43 結果
遅れてすみません!!(土下座)
ニコルがコップを持ち上げる。
「1と、3…!?」
「セカンドゲーム、スチュアート殿の勝利!」
4…ということは、やはりこれで正しかった。
「ば、馬鹿な…」
「どうしたオクタ、ファイナルゲームで勝てば良い話ではないのか?」
「そ、それもそうだな。俺は常に勝ち続ける…そうでなくては。」
「準備は良うございますか?…ファイナルゲーム、開始いたします。」
ニコルは同じようにコップへ2個サイコロを入れ、今度は八の字を描くように振る。
「!?」奴が小さく息を吸う音が聞こえた。…気付かれたか。
「先攻、オクタ様。」
奴は長い事考えた末、ゆっくりと口を開く。
「……5で」
「後攻、スチュアート殿。」八の字ということは、恐らく……
「……4」
「………後悔はございませんね」
「「……ああ」」
いくらか間が空き、ニコルが息を吸う。
「…ショーダウン!!」―祈るような、奮起させるような声。
そっとコップを持ち上げると――
「1と―」
「3…」
「…………ファイナルゲーム、スチュアート殿の勝利!」
「俺が…負けた…?」奴はこめかみを押さえ、椅子から派手にずり落ちる。
「どうかなさいましたか、オクタ様。」
「…戦う前に、一つ良いか」奴はニコルに助け起こされ、身体についた雪を軽く払う。
「何故、狙った目を出せた?」
「…私の固有魔法は、「相手を賭けに誘い込めたら、少しだけ有利にすることができる」というもの。攻撃ができないこの空間は固有魔法ではないし、必ず狙った目が出るとは限らない。…あれは完全に運としか言えません」
「…言い過ぎだ、ニコル」
「口が滑りました。…さあ、約束はきちんと守っていただきましょう。
――こちらとしても逃がすつもりは毛頭ありまへんよ?」
「望むところだ」奴らは俺たちをぐるりと取り囲み剣を抜く。
さっきのせいで皆、切先が震えているが逃げるような素振りは無い。
「ニコル、どうする」
「好きにどうぞ」
「皆のもの、かかれ!!」奴の号令で近衛兵たちは一斉に押し寄せてくる。
「『鉄槌は下される』」
周りの動きがゆっくりと――いや、自分の身体が軽くなるような感覚で、いつもより速く動ける。剣の届かない間合いに入って思い切り近くにいた奴の頭を蹴り、続けて腹を殴り剣を奪う。
ニコルはというと、敵の斬撃を軽くかわし木に登って長弓で敵を次々に射抜く。いつもより遅く見えるから少し面白い。
「脇見している余裕がお有りのようだな」
「!?」奴の声。咄嗟に振り向いて拳を振り上げる。
「ぐはっ…」拳は奴の頭部に当たり、奴は盛大にふっ飛ばされる。このまま、一気に片付けて―?
身体が動かない。腹部に激痛が走り、膝から崩れ落ちる。口の中に、鉄の味が広がり純白の雪の上へと鮮血が染み渡る。
「スチュアート!!」




