負けず嫌いだけど…未成年だよ??
なんやかんやで就職した、中堅どころの家電量販店。
希望した部署とは全くちがう配属先。
これからどうなるのかな〜?
僕が希望した部署は、メンテナンス及び工事・配送業務だった。なぜかというと、電化製品のメンテナンスや設置工事、そういうことをしたかったからだ。あとオタクで引きこもりがちな僕は、店舗での接客や販売なんて絶対に無理だと思ったからだ。
ただ、数ヶ月の研修の後に、配属された部署は…
店舗での接客・販売だった。
「聞いてないよ〜!!」
とは、言ってはいないが、まさにそんな状態である。てか接客業を望んでたなら、そもそも違う会社に入ってるだろうに。まぁもしかしたらあるあるなのかもしれない。
ちなみに15人くらいの新入社員が僕と同じく入社していたが、3人が配送工事・メンテナンスの方に配属。あとは僕も含め全て店舗勤務となった。
僕が入った家電量販店は近畿のみだったと思うが、その当時はそこそこに店舗数はあったと思う。ある程度郊外にも店があったが、一番のメインは日本橋でんでんタウン。そこにあまり覚えていないが7店舗くらいがあって、僕が配属されたのは、そのでんでんタウンの中央あたりに三店舗並んで建っていた(今考えると同じ会社の店舗三店舗並べる意味があるのかと思うが)うちの真ん中の店舗だった。
同期のうちの1人と僕の2人がその真ん中店(と呼ぶことにする)に配属された。
今の家電量販店でもたまにあるが、ワンフロアででっかい敷地ではなく、多層階の電気屋で、真ん中店は4階建てだった。
1階はエアコン、冷蔵庫、洗濯機、調理家電などの生活家電フロア。
2階はテレビ、ビデオデッキ(当時はVHSが主流です)、ムービー(ビデオカメラ)などの映像機器フロア
3階はステレオ、ポータブル音楽機器、FAX電話、理美容機器などの、主にオーディオフロア。
4階はパソコン、プリンタ、パソコン関連機器などのフロア。
販売とか接客が苦手とはいえ、僕はワクワクした。色んな種類の電子機器が目の前にある。触れることができる。ただ、はじめの僕の担当は炊飯器だった。
正直がっかりだった。炊飯器をバカにするわけではないが、なんというか、オーディオとか、生活家電でもエアコンとか、大きなものを扱いたいと思ってたので、まぁ入りたてだから仕方ないとは思いつつも、がっかりした。
もう一つがっかりが同期のやつはテレビ担当になった。炊飯器とテレビ。誰が見てもテレビのほうが花形。配属早々で僕はまず凹んだ。もしかしたら、この時からすでに、僕の負けず嫌いな性格が出ていたのかもしれない。この時には自分でも気づいてはいなかったが。
「いいやん、炊飯器。売り上げ規模も少ないし、悪くてもなんも言われなくていいやん」
同期のしょーもない煽りが余計にむかつく。まぁ同期のコイツは元々いけすかなかったので、そのうちギャフンと言わせてやる、と相手にはしなかった。ちなみに僕より年上だったと思う。専門学校卒だったかな?忘れたけど。
で、配属された店舗の先輩たちなんだが…だいぶ控えめに言っても…まぁまぁヤバかった。ヤクザとヤンキーとオタクみたいな。
どんな職場やねん、と言われるとそうとしか言えないんだけど、店長はまだマシかな、マクドナルドのマクドナルドみたいな人だった。
んで、1階の僕のフロアの主任。こいつがミナミのヤクザだった。まぁまぁ暴力ある。口悪い。ろくでもない。んー、でもまぁ仕事はできるのか?わからん。
この時代、店員もタバコ吸いながら接客とかも少し前まではあったらしく。僕の時はギリ終わっていたが、店員がお客さんに対して
「お客さん、ワシが言うんやからこれ買うときなはれ」
みたいな、よくわからん圧力があったり。今では考えられないそんな時代だった。
あ、でももちろんだけど、みんながそんな人じゃないよ。ひとつ上の先輩2人はめちゃくちゃ優しかったし、面白かった。2つ上くらいの先輩は厳しかったけども、よく教えてくれた。これは後々だけども、なんだかみんな仲良かったな。厳しかったけども、結束力があるというか。店舗全員が割とまとまっていたな。一緒に旅行も行った。
少し順番は前後するけど、歓迎会というか飲み会。これはなかなかに強烈だった。
僕高卒だから未成年。だけどそんなの関係ねぇ。もうとにかく飲む。めちゃくちゃ飲まされる。あとで気づいたけども、こういう飲み会がやっぱ結束力の秘訣だったのかもしれない。
寿司桶イッキというのもここで知った。寿司桶に酒を並々と注いで飲むという、おそらく頭おかしいやつのやることだ。そして、僕は未成年。
オタクで引きこもりの僕が、たぶんここで開花したんだと思う。酒の勢いがあれば、だいたいなんでもできる。
この当時はやってたイッキコールは、暴走族バージョンだった。なんだそれ。飲んでいる人の周りで
「パーリラ、パリラ、パーリラ、はいはいっ!!パーリラ、パリラ、パーリラ、はいっはいっ!!おーみーごーと、チャチャチャッ、ふぅ〜〜!!」
と、たぶんこんな感じだったと思うが、テンションもおかしい。
まぁその飲み会で、同期のひとりもぶっ飛んで、宴会テーブルにパンチして、骨を折った。それはちょっと気の毒だったので、治るまで色々手伝ってやった。
新入社員としての生活は楽しかったように思う。
このあと、僕が接客業をずっと続けることになる決定的な出来事が起こる。
オタクで引きこもりの僕が、なんだか無茶苦茶な職場でも楽しく過ごせたのは、きっと。
怖い上司でも、色んな先輩でも、むかつく同期でも。
その時その時が一生懸命だったからなのかもしれない。




