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30 戦の意義

なんかすごく重い話になったのでお気をつけあれ

30

◇◆◇◆◇◆

娘が産まれたという嬉しすぎる知らせから数日後、陣の廊下を歩いていると主に会った。

「主、何かございましたか。」

「まだ聞いてなかったか。あちらはもう降伏し開城したとのことだ。儂の戦を最後までその目に焼き付けるといい。」要するに今すぐついて来いということだ。

「承知致しました。」部屋に戻り身支度をしつつ、あまり入りたくないなどと思ってしまう。恐らく、町は無残な目になっているだろう。そう思うと余計気が重くなった。

「我々はサーマン軍である。開城において、この城に入城する。」ニコルの宣言で重い城門が開かれる。

ー開城した時、中の様子は想像以上にひどいものだった。

住民はやせこけ、あちこちに数多の亡骸がそのまま放置されている。民家も前より損傷が大きい。…あとで後ろの歩兵たちによってさらに荒らされるだろうな。奴らは大方金で雇っている者ばかりだからいくら禁止令を出しても効果が薄い。…嫌な話だ。せっかく娘ができたというのに。

「まあ、わかってはいるが…」

「戦とは、本当に嫌だな…」これをやったのは我々なわけだが、どうしても…酷い、と思ってしまう。もう少し平和的解決策は何かなかったのかと考えがよぎるが、すぐに無理だったろうなと思い直す。そもそも、単純な武力を選んだ時点で遅かれ早かれこういうことは起きる。だからこそ、国を纏めてこういうことがなくなるようにしなければいけないのだが。

「早く行くぞ。…葛藤している暇はないんだ。」ランドルフが固い声で言う。

「…ああ、わかってる。」歯切れの悪い返事をして、俺たちは城の中に入った。

◇◆◇◆◇◆

城の中はそれほど豪華絢爛、というわけでもないごく普通のものだった。

「税を搾り取れるだけ搾り取っているような素振りはなさそう…ですね」一室に散乱している書類を見て、ニコルが驚くように言う。税を搾り取っているなら都合の悪い記録を消していそうなものだが。そう思っていると突然、物陰からガタッという音がした。

「何者だ!」ランドルフが剣を素早く抜く。音の正体はゆっくりと物陰から姿を現しー

「子供…」幼い子供は震えながらもきっとこちらを見据えて言った。

「わ、私はハスク家の跡継ぎである!しかし、父上が貴様らに負けたからには仕方ない。私を煮るなり焼くなり、好きにしろ!」

…この子が普通の人間として生きていたなら、友と楽しく遊んでときにいたずらなんかをする時期だったろう。…痛ましいことだ。

「その心意気や御立派。…丁重に捕らえておけ」

「この後、あの者をどうするのですか」

「上様にお聞きする。…まあ、期待はするな」…なるべく安らかに逝ける方法だといいが。


誤字ってました、すみません(2025/09/26)

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