表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

メイドはエロい事しか考えていない。

作者: あだち りる

「ご主人様」


「なんだい?サニー」


「私とエロい事しましょう」


「…」


真顔の顔で僕にそう言ってきたのは、一人の眼鏡をかけたメイドだ。

ショートの茶髪の髪の毛が特徴的で、いつも挑戦的な胸元をしている。

彼女の名は、サニー=ブヘッド。

この僕、リウル=マーチのメイドだ。

僕は大した貴族でもないが、父様がメイドの一人くらいは必要だろうと、家にやってきたのがサニーだ。

そして、最初の、サニーの突然の台詞のせいで唖然としていると思うが、説明しよう。


「さぁエロい事を」


彼女、サニー=ブヘッドは、エロいのだ。

そうエロいのだ。

彼女は自分の性欲には正直なのだ。

ふとした瞬間に、僕の方へ歩み寄り、このような台詞を僕に言う。

もはやこれは、僕とサニーの間では日常茶飯事。

だから僕の答えは手慣れたもので、こうだ。


「サニー、僕はこれから仕事だ、また後でいいかい?」


「かしこまりました、ご主人様」


サニーは、無表情で僕の後ろへと下がっていた。

これから仕事と言うのは本当だ。

ちなみに言っておくが、僕とサニーはそう言った行為に及んだことは勿論ない。

まぁ…一回襲われそうになったけど…。

そう、もう一年前、つまり僕が19の頃の話だ。

あれは、僕とサニーが初めて会った日の事。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ̄ ̄ ̄

それは、僕が屋敷で仕事をしているとき。

ちなみに僕の仕事は作家だ。

これでもそこそこ売れている小説家の一人だ。

リウル=マーチと聞けば町の人の一人は反応してくれるはずだ…たぶん。


コンコン、と扉をノックする音が聞こえた。


「リウル、いるかい?」


と、父様の声が扉の向こうから聞こえた。


「はい、父様」


そう僕が返事をすると扉が開き父様が部屋へと入る。


「仕事中にすまないね」


「いえ…それはいいんですが、そちらの方は?」


父さんの隣には一人の女性がいた。

とても暖かそうな茶色のコートを着ていた。

茶色のコートと茶色のショートの髪の毛がマッチしててとても可憐だった。

片手にキャリーバッグを持っていた。


「こちらは、今日からリウルの専属のメイドとなる、サニー=ブヘッドさんだ」


そう、これが僕とサニーとの出会いだ。


「今日からご主人様のせいでメイドとして働かせて頂きます、サニー=ブヘッドです、よろしくお願い致します」


と、無愛想に挨拶をした。

僕はその態度に少々の苦笑い。

メイドなんてこんなものなのかな…と、初めてのメイドだったからそんな事を思った。

そして、僕は机から離れ、サニーの元へ歩み寄り、右手を差し出した。


「僕の名前は、リウル=マーチ、これからよろしくね、サニー」


僕は笑顔で答えた。

サニーは少々の間を置いて、僕の手を掴み一言。


「はい、よろしくお願い致します」


そしてこの日の夜、サニーの本性を僕は知ることになるのだった。


「ん…?」


ふと、夜に目が覚めてしまった。

何か毛布の中がとてもくすぐったい。


「ッ…!なんだこれ…?」


毛布をめくると、そこには「んな!?」僕の体を舐めまくってるサニーの姿がそこにあった。


「ハァ…ハァ…」


サニーは息を荒くする。


「ちょっとー!?何やってるのサニー!?」


僕が大声を上げてもサニーはやめる様子はない。

てか…てか…気のせいか、サニー…ふ、服…着てないんじゃ…?


「すみません…ハァ…ご主人様…はむ…ハァ…我慢できなくて…」


「そんな…クッ…!舐めながら言われても…いいから!早くやめてよー!!」


この日、僕はサニーに、犯されそうになったのだ。

どうにか、僕が抵抗して何とかやめてくれたけど…まったく力が入らず、ずっと、やめてよ、と言いながら抵抗し続けたらやめてくれた。

うぅ…身体中舐められた…いや、僕の息子が舐められてないだけ増しと言うべきか…。


「すみませんご主人様…」


「謝る前に服を着てくれないかい?サニー」


「はい」


サニーは僕の部屋に散らかしてる自分のメイド服を着直す。

そして、僕はサニーに自分のベッドに座らせ、僕は机の椅子に座り、どういうつもりなのかを聞く。


「で、サニー、この状況、勿論説明してくれるよね?」


「勿論」


サニーの無表情は変わらない。

気のせいかさっき舐めてた時笑ってなかったか?

まぁ今はそれはいい。


「で、まず、僕の部屋に入り、僕のベッドに入った理由は?」


「一目惚れです」


「…はい…?」


言われた事が理解出来ない。

いや…納得するべきなのか…?

まぁ…納得は…いく…のかな?


「ちなみに、私はご主人様とエッチしたかったのです、流れでどうにかなるものだと思ったのですが、ご主人様は甘くありませんね」


「サニー、つまり話を纏めると、君は僕の事が好きで夜這いをかけようとした…って事でいいのかな?」


「はい」


「君ね…常識を知ろうよ…」


これが、僕とサニーの物語の始まりである。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ̄ ̄ ̄

今思い出せば、あれ以来、一日一回はサニーに、エロい事をしましょう、と言ってくるようになったんだけど…。


「はぁ…」


苦笑いと溜め息が出る。

まったく、このメイドは本当にどうしようもないよな。

僕はサニーに視線を向ける。


「どうしました?ご主人様、私とエロい事したいんですか?」


「違うよ」


「そうですか…普通のプレイじゃ満足できないと、私はSMでも構いませんよ?」


「違うからね?」


「大丈夫です、ご主人様が苦痛からのエクスタシーしてても私は愉快に眺められる自信があります」


「違うってば!!!」


こんな会話が僕の日常。


「なら、ご主人様は私と何をしたいと言うのですか」


と、サニーは珍しく不機嫌そうだ。

このメイドは…我が儘なのかなんなのやら。


「ん~…そうだねぇ…じゃ!」


「?」


「僕とデートしてよ、サニー」


「ッ…!はい!」


サニーは笑顔でそう答えた。

エロい事しか考えてないメイドと僕の日常は、いつまでも続くだろう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点]  口にしないだけで、そう思っている人は少なくないのかもしれません。 [一言]  女性は好きな男性に対してはそういう欲望を持っているのかなと思いました。
2016/07/19 11:01 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ