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堕天【 FREEDOM’S CROWN 】 ~生きる為、怪物と契約した男~  作者: イチジク浣腸
聖桜教団編

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待ち遠しい時間

リリスさんが、一人ずつ業務内容を説明していた。

冷たい光の下で、声だけが静かに落ちていく。

俺は――

「うわぁ……字、多すぎ。オレ、3行超えた文章は生理的に受けつけないんだよな。」

気づいたら口に出てて、横から肘が飛んできた。

「痛ってぇ、クソ! ……はいはい聞くよ。聞きゃあいいんだろ」

書類が回ってくる。

任務の概要らしい。

一秒で理解した。

(よし……わからん。)

リリスさんの説明は続く。

俺の脳内には“三文字くらい”しか残ってない。

まあ……どうせ現場に出りゃ身体が勝手にやるだろ。

碇先輩もヒルメもいる。死ぬ気がまったくしねぇなぁ!

その時、江藤が口を開いた。

普段は必要最低限しか喋らない男が言葉を発すると、空気が一瞬ひやっとする。

「班長、一つ確認してもいいですか」

リリスさんは顔だけ向け、指先の下で光が冷たく揺れていた。

「何?」

江藤は書類を軽く叩きながら、静かに問いかけた。

「“次の討伐”任務は三日後で、対象が熊の神……ですよね。……嘘ですよね……?」

江藤の声が、低く響く。

場に小さな緊張が広がる。

リリスさんの表情が、一瞬だけ曇る。

「えぇ、三日後。『熊の神』の討伐。」

碇が静かに訊く。

「場所は?」

「北海道、旭川市郊外の山林です」

リリスさんは資料をめくりながら答えた。

「ここ三週間で確認された目撃は、全部で十二件です。被害に遭われた方はもう50名に上り、そのうち40名が亡くなっています。さらに、今月行方不明になった100名も、おそらく『熊の神』──クラウンの関与が疑われます。

旭川中央警察署では通常の捜索を打ち切り、公安神性事案対策部への協力要請がありました。北海道の公安とも連携し、排除する必要があります。」

江藤が小さく息を吐く。

「……まともにやれば、確実に死にますよね」

「ええ」

リリスさんは表情を変えず、冷静に答えた。

「生還の可能性は、ほとんどありません」

一瞬、部屋が沈黙に包まれる。

でも、リリスさんの声は止まらない。

「でも、私たちには選択肢がないの」

資料を指で押さえながら、静かに続ける。

「『熊の神』を放置すれば、被害はさらに拡大するだろうね。」

俺は軽く息をついた。心臓が少し跳ねる。

「……だから、ぶっ殺して、さっさと救出して帰ってくる──そういう話なんでしょ?」

リリスさんは、冷たい光の下で全員を見渡す。

俺は自然と肩を正す。

……どうやら、任務は、待ってくれないらしいな。

携帯が短く震えた。

リリスさんは画面をチラッと見て、表情をキュッと引き締めた。

「…失礼します」

立ち上がって通話に出る姿を見て、俺はなんか、やな予感がした。

戻ってきた彼女は短く報告する。

「三日後、警察庁長官との定例協議に私も出席することになりました。クラウン対策に関する政府方針策定への助言要請だね。残念だけど、現地には同行できません。碇くん、現場指揮をお願いします。」

碇が一拍置いて頷く。

俺はガックリと肩を落とす。

「では、準備を始めましょう」

リリスが立ち上がる。

「碇くん、作戦の立案をお願いします。」

「はい」

碇が頷く。

ヴェレスが手を挙げる。

「班長、私も同行させてください。ヒカリ様の——いえ、チームのために力になりたいのです。」

リリスさんは短く答える。

「構いません。ただし、情報は断片的です。無理はしないこと、常に連絡を取ること。分かった?」

「はい!」

ヴェレスが嬉しそうに答える。

俺はその光景を見て、思わず眉をひそめた。

「はぁ、マジかよ…やべぇの、来ちまったな…」

──『ヒカリ』。

ルシファーが小さくため息を漏らす。

「ん?」

『あの女には、気をつけてくれ…。』

「気をつけるって、どういう意味だ?」

『昔から、ずっと私に付き纏う…ほんとに鬱陶しい存在なんだ。』

声に少し疲れが混じる。

『何を考えてるのかも、全然分からないし…。』

「…かわいそ。」

ヒカリは、ヴェレスを見る。

ヴェレスは、ヒカリを見つめている。

「やった〜。ヒカリ様〜、いやぁ…よろしくお願いします!」

その目が、異様に輝いている。

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