放っておけない彼女
どうしても欲しいグッズがあった僕は 限定ショップに行って買い物をしていた
思っていた以上にグッズの品ぞろえが豊富で 店も広くて
結構時間をかけて見て回っていたせいで 外はすっかり真っ暗になっていた
都会の街中にあった店だから 帰りも当然都会の街を抜けていくことになる
周りに人がたくさんいるし こんな都会であまりに場違いなオタクという自覚があった僕は
とにかく目線を下げて 早歩きで駅へと向かっていた
すると ドンッと女の子とぶつかってしまった
「す すみません、、、」と ぼそっと言いながら少し目線を上げると
インナーカラーを入れて結った髪に ピアスをいくつもつけていて
おしゃれで如何にも今どきって感じの女の子が立っていた
怖くなった僕は 「ごめんなさい!」と言って 急いでその場から去ろうとした
しかし 彼女は僕の服の裾を掴んでいて 僕はすぐに立ち去ることが出来なかった
「あの、、、」と彼女が口を開く
さっさと振り払って逃げてしまえば良いものの 僕は彼女の瞳に捕らえられ
彼女の目の前から 全く動けずにいた




