10 旦那様の御母様
ちょっと早めですが投げます
……
その日は私が旦那様を送ってからしばらくした時だった。
「お久しぶりね、レイチェルさん。」
旦那様の母君!?
「お久しぶりです、お義母様。今茶席を用意いたします。」
「急に訪ねてごめんなさいね。お構いなく。」
「いえ、お気遣いありがとうございます。」
用意した紅茶を口にしつつ、話をする。
「スチュアートとは上手くやれてる?
あの子、見合いの時にあんなこと言い出すものだから…」
「ええ、それなりには。時々、私が手料理を作ったり庭を散歩したりしてますし。」
「あら、手料理ねえ…」お義母様は驚いた様子でこちらを見た。そして悲しげな目で紅茶に目を落とす。
「あの子、魔法学校に入る前に神父見習いに行っていたでしょう?
…それであの子の髪をみられてからというもの、いろんな人からいじめられてしまって…幸いそこの神父さんは理解があったけど、シスターから食べ物にナッツを混ぜられたこともあったみたいね。それで半ば人間不信になったのかしら、昔はあんなつっけんどんじゃなかったのに。
でも、レイチェルさんと仲良く出来ているみたいで安心したわ。」そう言ってマカロンを口にする。
「あら、美味しい…!誰が作ったのこれ?」
「そちらはエルサが作ったものですね。お褒めいただき、感謝します。」
エルサが作ったマカロンはサクッとしていてクリームがとてもなめらか。きっと皇帝に献上してもいいレベルだなこれ。
「ところで、結婚式はどうするの?」
「ドレスが届く一ヶ月後ほどかと。」
「あら、楽しみね。」
その後、結婚式については深掘りされずお義母様はお帰りになられた。よかった。
「奥様、文が届いております。」エルサに文を渡される。
「ランドルフ様の奥様…」封を開け、中身を見る。
『レイチェル・クローディア・クランマー様へ
はじめまして、ランドルフの妻リリー・ナタリー・マットンと申します。
スチュアート様と私の夫は仲が良いというのはご存知でしょう。
もしお時間がありましたら妻同士でも仲良くなりませんか?お返事お待ちしております。
リリー』
「ペンと紙を」私は早速返事を書く。
『リリー様へ
お手紙拝見しました、私はいつでも空いておりますのでお早くお会いできることを楽しみにしています。
レイチェル』
こちらに輿入れしてからというもの、友人なんていなかったから、久しぶりに何を持っていこうかとうきうきしてしまう。楽しみ。




