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12 約束

……

朝起きると旦那様が私を抱いて寝ていた。旦那様は温かく、いつまでもいられる。

旦那様が不意に起きた。

「…痛くなかったか」

昨夜は痛くなんてなくてとっても優しかった。

よく見ると首や胸の周りがお互い赤くなっている。

「…はい」

「そうか、よかった…」旦那様は安堵の表情を見せる。

私は、旦那様の顔を近づけ思いっきり口づけした。

「!?」旦那様は咄嗟のことに耳まで赤くなっている。

しばらくしてからようやく唇を離す。

「き、昨日は旦那様ばっかり…私だって旦那様のことが大好きなんです!!」顔が赤いことが自分でもわかる。

「っ...!」こらえられなくなった旦那様がまた口づけし、そしてまた、互いに求めあっていく。まるでふわふわと夢の中にいるようだった。

◇◆◇◆◇◆

「それで、仕事は終わったんですか主。」

「今日の分まで終わらせた」俺はため息をつきながら応える。

最近、たくさんの書状や軍の兵站なんかをするようになった。もちろん期待に応えたい気持ちもあるがそれ以上に疲れてしまったし、何より休みが中々取れずにいて我慢ならなかったのだ。

「ボタン、ちゃんと首元までつけてくださいね」

「すまん」別に夫婦仲を証明するためにそのままでもいい気がするが…いや駄目だな。アベルにからかわれる。あとランドルフにも。

「本当のこと言ったほうが良いんじゃないんですか?」

「……分かっている」

レイチェルが起きてきた。

「おはようございます」

「おう、おはよう

…実は、大事な話があるんだ」

「大事な話…?」

「俺は再来月にシドラ州に遠征することになった。…正直、いつ帰れるか分からん。」

「そうでございますか。」レイチェルが動揺する気配はない。

「何故そう平気でいられる」

「私とてつらいですが一番つらいのは旦那様でしょう?妻の役目は旦那様を不安にさせないこと。ご心配なく。」想像以上にしっかりしている。俺はこの心中を打ち明けた。

「…よく聞け。

…もし俺が討死すれば、その死に様を見届けろ。そして死ぬまで生きろ。後を追って死ぬことに意味はないからな。…必ずだ。」

「条件があります」

「何だ」

レイチェルは俺を抱きしめる。

「なっ…!」

「もしお勝ちになったなら、

 …共白髪まで連れ添って看取って下さい」

レイチェルはここに来るまで祖母が流れ弾に当たって死んだという。レイチェルは抱きしめる手に一層力を込めた。

「…当たり前だ。俺に先立つことは許さない。」

そう抱きしめ返し、泣くレイチェルの背中をゆっくりとさすってやった。


今後の展開が大変だなこれ

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