まっくろくろすけ出ておいで、出ないと目玉をほじくるぞ。
メーカーヘルパーの仕事を、エアコン、ガスファンヒーター、エアコン、ガスファンヒーターと2年ほどこなしている途中に、急に降って湧いた引き抜き案件。
僕は、自分が必要とされているという喜びに、安請け合いをしてしまう。
果たしてその派遣された店舗とは…?
前回、ガスファンヒーターの販売の仕事をしている契約期間中に、あるエアコンメーカーに引き抜かれ、大型家電量販店に移ることになった僕。
この時は派遣会社の人やら、引き抜いたメーカーの人やらの甘い言葉に乗せられて、気軽に仕事を変わってしまったが、やはりそういう上手い話には裏があるのだ。
異動した超巨大家電量販店で僕を待っていたのは、ほぼ奴隷のような仕事だった。
先に言っておくと、給料に関しては申し分のないくらいの給料になった。はじめ新入社員の給料から倍くらいになったと言ったが、それのさらに1.5倍くらいかな。と言っても元々が高卒のクソ安い給料だったので基準は低いんですけどね。
まぁ奴隷…と言うと誤解を招きそうだけど、ほぼ奴隷と言っておこう。
一応仕事はエアコンの説明と販売。
実際の仕事はと言うと。レジ打ち、伝票作成、商品補充、棚卸し、エアコン以外の接客販売。まぁ完全に社員と同等レベルの仕事内容だね。今なら完全にアウトです。
そして、正社員はそのメーカーの人間が大量にいるんだけど、その管理みたいな。指示役みたいな感じ。
僕自身がまだメーカーヘルパーの仕事をきちんと理解していなかったのもあるけども、これはさすがに度を超えてるとは感じた。
ただ、メーカーも暗黙の了解という感じで、それをこなしてくれと頼んできた。そして、そこで働いているメーカーヘルパーは全てがそれに従っていた。まぁ嫌ならやめろ、という感じですね。
まぁ仕事がヒマよりは何かしてるほうが時間が早いこともあり、あと、それなりにやりがいはあったのだ。まぁめちゃくちゃ仕事してるからそりゃやりがいあるよね。
あとは、管理職のクソみたいなやつは別として、ヒラで働いている社員はみんな人がよかった。メーカーヘルパーの人間も人にはよるが半分くらいはよかった。
ひとつ嫌だったのは、ズボンの折り目がきちんとついているか、折り目チェックがあった。
折り目がついていなければ、その場でズボンを脱ぎ、パンイチでアイロンをかける。折り目かけ用のアイロンはそこに置いていた。
完全にアウト超えてるね。まぁ僕はしたことなかったけども。これはメーカーだけでなく正社員もしてたような?忘れたけども。
なんかでも、まぁみんな若くて、たいがい仲良かったから、それなりに楽しくは奴隷生活をしていた気がする。もうこの頃はみんなストレス溜まりまくってるから、仕事後に飲みにいく、朝までいく。そして、そのまま仕事。みたいなわけわからん生活をしていたと思う。もしそれが続いてたら死んでいたかもしれない。
エアコンメーカーの雇いなので、業務用の見積もりだとか、商談みたいなのもしたりして、それってメーカー社員の営業の仕事じゃないの?みたいなこともしていた気がする。クレーム対応もしていた。派遣のメーカーヘルパーの範疇は1000%超えていました。
そして、そんな仕事が1年半くらい続いたのかな。お客さんに食洗機のことで聞かれて、わかんないから他のメーカーヘルパーの知ってる人にパスをした。そして、休憩にいこうとした。
すると、アホの管理者が呼び止めて、今何をしたんだと追求してくる。
「食器洗い機のことがわからなかったんで、知ってるメーカーの人にパスをして、休憩をいくところです」
「なめてんの、お前。そんなんクビだよ」
言葉は忘れたけど、そんな感じ。あぁ、そんなしょうもないことで全て終わるのかと、思いました。それまでに奴隷のようにクソデカい店で働いてきたことは微塵も感謝されず、ただそんなしょうもないことでクビにされるのか、と。
まぁその当時は今よりも100倍くらい血気盛んだったので、わかった、今すぐ辞めたるわ、と辞めました。
そんな職場でヘコヘコして居座りたくないですからね。
んで、メーカーにどっかいいとこない〜?と相談しました。相談するんかい!
まぁでも、そのメーカーも僕がしてきた仕事の実績や理不尽な扱いとかもわかっていたので、違う店舗を紹介してくれた。とてもありがたかった。
そんな無茶苦茶まっくろくろすけな職場ではあったが、ひとついいこともあった。
色んな人と知り合える機会があったことだ。僕がしていたメーカーヘルパーの仕事というのは、実績重視で、数字がとれなければやはり続かない。結局そのあと20年以上もそんな仕事をすることになるわけだが、実績と同じく大事なのは、人間関係だ。
いくら実績が良くても、上手く立ちまわれない人は仕事が続かない。逆にちゃんと人間関係を作れる人は、派遣のそんな仕事でも、割と継続的に仕事が続く。
僕の場合は以前にも書いたかもしれないが、僕自身の能力とかよりも、きっと出会いに恵まれていたのだと思う。僕自身は決して特別なスキルもないし、ずば抜けた接客能力もない。でも、この先もメーカーヘルパーとして仕事が途切れなくあったのは純粋に良い人達に巡り会えたからにほかならない。
これから後、僕は様々な店舗を渡り歩き、色々な人達に巡り合うことになる。そのお話は次回からにしようと思うが、このクビになる前の巨大店舗で、楽しかった話をひとつだけ紹介しよう。
それがワイン倶楽部である。職場社員やメーカーの人間数人で、ワインバーに飲みに行く、というだけの集まりなんだけど、その当時なんかツウぶってワインバーにワインを飲みに行くのが流行っていたのだ。
そして、味もわからないくせに、この◯◯年もののワインは味わい深いな、とか。一応講釈を垂れながら飲むという気取った会だった。そんなアホらしい会だったけど、そういうのもあって、日々のストレスを消化できていたのかもしれない。
次回からは色々なメーカーを彷徨ったあげくに辿り着いたメーカーのお話。
よろしくお願いします。
まっくろくろすけな超巨大家電デパートにて、更に僕は鍛えられることになる。
もうこの頃から、接客業はすでに向いているのかも、となっていたかもしれない。
さて、紆余曲折の後に、辿り着いた先とは、どこだろうか。




