初めての不義理
メーカーヘルパーとしての初仕事を、それなりに半年間こなせた僕。
この頃から、まぁなんとなくなんでもできるんじゃないかな〜、という気にはなってきていた。
その甘さが後々、僕のこの仕事に響いてくることになる。
さて、メーカーヘルパーの初仕事。なんとかかんとか…というか、まぁまぁ舐めてる仕事ぶりなのかもだけども、半年間を勤め上げ、季節は下期。一応だけど年度の区切りが4月〜翌年の3月なんだよね。んで、半分の4〜9月が上期。10〜3月が下期ということになる。
これは知らなくてもいいんだけど、この上下を更に半分に割ると四半期と言って、3ヶ月ごとの区切りとなる。なろうのランキングにもあるよね。たまに仕事で第三クオーターとか偉そうに言ったりしてるのは、10月から12月の3ヶ月の区切りのことを言う。
まぁとにかく、夏はエアコンのシーズン。冬は…?今はだいぶ少ないんだけども、その当時。あ、当時という言葉をよく使ってるけども、当時っていつくらいなの?と聞かれそうなので今より20年以上前とだけ言っておこう。
ちょうど世紀末くらいかな?デーモン閣下じゃないよ。
まぁそれはいい。その当時に冬場にあったメーカーヘルパーの仕事で、ガスファンヒーターの販売というのがあった。
まだまだメーカーヘルパー初心者の僕にとって、あ、なんか温かいやつだよな、という認識しかないガスファンヒーター。これがまた給料がいいんだよ。もう今とは違うから話すんだけど、基本給もそれなりにある上に、ガスファンヒーターを1台販売するごとに歩合がつく。その上に予算達成報酬やら、100台ごとにボーナスやら、なんやかんやの大盤振る舞いだったのだ。
まぁ、世の中金だけじゃないんだよ。だけども、まぁないよりはあるほうがいい。この頃は僕も若かったんだね。
あと、このガスファンヒーターの派遣先が実は僕の新入社員で配属された日本橋だった。店舗は全然違う会社の、違う店だったけどね。
こういうこともあるんだなぁとびっくりした。でも、新入社員の時の真ん中店とは、場所が違うからまだ知ってる人と顔を合わすことはそんなになかったと思う。
このあたりは、さら〜っと飛ばすんだけども、冬のガスファンヒーターの仕事、んで翌年の夏のエアコン、そして、また次の冬もガスファンヒーターの仕事を紹介してもらった。これもよくあることなんだけども、前に実績が良かったりすると、この人またお願いしますね、と名前が知れてくることもあるみたい。信用みたいな感じかな。
あ、飛ばしたけども、この夏のエアコンの時に一度だけ嫌なことがあったかな。この時も半年間だけの限定であるスーパーの中の電化製品コーナーのエアコンフロアに派遣されたんだけども、ちょうど派遣されたところは地域的にあまり良くないところで、簡単に言うとヤクザまがいのしょーもない客がくるところだったのだ。
このあたりになると、なんとなく接客業にもぼちぼち慣れてきて、色んなお客さんがいるから、その人にあった対応はできるようにはなってきていた。と言っても業界3年くらいだから、まだまだヒヨッコなんだけども、自分の中ではそれなりに自信がついてきてたんだと思う。
どんなヤツだったか覚えてもないけども、イチャモンをつけてきて、喧嘩を売ってきた客がいた。こういう時は実際に手を出したほうがアウトになる。正直に言うと僕はケンカは強くない。むしろ弱い。でも負けず嫌いだから、わけわからんしょーもない客に因縁をつけられても、別にどうも思わない。今ではそんなこともなかなかないと思うけど、やるんやったらやってみんかい!という感じで。今考えるとアホ過ぎる…。
まぁしょうもないチンピラだったらそんなんで騒いでも仕方ないから諦めて帰るのだ。内心ドキドキしながらだけども、無事帰っていただいた。
そして、また冬がやってきた。さぁ、稼げるガスファンヒーターを販売するぞ〜♪
その冬の間に、メーカーヘルパーになって初めての経験が舞い降りてくる。
引き抜きである。
引き抜きは僕がガスファンヒーターの販売で入っていた同じ店舗のエアコンメーカーの人からだった。
まぁ引き抜きと言ってもそんな大したことじゃあなかったんだけどね。なんかめちゃくちゃ巨大な家電量販店のデパートみたいなところができるって言う話で、その店舗に、そのエアコンメーカーは何人か優秀な人材を入れたかったらしい。
その1人に僕が選ばれたわけだから、まぁ凄いといえば凄い。まぁこれが後々えらいこっちゃになるんだけど。
僕にしたらそういう経験は初めてなのと、自分が認められたようで嬉しかったのと、舞い上がっていた。しかも給料待遇も良い。
ただ、問題があった。ガスファンヒーターの契約期間中での出来事だったのだ。契約途中に仕事を上がって、違う仕事に就く。もう完全にアウトなんだよね…。
僕はそういうこともちゃんとわかってなくて。しかも引き抜く側は、上手いこといってちゃんとするから、今いる派遣会社にもきちんと説明をするからと言ってくる。派遣会社自体も変わるんだけどね。
これは今でも僕は申し訳なくて。でも移ってしまったものは仕方ない。メーカーやお店や派遣会社の色んな人に迷惑をかけてしまった…。
僕が長く仕事をしていく中で、もちろん色んな問題や、揉め事はあったんだけども、たとえ知らずにではあっても、そういう不義理をしてしまったのは、とても申し訳なかったと思う。
ただ、それだけ揉めて入った新たな場所も、入ってびっくり。まぁまぁの真っ黒くろすけな職場だった。
その話は次回にしようかな。
この頃はどうしても、年齢の若さや、自分勝手なところ、
それに周りへの迷惑などもちゃんと考えることができていなかったんだと思う。
今になって思うと、ほんとに無茶苦茶だった。
それでも仕事があって、生活ができていたのは、ほんとに恵まれていたんだと思う。




