~上海での日常~⓶
前回の話を見ていただいただろうか。そう、ここは中華人民共和国の上海市である。
いままで(というか、前回)は無視してきたけれど、僕は今まで中国語で彼と彼の家族、すなわち李石さんと李石さんの家族と会話は中国語で進められた。・・・調子に乗ってすいませんでした。とまあ、それは置いといて僕は今から学校に行かなければならない。まずい朝食(そもそもこの国の給食は金をかけない嫌いがある。)を食べ終えたところだ。そういえば、読者であるあなた方は友人をもっているかい。僕にはない。この歳で彼女がいないのはまだ理解できるかもしれないが、僕は友人すらいない。そもそも何故だろう、僕が日本人であるからか。僕が異文化の中で育ってきたから彼ら彼女らは僕のことが理解できないのだろうか。そもそも僕は変人であるから共通な趣味が無い為友人ができないのか。まあ、いい友人がいようがいまいが関係ない。僕には僕の暇の潰し方があるからね。そんな戯言を脳内で歌いましている内に教室についていた。皆もうすでに席についていて自分の趣味や昨晩終わらせていない宿題を取り組んでいたり、寝ていたり、友人と会話していたりといろいろな世間が混じり合い小さな視界を築き上げていた。僕は僕で今日ある英単語テストの勉強をし、朝の一時を(15分程度だけれど)すごした。それから教師がきてホームルームを始め、そのまま昼休みになるまで特に語る内容はない。本当のことを言えば語りたくないのだが。昼休みは品質が乏しい弁当を食べながらYouTubeで(ここがここのため勿論VPNを使っている)ニュース番組を見て40分位の時間を潰した。あゝ、疲れたな、今日が9月30日、明日ようやく国慶節で一週間休めるからな、あと3時間頑張るか。と、そう決意し学校が終わるまで2時間の授業を耐え、寮に戻った後スーツケースに教科書、宿題、衣類そして本を突っ込んでから長寿駅に向かった。そして7号線にのり静安寺駅から2号線に乗り換え南京東路駅に降り外灘へ向かった。僕は、僕の母親と妹は外灘に住んでいる(父親は京都に住んでおり、お互いの仕事の都合で離れ離れになっている。)。それから僕は10分位、歩いて、僕たちの家(いや、この場合この国からかりた家か)についた。そして僕は扉をひらいた。おやおや、どうやら家には妹しかいないようだ。
「久しぶり、僕の愚妹よ。」
「久しぶり、ゴミとクズで出来た私の愚兄よ。」僕よりも過激ではないか。そういえばラノベや漫画ではよく妹萌えが流行っているようだがそれを否定しよう。そんなのただの妄想だ、幻想だ、ありえない。しかも僕のような思春期男子も妄想程度でしかない。
「おいおい、それはないだろ、愛しいお兄ちゃんが悲しくなるではないか。しくしく。」
「鏡を一度見たほうがいいと思うよ。愚かなる『お兄ちゃん』。貴方よりも知能の高いこの妹の意見だからね。」いや、自分の首を締めているようなものではないのか。まあ、いい。
「で、どうだい最近の学校は、楽しいかい。」
「普通だよ」成程、いつも通りの答えだ。実につまらない。あゝそう、と僕が彼女に答え部屋にこもった。スーツケースから教科書、宿題、そして本をとりだした。生憎この僕は真面目な学生ではないため本以外には手を付けずに机の上に放ったらかした。ちなみに宿題は読書感想文と地学の岩石輪廻についてのレポートを書かなければならない。教師陣はサドなのかマゾなのか。何故宿題なんて物があるのではないか。最悪だ、少なくともあれを見て喜ぶ学生はいないと思う。そのまま、親が帰ってくるまで3時間ほど時間をつぶした。この日はもう語ることは無い。次の日僕はある疑問を妹にぶつけてみた。
「ねえ、君は凡人の事をどう思う」と
「突然どうしたの、あ、あれか。ごめんね、私女子だから男子より精神年齢が高いのよ。だから中二病とは上手く付き合えないのよ。」あいかわずむかつくな。
「いや、それに関しては反論させてもらうよ。そもそも頭の悪い女子はリストカットもどきをして男子からかまってもらったり、男子に体売ったり、凡人のくせに社会不適合者のフリをしたり色々しているのだよ、しかも僕と同じくらいの年でそんな事を始めるのだよ。だから『女性は男性より精神年齢が9つも上』なんて信じられないね。」
「お兄ちゃんはあいかわらず愚鈍だね。中学2年生の夏が人生で最も愚かな時期なのでしょ。要するに生まれたときから中学2年の夏並みに知能が人より劣るとそうなる。違うかい。」ぬぬ、言い返せない
「まあ、いいから早く質問に答えてくれよ。」
「はいはい、分かりましたよ。そんな愚かな質問が来るなんて、クク、まるでマリリン・ボス・サヴァント先生にモンティーホール問題の答えを聞く並に愚かしい。で、『凡人』ね。面白いと思うよ。何故かと聞かれたらこう答えることしか出来ない。だってすぐ自惚れるからね、何の才能も無いからな。何故天才は異端児なのか。それは才能と引き換えにあるもの捨てたからだよ。それは感性だよね、まあ仕方ないよね。だって『凡人』は見てるいだけで心の底から笑えるくらいバカだから天才や変人を嫌うのだよ、だって理解できないのも異端児のことが、異常児のことが奇特な子が、奇異な存在が、だって理解する脳みそが無いもの。それほどまでに凡人は愚かなのだよ。『凡人』と『変人』は何が違うか、そうそれた知能だよ。」厳しすぎる意見だ。少なくともこの僕はこの口から絶対に出せない。
「okey,いい勉強になったよ。」嘘だ、いや、正直言ってかなり恐怖している。
「じゃ、じゃあ、君は神という存在がいると信じるのかね。」せっかくだ、こいつ考えを聞いてみよう。いや彼が飛び降り自殺をしようがしまいがどうでもいいが僕の家族が死んでしまったら困ってしまう。もし、他殺であるのならば僕はどんなことをしてもそいつを手にかけるだろう、自殺したならその原因を突き止めてそいつら狂わせるだろう、ただ国に拉致されたら何の手も出せないだろう。とにかく、それほどまでに困る。だから彼女の考えを知らなければならない。
「わからないよ、それはいくつか理由はあるよ。宇宙がどのようにできたのか。天文学では幾つもの理屈はあるよね。ただしどれも荒唐無稽で仕方がない、だから神という存在がいなければそんな奇跡は起きないといっていい。そして、人間いや、生物だってできたこと自体、奇跡に近い。あから神もしくは神に近い荒唐無稽な事が実現できる存在はいるかもしれない。ただし、バタフライ効果お賜物かもしれない。だから分からない。私にはそんなこと一切合切分からない。」
「9年生(中学三年)になったら天文学を学ばなければならないからその時にその戯言を遣わせてもらうよ。確かに理に適っている、そうすれば教師陣の脳髄を狂わせて点を稼ぐことができるかもしれない。」
「独り言をやめた方がいいよ、だから友達ができないのだよ。」
「成る程、でもそういう言葉遣いはやめた方がいいぞ。友人が離れるぞ。」
「平気だよ、一定数の男は言葉攻めが好きないのだよ。」いや、友人が減ることには変わりないし全く反論になっていないような。裏でもあるのか、まあいい。そうおもい僕は自室に戻った。それから課題本を手に取りタイトル名を検索してからレビューを色々探し、それを自分の頭の中で抽象的にまとめノートに書き、それから色々と肉付けし紙に書き終わりと。
時計を見るあれから一時間半かかっていた。意外と時間を食ったな。それから白い紙をいくつかとりだし石の絵をかき教科書に書かれている文章を抽象化し書いた。それをするだけで2時間費やした。どうやらもう時刻は午後3時を回っているようだ。僕は比較的に家にいるため今日は適当に絵を描くことにした。ということで二日目はもう語ることはなさそうだ。三日目は特にやることがなく銀行に行って銀行通帳に記入をした。ん、おやおや、ようやく100万元が入ったようだ。しかも一週間前に入金したようだった。全く遅いな、いや、遅すぎるな、あれから一か月も掛かったのか。まあ、いい。翌日には一つ上の先輩である藤原さん(ちなみに本名ではない。僕が付けたあだ名だ。)と会う約束があるのだ、彼は僕と同じ学校に通う同じ日本人の生徒だ、僕と彼は学校でも日本語で会話をしている。適当な一日を適当にすごすか。そしてまたもや何もない一日が過ぎていった。翌日、僕は南京西路駅へ向かった。そう藤原さんと会うのだ。あ、いた、いた。
「今日は、藤原先輩。」
「やあ、あとそのあだ名は辞めてくれ。誤解しか生まないじゃないか。俺は近衛だ、なら近衛と呼んでくれ。いくら俺の家系が藤原氏直径であろうが近衛は近衛だ。君は本当にしつこいな。」
「いやー、すいませんね、僕は記憶力が悪いものでね。で、今日は何ですか。何が要件ですか、大抵のことはあなた一人で出来るでしょう。」
「いや、それがさお前今期を終えたら日本人学校に編入するのだろ。それについて聞きたくてさ。」なんて面倒な、そして非合理な人なのだ。
「俺どうすればいい。」知らねーよ、まあいい。帰るか。
「おい、帰るなよ。本当にどうすれば良いのだよ。お前がここから離れた俺がどうなるかわかるか。」
「知らねーよ。勝手にすりゃいいじゃないか。君に振り回されるほど僕は暇ではないのでね。」
「おい、そんな軽蔑の眼差しを向けるなよ。俺は受験勉強なんて全くもってしてないのだよ。いざ受験なんてしたら絶対落ちるし、まず親に反対されるよ。」
「平気ですよ。先輩なら受かりますよ。僕とは違い優等生なの。」いや、まあどこかには受かると思うけれど・・・まあ彼なら千里国際には受かるのではないか・・・いや、こいつ頭が悪いから多分無理なのでは・・・まあ、いいか。
「お前の言っていることほど信じられないものはないよ。」じゃあ、どうすりゃいいのだよ。
面倒な阿婆擦れ群の言う『死にたい』並みに面倒だな。性転換でしろよ。
「平気ですよ。あなた方は使い切れない資産があるじゃないですか。あと縁故を遣えば人生安泰ですよ」無能の典型例ではないか。と突っ込まれた・・・無能じゃなかったの。
「平気ですよ、先輩は無能ではなくは口ですから。無能なんて誉め言葉ですよ。」あっ、本音を言ってしまった。
「お前、今まで俺の事をそう思っていたの。」
「貴方も記憶力が乏しいのですね。僕はよくそんなことを言っていますよ。ではさようなら。」そういい捨て、僕は帰った。おいおい、そんなことしなくていいだろと思う人いるだろう。そういう人にいい事をおしえるね。0×X=0。要するに無駄なものに手を出したくないだけだ。国慶節最終日の夜僕は南京東路駅から二号線で静安寺に行く途中都合よく(僕にとっては都合悪く)同じクラスの生徒と地下鉄内で出会った。
「嘿,你在这啊」突然僕に話しかけてきたものなので驚いて訳し忘れてしまった。僕が親切心で訳すか。彼女は『やあ、ここにいるか』と声をかけたのだ。迷惑にも程があるだろ。
「そうだよ。」
「いやいや、君がこの時間帯に寮に戻るなんて想像できないから。」
「ただの気まぐれさ。」
「いま、暇。」
「いいや、まったく。君の友人なら手を貸してくれると思うよ。少なくとも僕は自分のやりたいことがあるのでね。じゃあ」
「それが、暇なのだよ。」
「わかったよ、要件によっては付き合ってもあげないけど。」嘘だ、そんなの聞くわけない。なので、足を進めようとしたが・・・
「どこ行こうとしていんの。」
「理解力が乏しいのかな。ならこういうよ。無駄から出来た君の事を気にするなんて、最悪だ。知っているかい糞はね放置する以外匂いが消えないのだよ。じゃあね」僕はすぐに立ち去った。彼女は藤原先輩の彼女なので。あんまり関わりたくない人だ。それから7号線に乗り換えて長寿駅へ行った。そして寮に入り後日の準備をしたのちに本を取り出した。
そして『今日』という時間はまた過ぎていった。
後日談
僕は藤原先輩と彼の彼女との関係が悪化した。具体的に言えば絶交に近しい状況だ。ただそんなことより、その程度の事より、これより幾千、幾万も重要なことがある。それはクラスで殺人事件が起きたことだ。いつも通り、僕は教室が在る階についた頃クラスメイトや他の人たちは教室の扉の前に集まっていた。僕は適当に
「何がおきたのだい。」と聞いてみると
「殺人事件が起きた、クラスのマドンナである王さんの首吊り死体があっていてね、ただし死体が余りにも不自然なものだから他殺なのだよね。まあ、後は警察に任せればいいよ。」といっていた。読者の皆々様、僕は探偵ではない。よってミステリー展開にはならないはずだ。まあ、いい。頭の体操でもしようか。縁があればまたいつか。
完