒力はたいして上がったいないのだ(いや、腕がもげたら、くっ付くとは思うが)。

 「グゥゥゥゥゥゥ!!」

 心臓が叫んでいるのが分かる。

 僕は、殴られた瞬間にそのゾンビの腕を引きちぎった。

 が。

 「グハァ!!」

 その腕が突如破裂、爆発した。

 僕はそれを直に受け、また吹き飛んだ。

 山を抜け、道路に落ちた。

 よくよく見ると、僕の顔に付いているゾンビの破片がもぞもぞ動いているのだ。

 しかも弱点がない。

 不死身。

 アンデット。

 アンデット中のアンデット。

「…イミメラン、聞こえるか?」

「…はい、聞こえます」

「逃げるぞ」

「え?」

 空想の中にいても驚いているのが分かった。

 いや、空想の中にいるからこそか。

「駄目だ。今の僕では到底叶わない。多分このままだと殺される」

 僕だって死にたくないんだ。

「分かりました!」

「おし!!」

 僕は最後の力を振り絞って足に力を込めて、跳んだ。

 道路が割れたが、気にしない。


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