1 政略結婚なんて死んでも嫌です
始めて書くので、いろいろすっ飛ばしてるかもです。温かい目で見てください。
私はレイチェル・クローディア・アンダーソン。このフランティム帝国の中ではまあ裕福な部類の貴族だ。…10年前の内乱さえなければ。10年前、皇帝の跡継ぎ問題にその補佐役などの権力闘争が複雑に絡み合い帝国史上最も大きい内乱となった。争いは五年前、後ろ盾の貴族たちが次々と亡くなり終息したが、戦乱は広がり今やあちこちで土地の奪い合いが続いている。アンダーソン家は始めからずっと静観する構えだったが、近隣の家に土地を奪われて没落した。そんな一家が最後の頼みとしたのが、近頃その勢力を伸ばしつづけているロジャー・トレヴァー・ホワイトウェイの重臣、ロバート・サーマン様だった。ロバート様の紹介で、我々一家はその弟君・アーロン・サーマン様に仕えることとなった。
…ここまではまだよかった。アーロン様に父が仕えてから一カ月もしないうちに、私に嫁入りの話が舞い込んできた。
私は自分で言うのもなんだがそれなりに力はある。あと、知識量なら誰にも負けない自信があった。だからある程度生活に慣れたら髪を切り、男としてアーロン様に仕えようと思っていたのに。そんな話をしたら普段温厚な父に大反対された。
「私は将来、髪を切って男としてアーロン様にお仕えしたいのです!」
「ふざけるな!この縁談は、我が家にとって今後を決める大切なものなんだ!女は女らしくいろ!」
女らしく…一番嫌いな言葉だ。私だって好きで男装をしたいわけではない。名目上でも男でなければ国の政務に関われないからだ。私はこの州に逃げ込んだ時、戦火で大切な人間を失った人々の涙を幾度となく見てきた。そんな涙をもう二度と見たくないからこそ、こうやって覚悟を決めたというのに。怒りを通り越してため息がでそうだった。
「お相手も見ずに断るのは失礼ですよ、レイチェル。一度会ってみなさい。」母に諭される。家の面目上、断れば何をされるかわからない。やすやすと屈するのは不快だったが、行くこととなった。
*****
「スチュアート・アルフレッド・クランマーだ。」
茶色がかった長い黒髪に、よく整った顔で美男子なのに眉間に寄せたしわで台無しだ。まあどうでもいいが。それよりも態度だ。
こいつはこちらのことをちらとも見ずに言った。なんて失礼なんだこの野郎。一応、家系的には圧倒的にこちらのほうが上なのだが、何しろロバート様のお気に入りとからしい。気に入った理由はその顔じゃないですかと内心悪態をつきつつ、一応名だけは名乗った。
「…レイチェル・クローディア・アンダーソンと言う。」
「そうか、今日はよろしくーってお前、なぜその服を着ているんだ⁉」
ーそう、私が着ている服。それは男物のイブニングドレスなのだ。
「見合いに男物…」こいつ…じゃなくてスチュアートは困惑とも失笑とも取れない顔だ。
「申し訳ございません、娘がドレスは動きずらいと言って聞かなくて…」よくぞ言った父よ。これで婚姻はなしになるだろう。よっぽど奇異な好みでなければ。
「いや、構わない。別にこちらとしても貴殿らの名が欲しいだけなのでな。」
は?
いくら政略結婚といってもそんなこと言う馬鹿がいるか??
「よかったじゃない、レイチェル。あなたもそろそろ独り立ちしないとって思ってたのよ。」なぜだ。
結論から言うとなんだかんだあったが結婚することになった。
意 味 が 分 か ら な い 。
◇◆◇◆◇
こうして今、スチュアートの屋敷にいる。ちなみに、挙式などしているはずもない。別にいいけど。そして、あの男と初夜とかいうものを迎えるはずなのだが、一向に来ない。
長い間待ってようやく入ってきた。
「お前は俺に抱かれたいか?」
「は?」
「お前は俺に抱かれたいかと聞いて「嫌です」
「…ならばいい。俺も知らん女の処女を奪う趣味などないからな。跡継ぎなど養子で何とかなる。お前はそこで寝ていろ。俺は別の部屋で寝る。」
そういってスチュアートは部屋を後にした。
よっしゃあ!!!これでもう見向きもされない!!!思いっきり自分の時間過ごせる!!!私は興奮で眠るに眠れなかった。
出来れば毎日投稿したいですが無理かもしれません。