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壊れた扉と少女の話  作者: 独影
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番外2

とはいえ、そこにいるのは、そういった人だけではなく。

宿となった上の階には、いろいろなお客さんが来ていた。

『僕には、どうでもいいけどね』

しかし、少女は、そんなにぎやかな声に憧れを抱いていた。

いつか、外の世界に行きたいと願う彼女。

僕も、そうだ、と強く言いたかった。

できるなら、君と、どこまでも行きたいと。

けれど、壊れた扉の声は届かない。

君には、届かない。


そんなある日、少女の眠れない夜。

壊れた扉の声が、初めて少女に届いた。

壊れた扉には、それが嬉しくてしょうがなかった。

見守る幸せ以上のものを手に入れることができたのだから。

壊れた扉は、少女に外の世界の話をした。

空の話、海の話。

昔は王子さまだった壊れた扉にとって、見ていた世界は小さなころのものだったけれど。

それを喜んで聞いてくれる少女の姿は、愛おしいものだった。

『君とした約束。僕は絶対に忘れたりなんかしないよ』

君と外に行く。

君がそう望んでいるなら、僕も、そうしたい。

君の笑顔と幸せのために。


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