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転送術士候補生II  作者: よのもり せいう
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その8 ゴルトシュタット支部(Part. H)


「…(さて、と。ゴルトシュタットへのワープはできるようになったぞ。)」


先輩に転送してもらい、転移で支部へ戻り、もう一度目的地へと転移する。

こうすることで、以降は自分の力だけでここへ来ることができる。


それにしても、暑いな…。

満足感と街の気候に浸っていると、職員さんに声をかけられた。


「あんたが学生さんだね、名前は?」


「ハーミアといいます。よろしくお願いしますっ(๑°ㅁ°๑)」


「うん、ハーミア、よく来たね!荒くれ者の多い街だが、気の良い連中もわんさかさ!エーレンツァから聞いたけど、暫く滞在するんだろ?何か困ったことがあれば、あたいらに言ってくれよ!」


腕っぷしの良さそうな職員さんは、にゅっとした腕をしっかり組んで、にかっと屈託のない笑顔をくれた。


これが噂の“ゴルトっ子”っていう気質なのかな?

人情に厚く、気に入った者には援助を惜しまない気風の良い人たちが住んでいるというのが、王都に広まるゴルトシュタットの人たちの専らの印象。

この方は、まさにそんな感じがする。


「転送術士にとって協会や支部は、旅先の心の拠り所だね。」


「はいっ♪」


様子を見ていたルーシェ様は、私が思っていたことを言葉にしてくれる。

なんてぴったりな表現!流石勇者様(*’’▽’’)!


ゴルトシュタット支部のおば様達にアイテムを納品し、それを確認してもらう。

ふと窓から外を見れば、石造りの街は、太陽の光を浴び切って、熱気でじわりと空気をゆがめているようだった。


「外に出たくないですねえ…;夜まで棺桶に入っていたいくらいです。」


ハンカチで汗をぬぐう先生が、私越しに同じ風景を見てかぶりを振る。

先生のベッドは棺桶なんですか、と聞けば、冗談です、と返ってくる。

そんなジョークも、街の温度にすぐ溶け消えてしまうようだった。



その8 終



ひとこと事項

 

・転送術士協会ゴルトシュタット支部

ゴルトシュタットに唯一ある転送術士協会。街の規模の割に支部が少ないため、その分面積や在籍人数の規模が大きく、街の中心の一等地に存在している。


・ゴルトシュタットの人々

 鉱山関係者が多く暮らす街であり、荷運びや採掘業務の重労働から自然と腕っぷしの強い男女がまず目立つ。気風の良いゴルトっ子や、職人気質の鍛冶屋、商人気質の宝石商なども多い。


・ゴルトシュタットの気候

 鉱山に囲まれた盆地に存在するため、ゴルトシュタットの夏は暑く、冬は寒い。


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