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風変わりな少女 ②

実を言えば、玲子が修代に私的な内容を話しかけるのは初めてだった。

というより、高校に入ってから玲子が誰かにこうして話しかけること自体初めてだった。

つまり、玲子に話しかけられるのは超レア・イベントということになる。

だが、自分のもとに玲子がやってくることを知っていたかのように驚く様子もなく、笑みで応じた。


まあ、聖護院さんなら何が起こったのかすべて把握しているはず。

そうであれば、私がやってくることは予測済み。


玲子はそう決めつけ自分に説明する。


「それで……」

「時間がないから、休み時間にしましょう」


出かかった玲子の言葉を遮るように修代はそう言った直後、廊下から騒々しい声と足音を響かせてクラス担任の教師月下晃がやってくる。

玲子はすごすごと自席に戻る。

門前払いを食らった感で。

当然例の女子たちには嘲笑とそれにふさわしい声が浴びせられる。

だが、いつもと違い、玲子はそのようなものには気を留めることはない。


そして、最初の休み時間。

再度アタック。


「まあ、要件はわかっている。では、外で話をしましょうか」


玲子が最初の言葉を制するようにそう言った修代は視線を動かす。

もちろんその先にいるのは例のグループ。

そして、一斉に視線を逸らすそのグループ一同を鼻で笑う。

格の差、または序列上位を見せつけるように。

それから修代は言葉を続ける。


「ここはマナー知らずのギャラリーが大勢いるから空気が悪い」


修代は薄い笑みを浮かべてそう言った。


「さて、時間がもったいないので行きましょう」


「と言っても、一回の休み時間で語り尽くせることではないでしょうが」


そう言ったところで、修代はもう一度笑った。


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