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4 サクサククッキー

……

結局、熱はすぐに下がって回復したのだが…

「レイチェル、体調はどうだ?」

最近、旦那様がちょくちょく私を訪ねてくる。

「だいぶ良くなりました、その…貴重なお休みを無駄にさせてしまって申し訳ありません。」

「謝ることではない。…今日は元々休みだったんだが、庭を散歩でもしないか?」

もう一回誘ってくるけれど、さすがに断れないなこれ。

「そうですね。」

「そ、そうか…」喜んで赤面してるんだが可愛いなこの旦那様??

動きやすいワンピースに着替えて、庭に向かう。

「よし、…行こうか。」エスコートされたので大人しく細いながらも筋肉を感じさせる腕につかまる。

「あの花は何というのですか?」

「あれは紫陽花という東洋の花だな。土によって色が変わるそうだ。」

「あの木は…何というのだったか。」

「確かトマト、というそうですね。あの赤い実は食べられるそうですよ。」

「そうか…今度料理長に使ってもらおう。」

話は尽きなくて、とても楽しい時間だった。

「お二方、ランチの時間にございます。」

「ああ、東屋で食べようか。」

ランチはサンドウィッチで、デザートはクッキーだった。

「クッキーは召し上がらないのですか?」何気なく聞いたつもりだったのに、旦那様はちょっと悲しげな顔をして言った。

「…俺は甘いものが好きではないから、俺の分まで食べるといい。」ひょいと差し出されたクッキーを食べる。

「…!サクサクでナッツが香ばしくておいしいです!」思わず言ってしまった。こんなおいしいクッキー食べたの久しぶりだしな。そうだ、このクッキーがおいしすぎるのが悪い。

「そうか、良かった。」

旦那様は、微笑を浮かべこちらを温かい目で見ている。その紫の瞳はまるで宝石のように美しくて、思わず吸い込まれそう…って、何を考えているんだ私。結局旦那様にクッキー全部もらってしまった。

「よし、」旦那様がそう言って立ち上がり、歩き始めようとしたとき-。

バッシャーン、とメイドが足を滑らせ持っていたバケツを空に投げーその濁った水が旦那様にかかってしまった。…ん?メイドの胸元に何か光るものが見えた気がしたが、それどころではない。

「旦那様、」

「も、申し訳ありません!!」メイドが必死に謝る。

「問題ない。ちょうど、暑いと思っていたところだったのでな。」そう言って旦那様は服を絞る。

「…今すぐに蒸し風呂を用意させます」エルサが渋い顔で言った。

「ああ、…レイチェル、水かかってないか?」

「ええ、」おそらく咄嗟に私を庇ったのだろうか、髪がびしょ濡れだ。なんだか申し訳なくなった。

「後でお体をお流しいたしましょうか?」部屋に戻り、着替えを手伝いながら聞いた。なんで申し出たんだ私よ。まあ申し訳なさから来てるから良いでしょうとか自分に言い訳をつく。

「…良いのか?」旦那様はエルサを横目で見る。本来メイドに任せることだが大目に見てもらえそうだ。

…ん?旦那様の髪、白っぽくないか?気のせいだろうか。うん、気のせい。気のせいだな。

「蒸し風呂の用意が出来ました」

エルサから借りた風呂着を着て、蒸し風呂に向かった。


書き溜めてるけど更新おくれるかもです

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