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僕の明日は白かったけれど

作者: 月白 深夜

僕の明日は白かった

思い出せない

僕がいなかったとき

遠い昔に

僕の明日は白かった


明日は白かったけれど

重ねてゆくスケッチブックの下

僕じゃない誰かがその前にいたとき

書き散らした絵の具の色が

ずっと向こうの明日まで

真っ白の中に

染みてった


明日は白かったけれど

僕がそこに座ったとき

真っ白かったキャンバスは

いろんな色に濡れていた

僕は僕の明日の前

先の割れた絵筆を握り

足りない絵の具で

残った白を塗りつぶした


僕の明日は白かったけれど

濁った明日に戸惑って

僕の知らない色に滲んだ明日を前に

僕は明日の描き方を知らなかった

傷だらけの筆と

足りない色と

何で僕は明日を描く?


だけど泣きながら破り捨てた明日の前

僕はふと気づく

明日より白い次のページ

明日より少し遠い

いつかの未来


明日はもう白くないけれど

筆は洗って

欠けた色を探して

不器用なこの手で

白くない僕の遠い明日を描くため

僕は今日の前をもう一歩

もう一歩歩いてみようか

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― 新着の感想 ―
[一言] 未だ見ぬ明日を白と肯定したと思いきや、実は汚れてんだろ?と、開き直りましたか?。 でも、実はその心は白いのでしょうねえ。 明日以降の自分たちを白だって言われてもねえ・・。 若いから”白”っ…
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