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9 褒められるのも悪くない

……

ドレスなんかを選んで一週間は経ったが、今俺は絶望しかけている。

そう、ロバート様が主催する武術大会が数日後にあるのだ。俺は書類に追われていたから当然、準備など全く出来ていない。そこのとこどうなんですかね。

「で、どうするんですか主。」

「…………やりたくない。」

俺は弓矢ならまだ人並みだが、力任せに前線で敵を斬ってるアベルとかに接近戦で勝つのは難し過ぎる。正確に言えば本気出したら勝てるけどやりたくない。悶々としつつ朝ごはんを食べていると、レイチェルが話しかけてきた。

「ロレーヌに聞いたんですが、数日後にある武術大会に向けて何かお手伝いできることはありますか?」いらないこと吹き込むなロレーヌ。

「ん?ああ、そうだな…

 一つ、弓でもやるか。」

「よろしいのですか!」目が輝いてるの可愛い。

朝ごはんを食べ終え、庭に出て弓矢を用意する。

「お前は弓をやったことがあるのか?」

「ええ、学校でいくらか。」

そう言いつつ早速巻藁に当ててるじゃないか。

射形も綺麗だし、普通に上手いなレイチェル。

「いいですけど剣の訓練は大丈夫ですかね」

「やるから」

レイチェルと魔法に合わせて攻撃する割と応用型の練習をする。きちんとついてこれてるのは上位成績者故か。

「レイチェルは緑属性か…俺と相性が良いな。」

魔法には4つの属性と用途がある。

4つの属性は火、水、雷、緑。

緑とは要するに自然のことで、それぞれ相性がある。例えば水は火と打ち消し合うが緑と相性が良い、というように攻撃や援護の方法が決まってくるのだ。

4つの用途は攻撃、防御、治癒、生活。

生活というのは火でものを焼いたり雷で乗り物を加速させたりというように身近で使うことで、魔法の用途の中で一番重要とされている。

まあ、魔術学校の上位成績者は基本的に複数扱えるようになっているが。

その後、ロレーヌたちと手合わせをする。

ロレーヌは火属性なので端から見ると割と派手な手合わせになる。まあ、一切手加減してくれないんだが。

一度休憩を挟む。やっぱり久しぶりで体がなまってるなこれ。

「お疲れ様です旦那様。」レイチェルが作ってくれたサンドウィッチとチキンナゲットは世界一美味しい気がした。

◇◆◇◆◇◆

「礼、始め!」

審判の声が響く。

「オレに勝てると良いな!」

「うるさい」

最終戦まで結局残ってしまい、アベルと戦うことになった。最悪だ。

「“火祭り”!」最初から体力消費の大きい技出しやがってこいつ。大波でかき消しつつ、アベルに近づく。

「“火の玉”」あいつ詠唱魔法しか出来ないのか。

氷あられで消し、あいつが呆気に取られているうちに氷刃で一太刀お見舞いした。

「1本!」審判の声が響き渡り、歓声が上がる。アベルは地団駄踏んでるが。

「ロバート様、魔法なしで手合わせしても!?」何いってんだアベル!?

「良いぞ!」…最悪だ。

「剣先を合わせよ!」審判が言う。

「始め!」

アベルの一撃は一つ一つ重く、受け流すしか出来ない。

「その程度かスチュアート!」

俺の中で何かがぷつんと切れた。

俺はアベルの大技に合わせ後ろに回り、ついでに持っていた剣で思いっきりその頭を殴ってやった。

「痛いだろお前何しやが「勝負あり!」

「元々魔法なしでって言ったのも俺を煽ったのも全部お前だろう、手加減するほど俺は優しくない。」そう言ってタオルを持ってきてくれたレイチェルに近づく。

「最後の1本、さすがでした!」

「ああ、…ありがとう。」褒められるというのも、悪くはない…かもしれない。


明日から個人の都合でお昼の1時半ぐらいに更新します。更新されてなかったら察してください。

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