47 追手
あけましておめでとうございます
更新遅れてばかりですが今年もよろしくお願いします
特別編は今週中に公開します
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馬車に乗って急ぎロバート様の本陣へと向かう。
「…ところで、今回かき集めた兵糧はどのくらいになるんですか?」ふと疑問に思って、思わず聞いてしまった。
「し、失礼―」失態を詫びようとすると、旦那様が止めた。
「詫びる必要など無いだろう。第一、もう作戦は分かっているのだろう?」
「ええ、」恐らく、付近の兵糧を高値で買い取って持久戦に持ち込むというものだろう。
「付近の村にあった小麦はほぼほぼ買い占めましたし、売れないという者たちには一切あちらに兵糧を差し出さないと約束させました」
さらっとラウル様言ってますけどどうやって取り付けたんですかその約束??
「とある集落の長に俺たちがロバート様の軍だとバレたんだが、」ランドルフ様が説明しようとした時、急に馬車が止まる。
「何事だ」マター様が声を低くして御者に尋ねる。
「前に、何者かが―」その言葉を言い終わらぬうちに、彼方から細い針のようなものがするりと飛んで御者を亡き者にする。
「飛び道具…!」
「取り敢えずここを出ましょう!」ニコル様に続いて、急いで馬車を降りる。
周りを取り囲んでいるのは、深くフードをかぶったお馴染みの集団だ。ざっと30人程だろうか。
「…貴殿らは何者か。」マター様は低い声で奴等に尋ねる。
「貴様らに答える名などない。」首領らしき人物は切先をこちらに向ける。
「下がっていろ」有無を言わせぬ低く太い声。マター様は口布をおもむろに取り出し後ろで結ぶ。
「かかれぇ!!」
多方向から飛んでくる火矢やを魔法障壁で次々に粉砕し、ゴンと杖をつく。
「『では、良い夢を』」
強い風が吹いたと思えば、辺り一面に花吹雪が舞って濃く甘い香りが漂い、次々と敵がばたりばたりと倒れていく。
「おの、れ…」首領はよろめきながらも吹き矢を放つ。
その瞬間、マター様が杖の持ち手をねじり仕込み刀を取り出すと吹き矢を叩き切って首領に近づき、その腹に刀をねじ込んだ。首領は目をひん剥いて口から血を吐き、こと切れる。
マター様は首領の亡骸を蹴り刀を抜くと、どっと地面に崩れ落ちる。
「マター様!!」
「この術は、1時間っ、ほどしか、保たない、っあ、は、やく」
マター様は刀を戻し、地面に杖をついて苦しそうに息をする。ざっと30人ほどに術をかけるとなると、どんなに効果が強い固有魔法であっても至難の業だ。
「皆乗って、早く!」御者の代わりにラウル様が座って待機している。幸いにも、馬は死んでいなかったようだ。皆でマター様を介抱して馬車に乗り、再び道を急いだ。




