これがあったから、僕は今も接客をしてるんだ。たぶんね
新入社員としての仕事は、それなりにハチャメチャで。
でも、それなりに楽しかったと思う。
入社してから半年くらい経ったころかな…
新入社員としての生活は楽しかったように思う。
このあと、僕が接客業をずっと続けることになる決定的な出来事が起こる。
◇ ◇ ◇
僕が入社してから、半年くらい経った頃かな。はじめは炊飯器担当だった僕だが、色々担当替えを経験して、3階のFAX電話を担当することになった。
その当時は、プリンタや複合機などで、そのままFAXが送れたりとかそういうのもたぶんなくて、まぁまぁ家庭用のFAX電話機の需要も多かった。というわけで、それなりに花形の商品担当になれたのだと思う。で、会社の本社でFAX電話機の商品勉強会があった。
どんなものかと言うと、文字通り商品の勉強をみんなでしたり、あとどうやって販売をしていくかとか、ロールプレイングもする。僕がみんなの前でロールプレイング??なんでそうなったかは忘れてしまったが、確か売り上げがまぁまぁ良かったんじゃないかな、たぶん。
その場には本社の一応偉いさんみたいな人も何人か来ていたり、人事部の人もいたような?研修の時にお世話になった人も来ていた。
大勢の前で喋るのが苦手な僕は、吐き気をこらえながらなんとかかんとかロールプレイングを終える。まぁいつものように接客をしている様子を喋るだけなんだが。終えたあとに、本部の誰かもわからん偉そうな人(いまだに謎)が、僕にひと言くれた。
「君は、安心感で商品を買ってもらえるタイプやね。兄ちゃんやったら、この人やったらウソはつかんやろ。信用できるやろ、って聞いてくれると思うよ」
なんかすんごく怪しい。何言ってんねんコイツ。と思ったんだ。思ったんだけど、このひと言がなぜかあとあと響いてきたのだ。まぁ今も覚えてるくらいだから響いたんだろうね。
これから先、だいぶ色んなことがあって挫折しそうになる。でも、この誰かもわからん偉そうなオッサンのひと言が、何気に僕を支えることになる。
まぁそんなこともありながら、これは家電業界だけじゃないかもしれないが、わけわからん研修もある。名前は伏せておくが某メーカーの本社に集められて、接客の心構えみたいなものを大声で叫ぶ研修というやつだ。
もうこれは思い出したくもないんだけど、冷静に考えるとやばい集団だ。叫んで商品が買ってもらえるなら、脳みそいらんだろ。この研修のせいで、僕は数日声が出なくなった。当たり前だよなー。
そんなこんなで、色々な商品を担当したり、殴られ蹴られたりしながら、それなりに楽しく仕事をしていた。あ、虐待まではいかないくらいだよ、もちろん。
ここでひとつ言っておくと、僕が働き始めていた頃って、今でいうパワハラは当たり前だったし、実際もっと酷かった。ただ、今と違うのはそのパワハラにはちゃんとした目的があったのだ。
ムカつくからとか、いじめたれとか、陰湿なものではなくて、仕事をきちんと教えるため、立派に仕事をこなせるようになるための、まぁ言うと愛のあるパワハラ、というんだろうか。だから、めちゃくちゃ厳しくても、時には反抗もして、いつでも辞めたる!ということもあっても、最終的にはみんな仲良かったな。
今が悪いとは言わないんだけど、全てではないと思うけども、やれパワハラや、セクハラや、目に見える何かを抑えつけて、結局肝心なところが見えていない。陰湿な闇に紛れて行われている影のパワハラ、影のセクハラが容認されている。それって昔のほうがよかったんじゃないかな。まぁわからんけど。
スマホが普及してきたのもそれを後押ししてる気はするな。便利にはなったけども、その代わりとても冷たい。昔は不便だったかもしれないし、連絡もちゃんと取れなかったかもだけど、その代わりに人の繋がりはもっとあったような気がするな。
もちろん、今がないとは言わない。でも、何か目に見えないとても冷たいものが潜んでいたり、そんなものを感じる世の中に変わってしまっている気がするな。
おっと、脱線。
でまぁ、なんやかんやでそれなりに働いていたんだけど、入社してから1年半かな?2年くらいかな?そのあたりはアバウトなんだけども、その頃には家を出て、僕は一人暮らしをしていたんだけども、凄く大事なことが起こってしまった。
給料が安すぎて生活できなかったのだ。
色々あったけど、楽しかった仕事にも、
問題が起きてしまった。
給料が安すぎたのだ。え、これって元々わかってたことだよね…。




