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31 フィリー

◇◆◇◆◇◆

「お前がハスク家の跡継ぎとやらか」主の主ーつまりはロジャー様が興味深そうに見やる。

「そうだ。ホワイトウェイ家ごとき田舎の奴らが、分をわきまえよ!」咄嗟に部屋中が殺気に満ちあふれる。

「貴様、無礼な「控えよ」勇猛果敢、勤勉直実と名高いライン・ファクトリー・エンダー様が熱り立つが、ロジャー様の制止で黙り込む。

「かわいそうだな…」ねっとりとした声でロジャー様が言う。

「貴様に同情される余地はない!」

「だってお前、女だろ。」

「……!」ひゅっと息をのむ音が聞こえる。

「図星じゃないか。」上様は不気味に笑う。

…こちらも、薄々は分かっていたことだった。縄で縛るとき、不意に向けられたあの顔は男とは言いづらいものだった。

「それを知って何になる。私を火あぶりにでもする気か?」正体を暴かれた彼…いや、彼女はもう自嘲気味だ。

「…もう一人の子供はどこへ行った」

「そんな奴なんていない」微かに声が震える。

「どこへ行ったと聞いている」

「私は父上と母上の唯一の子。父上は下賤の貴様らのように何人も妻を娶ることはしていない!」

上様は途端に邪悪な笑みを浮かべ、書類を彼女に見せてゆっくりと口を開いた。

「アリス・フィナンシェ。この家はハスク家に代々仕える家で、アリスも例外ではなかった。15の頃から当主の身辺で働いており、20のときに()にかかり職を辞した。この意味がわかるか?」

「なぜそれを…そんな馬鹿な、」

「爪が甘かったようだな。この親子も見つけ次第処すつもりだ。」

「そ、それだけh「連れて行け!」上様は遮って鋭く言う。

「奴の処刑は…ロバート、任せるぞ」

「仰せのままに」主は平然としていたが、俺は突然の宣告に頭が追いついていなかった。

………

「旦那様、おかえりなさいませ。」

「ああ、今帰った」旦那様は何だかやつれているように見える。おそらく、ハスク家の跡継ぎの話で何かあったのだろう。まあ私が無闇に首を突っ込むことではない。

「旦那様、フィリーですよ」フィリーを旦那様に渡すと、旦那様は私を見て息を飲んだ。

「フィリー…そうか、綺麗だな…!」そう、フィリーは旦那様の白い髪に紫の右目、左目は私の青色だ。小さい子ながら凛とした空気をはらんでいて、初めて抱いた時はびっくりしたものだ。

「申し訳ありません、世継ぎを設けられなくて。」

「いや、問題ない。…世継ぎなどいくらでも作れるだろう。」

「程々にしてくださいね」…この調子だともう2、3人は出来そうだが。

「しかし、…娘にも継がせることになったのか、これを。」エルサにフィリーを預けた後、悲しげな目で旦那様が呟いた。

「私たちで、共にこの子を見守りましょう。」

「ああ、勿論だ。」

次は特別編書くかもです

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