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首斬り村の巫女2

 

 時空師の助手にされた私はなし崩しに宮崎県に向かうことに決まった。


 それで皆んなには少し待ってもらって、急いで実家に戻って両親を説得してから、最低限必要な着替えなどリュックに詰めて待ち合わせ場所に向かった。


 ちなみに時空師については信じてもらえないのでそこは黙って、友だちと日本一周旅行に行くと嘘をついた。


 待ち合わせ場所の東京駅に着いた。


「やっと来たか、奴が新幹線のホームで待っているから急ぐぞ」

「あっ、はい」


 鷹村警部があらかじめ買っていた新幹線の切符を私に手渡してくれた。あと今回の交通費とホテル代は警視庁持ちらしいから助かる。


 新幹線改札を通って新大阪行きの新幹線に乗った。しかも切符が指定席で同じ車両で時空師と待ち合わせが出来る。

 鷹村警部に連れられて車両につくと長谷川警部補が手を振って席を教えてくれた。


 席は一番前の左側の席にリオンと刻道が座り、通路側の席に私が座り。右側窓際の席に大久保容疑者が座り、通路側に長谷川警部補が座ってその後ろの通路側の席に鷹村警部が座った。


 まさに鉄壁な配置。だけど終始下を向いた大久保容疑者は覇気が無く。彼には逃げる気がそもそもないように見えた。


 □ □ □


 新大阪駅に到着してから各駅乗り換えして宮崎駅を目指すことになった。

 ちょっとまた長距離列車旅かとウンザリしたが、鷹村警部も同じ考えらしく、『今からでも遅くない飛行機にしろ』と意を唱えた。

 しかし刻道は頑なに首を縦には振らなかった。


「僕は飛行機NGなんです」

「何故だ刻道?」

「…………とりあえず」


 答えを言わず何故か鷹村警部に握手を求める刻道。


「なんのつもりだ……」


 職業柄か、刻道の不審な行動を警戒して握手を拒む鷹村警部。しかし意を決して彼の右手を握った。

 すると彼女の目が見開いた。


「お前の右手は、金属製の義手かっ?」

「ええ、刻の義手と言って超古代文明の失われたテクノロジーの塊でして、飛行機に乗ろうとすると金属探知機に引っ掛かってしまうからNGの理由がそれなんです」

「そうか、それなら仕方ないな……」


 彼にはそんな事情があったなんて知らなかった。それっておばあちゃんも知らない事実なのかなぁ……。


 結局列車を乗り換え時間を掛けてやっと宮崎駅に到着した。ここから目的地までさらに車で移動らしいけど、もう遅いのでホテルに宿泊して翌日に出発することになった。


 翌朝長谷川警部補がレンタカー屋でワンボックスカーを借りて来て、運転を長谷川警部補で鷹村警部と大久保容疑者が真ん中の席に座って、刻道とリオンと私は後部座席に座った。


 大久保容疑者が指定したのが宮崎県西都市大字の山間部にある廃墟の村。今からおよそ46年前一名除いて村人全員が刃物で惨殺された村。

 それが首斬り村だそう。こんな不吉な名前の村なんか私は住みたくないけど、意外と鬼首とか怖い名前の地名があって普通に人住んでるからまさか、名前の通り惨事に巻き込まれるなんて思わなかったみたい。


 やっぱり地名の由来にはそれなりの理由があるんだね。


 地名に対して納得したころ車が発進した。目指すは首斬り村で地元で有名な心霊スポットらしい。惨殺の現場なら、そりゃお化けも出るでしょう。

『あ、そうそう』そこ有名だから、私も心霊系動画で見たことあるよ。


 さて、車はどんどん山道を進んで行く。次第に舗装されていない砂利道になって道端が狭く遂には停車した。


「車はここまで見たいすっね。あとは歩いて行きましょう」


 長谷川警部補は明るい声で酷なことを言った。ここから山道を歩くなんて想定していなかった。

 一方刻道は知っていたみたいで、前日なるべくスニーカー履いて来るようにと言っていた。まぁ、私はいつもスニーカーだから言われなくても履いてきた。


 しかし険しい山道だ。

 だけど、ジャーナリストは情報を掴むために足を使ってなんぼだから喜んで歩きますよ。

 しかしハードだなぁ、まさか冬に山歩きは寒くてシンドイ。それに比べて大久保容疑者の足取りが軽い。


「オイッ! ちょっと待てっ大久保ぉっ!」


 刑事より先に歩く大久保に対して慌てて呼び止める鷹村警部。


 素直に足を止めた大久保が振り返ると表情が子供みたいな笑顔で、特に目が輝いていた。


「すいません刑事さん。46年前クワガタ捕りのためにこの道を通った楽しい記憶が蘇ってしまいましてつい……」

「分かった。余り勝手なことするなよ。しかし、ここいらはクワガタ虫が良く捕れるのか?」

「ええ、この辺はクヌギの木が沢山生えていて、その樹液を求めてクワガタやカブトムシが集まるので有名でした」

「それで幼き日のお前がここに訪れて迷ったのだな?」

「……迷ったと言うのは嘘です……」

「なんだと貴様っ!?」


 まさかの犯人の告白に鷹村警部が叫んだ。すると大久保は半笑いで会釈した。


『あの時私は虫捕りに夢中になって時間を忘れていました。それで気づいた時は陽が落ち始め辺りが真っ暗になっておりました。そこに首斬り村の年配の男が現れ手首を掴まれ村に連れ去られそうになりました」

「何故その事実を言わなかった? 迷子ではなく誘拐されたと違うのか?」

「ええ、私当時怖くて震えてました。そして抵抗出来ず村に連れて来られた時に首斬り神社の巫女様が助けてくれたのです」


 巫女が助けてくれたのは事実だったらしい。しかし何故村人に拐われたのか理由は分からずじまいだったそうだ。

 とにかくこの話は闇が深そうね。


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