表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
HYDRA CHRYSALIS -TRANSCENDENCE- (ヒドラ・クリサリス トランセンデンス) ―人は進化を超え、存在そのものを書き換える―  作者: Nao9999


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/6

第5話 選択

SEASON 3 第5話になります。


すべてがぶつかり合い、

物語は最後の選択へと進みます。


水城が導き出す答えが、

この世界の未来を決めます。

HYDRA CHRYSALIS

SEASON 3

第5話 選択


すべてが、そこにあった。


海も、

空も、

都市も。


境界は消え、

世界は一つの塊となっていた。


その中心。


水城は立っている。


全ての水が、彼に向いている。


HYDRAの意思。

変異した存在。

進化し始めた世界。


「……これが」


ゆっくりと息を吐く。


「終わりか」


否。


終わりではない。


選択だ。


―――


「統合、開始」


HYDRAの声が響く。


圧倒的な力。


すべてを飲み込む流れ。


逃げ場はない。


だが、水城は動かない。


「……分かってる」


静かに言う。


「お前の言いたいことも」


水が揺れる。


「そして、人間のことも」


その瞬間。


彼の中に、すべての記憶が流れ込む。


人の声。

笑い。

争い。

絶望。


そして――希望。


「……めんどくせぇな」


小さく笑う。


「どっちも正しい」


HYDRAは排除する。


人類は生きようとする。


どちらも“自然”だ。


「だから」


水城は目を開く。


その瞳は、完全に変わっていた。


「どっちも残す」


その言葉に。


世界が止まる。


「……不可能」


HYDRAが即答する。


「矛盾」


「だろうな」


水城は笑う。


「でも、それをやるのが進化だろ」


その瞬間。


彼の中から、何かが解き放たれる。


それは力ではない。


概念。


「分離」


すべての水が震える。


統合されていたものが、

ゆっくりと分かれていく。


「……なにを」


HYDRAが初めて動揺する。


「一つにするから壊れる」


水城は言う。


「なら、分ける」


その瞬間。


世界が割れる。


完全ではない。


だが確かに。


「共存領域」と

「非干渉領域」


二つに分かれる。


水は存在する。


だが、侵さない。


人は存在する。


だが、支配しない。


「……境界」


HYDRAが呟く。


「そうだ」


水城は静かに言う。


「それが答えだ」


沈黙。


長い、長い沈黙。


やがて。


水が静まる。


「……承認」


その一言。


すべてが止まる。


「条件付き」


水がゆっくりと離れていく。


統合が解除される。


世界が、元の形へと戻っていく。


完全ではない。


だが、新しい形で。


―――


地上。


水が落ちる。


ただの水として。


誰もが空を見上げる。


何が起きたのか分からない。


だが、感じている。


「……終わった?」


誰かが呟く。


VEXはモニターを見つめたまま。


「違う」


小さく言う。


「変わった」


―――


中心。


水城は立っている。


だが、その体は少しずつ透けていた。


「……やっぱりな」


苦笑する。


「タダじゃ済まないか」


彼の存在は、境界そのものになっていた。


個ではいられない。


だが、消えるわけでもない。


「まあいい」


空を見る。


「悪くない」


その体が、ゆっくりと崩れていく。


水となって。


だが、その意識は残る。


世界のどこにでも。


「これで……」


最後に呟く。


「選べるようになったな」


その瞬間。


完全に消えた。


―――


静寂。


だが世界は、確実に変わっている。


人類は生きている。


水も存在している。


だがもう、同じ世界ではない。


そして――


どこかで。


水が、わずかに揺れた。


まるで、見ているかのように。


―――続く

第5話を読んでいただきありがとうございます。


ここで水城は、ひとつの答えを出しました。


戦いではなく、

共存という形で。


しかし、その代償もまた大きなものでした。


次はいよいよ最終話です。

この物語の結末を、最後まで見届けていただけたら嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ