25 新しい命
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「いくらか確認したいことがございますのでベットに横たわっていただいてよろしいですか。」
「ええ。」医者に言われるがまま、ベットに横になる。
「最近月のものは来ておりますか?」
「いいえ、でももうすぐ来るころだと思うのですが…」
「そうでしたか…何かあたりそうなものを食べた覚えは?」
「あまり思いつきませんね…」
「もう大丈夫です、お手数おかけしました。」医者は眉根を寄せ少し考えてから、やがて慎重に口を開いた。
「奥様、確証はございませんが…
ご懐妊なされておられるかと。」
「えっ!?」
「おめでとうレイチェルちゃん!」
「おめでとうございます!」
この身体に、旦那様と私の子供がいる。その事実に直面して、安堵の涙が出た。
「良かったぁ…」
「妊婦というのはいつ何があるか分からぬものですので、一週間に一度はそちらをお訪ねいたします。あとご存知でしょうが、食べ物や飲み物にはよくよく気をつけてくださいね。」医者はそう言って診断書と産前・産後についての紙を渡し退室した。
「改めておめでとうレイチェルちゃん!」
「本当に良かった…子を授かれなかったらどうしようかと。」
「私たちって結局それがお役目みたいなものですものね。ところで旦那様にはもうお伝えしたんですか?」
「早く伝えないと!」旦那様は喜んでくれるだろうか。期待に胸を膨らませて手紙を書いた。
……
書類の山に追われながら新年を迎え、一段落つきナッツを食べながら紅茶をじっくり味わっていると、ロレーヌが急にドアを開けて入ってきた。
「ロレーヌ、休暇は満喫できt「それどころじゃないですよ!!」ロレーヌは息を切らしつつ手紙を渡す。
「レイチェルから…?」何かあったのだろうか、と心配になりつつ封を切り中身を読んだ。
『旦那様へ
新年おめでとうございます、と言いたいですが今私はこれまでにないほど忙しい日々です。昨夜、吐き気を催してしまい医者に診てもらったところ、どうやら旦那様のお子を身ごもっているとのことです。医者の診断書も同封していますのでご確認ください。そちらはまだこちらよりましとはいえ、寒い日が続きますのでお体には気を配ってください。戦が終わって、子供と一緒に会えるのを楽しみにしています。』
「えっ…?」ゴフッとむせかける。紅茶を口に含んでいたから、危うく吹きかけるところだった。
「俺が、父親…」普通に信じられない。喜ばしいことのはずなのに、これから大丈夫だろうかという不安が勝る。
「おめでとうスチュアート、まあ気持ち整理してから主に報告しろよ」報告しなくちゃなの忘れてたな。さすがランドルフ。
「おめでたいですけど…スチュアートあなた本当に仕事早いですね」一発殴ってやろうかとか思ったが怒る気力も湧かない。
「さあさあ、邪魔者は退散!風呂空いてるらしいですから行きますよ」ロレーヌのおかげで気持ちをようやく整理することができた。




