表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
堕天【 FREEDOM’S CROWN 】 ~生きる為、怪物と契約した男~  作者: イチジク浣腸
聖桜教団編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

60/68

論を穿つ拳

 ドゴォォォォォォォォォンッ!!


 戦域が震えた。 ヒカリの渾身の右拳が、マガツの胸元へ深く、深く沈み込む。自由を象徴する光り輝く炎が、接触面からプラズマとなって激しく火花を散らし、周囲の空間を焼き焦がす。


 だが、マガツは微動だにしない。 そこにあるのは、かつての敗北を想起させる絶望を纏った「怪物」。

 生物としての限界を超えた怪物が可能とした、理不尽なまでの静止。


「……無駄なことだ。お前の出力、能力の限界値、そのすべてをこの身が記憶している。」


 マガツの声が、至近距離でヒカリの鼓膜を打つ。一切の感情を排した、金属的な冷徹さ。


「教団の連中が君をどう評価していようが、私には関係ない。 炎と光を扱えるから何だ? なんの意味もない。 一度私の前で膝を突いた事実は、君の力が私の『鎧』を打ち破れないという決定的な証明だ。……君が今ここでどれだけ叫ぼうが、既に終わった結果をなぞっているに過ぎない」


 マガツの右手に備わった骨刃が、迷いなくヒカリの脇腹へと突き出される。逃れられぬ死の宣告。


「諦めて……このまま死ね。それが、君が辿るべき唯一の道だ」


「ハッ……。決まりきった道、ね……」


 ヒカリは血の混じった唾を吐き捨て、マガツの無機質な瞳を睨みつけた。


「お前さ、さっきから『一度勝った』だの『証明』だの……。いつまで、終わった殺し合いの話をしてやがんだッ!!」


「……何だと?」


「一回勝ったから次も勝てる? 俺の限界はもう分かってる? ……ざっけんな! そんなもん、お前が勝手に決めたルールだろ。お前のその、何もかも分かったような面が……一番ムカつくんだよッ!!」


 ヒカリの咆哮が、大気を物理的に震わせた。 同時に、胸元に突き立てられた拳から「炎」が消失する。


「炎、光? 甘いな……それは違うぞ!!」


 叫びと同時に、ヒカリの拳の感触が変質した。 マガツの鱗が防いでいたのは、前回の戦いで見せた「炎の熱量」だ。だが、ヒカリが今放ったのは、物理的な熱でも爆発でもない。


「俺の力……ルシファーの力は、そんなんじゃねえ……。**俺が『こうだと決めた』ことを、力ずくで現実に叩き込む力だ。**お前が勝手に決めた俺の限界なんて、今ここでぶち壊してやるよッ!」


「なっ……炎が……透過して……!?」


 初めて、マガツの表情に動揺が走る。 鉄壁のはずの鱗を無視して、ヒカリの拳がマガツの**「内臓」**へ直接、純粋な衝撃と意志を送り込んだ。 内部から焼き尽くされ、逃げ場のない破壊がマガツの体内を駆け巡る。


「前回の俺に勝てたからって、今この瞬間の俺に勝てると思うなよ! 俺の力を、お前のちっぽけな経験で測るんじゃねえッ!!」


 ミシ、ミシ……、ギチィィィィィッ!!


 マガツの内部から、砕けるはずのない骨が粉砕される悍ましい音が響く。 「過去のデータ」という確信に縛られていたマガツにとって、目の前で「今、この瞬間」に進化し、前提をひっくり返したヒカリの一撃は、不可避であった。


「……! お前の狭苦しい屁理屈ごと、ぶち抜いてやるよッ!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
#異能バトル #グロ描写 #ダークファンタジー #現代ファンタジー #サスペンス #群像劇 #裏社会 #犠牲 #ヒーロー #アクション #グロ描写 #男主人公#サイコスリラー #宗教描写 #ローファンタジー #怪物#チート #国家 #戦争
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ