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転送術士候補生II  作者: よのもり せいう
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その1 支部の日常(Part. H)


「ようこそ王都へ!ご移動お疲れ様でした♪」


ある夏の日の午後に、転送術士の見習いの声が響く。

ここは王都の転送術士協会第5支部。放課後の私の手伝い先である。


「おう嬢ちゃん、一瞬だったな!今日もご苦労さん!」


「ありがとうございます(๑ㆁᗜㆁ๑)」


強そうなおじさんが豪快に笑って、肩をボンボン叩いてくる。

衝撃にバウンドしかけつつ、控えを預かり受付へ持って行く。


チェックするのは眠り顔な先輩、オリヅルさん。

控えには、いつ、どこからどこへ、どんな目的でここへ来たのかが書かれている。

ハンコをもらって冒険者様にお渡しすれば、受け入れ業務は完了だ。


「冒険者様…良い旅を~!」「良い旅を!」


「おう!またな!」


大きな背中を二人で見送れば、協会は静けさを取り戻す。

先輩が事後の事務処理をする、紙がペラペラっとする音が聞こえる。


冒険者様、かあ…。

危ない依頼を担う頼もしいその言葉に、以前出会った勇者様の背中を思い出す。

王国の英雄となったあの人は今、どこで何をしているのかな?


なんて、そんなことを思った矢先のことだった。

当の本人が突然協会を訪れたのは。


「あの…ここにスコラ・リンデの学生の、ハーミアさんっていますか?」


幻かと思いました。



その1 終




 


【ひとこと事項】


・ハーミア

転送術士になるために魔術学校スコラ・リンデに通う学生。

挿絵(By みてみん)


・オリヅル

転送術士協会で働く東国出身の女性。


・転送陣

転送術を安定させる様々な補助魔術が描かれた魔法陣。


・冒険者

危険な任務をこなして世界に貢献する者達の総称。転送術によるワープで移動ができる程には羽振りが良い。


・勇者

この世界を救う程の働きをした者や、見込みのある者達の総称。以前ハーミアは、今は勇者の一人に数えられるルーシェという冒険者に出会っていた。

 

―――

・Part. H ハーミアを一人称とするパート


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