第四ラウンド
入れるのを忘れていました!!!大変申し訳ございません!!!!!
「ヒヒッ!」
喉の奥から、濁った笑いが漏れた。
自分でも分かる。
今の俺は、明らかにおかしい。
胸の奥で渦巻く殺意と歓喜が、抑えきれずに外へ滲み出る。
肌を伝う魔力が、黒く、粘つくように歪んでいく。
それを感じ取ったのだろう。
魔獣は一瞬、びくりと身を強張らせ―――
本能的に足を引き、地面を削りながら後方へ跳んだ。
「さいっこう。」
口角が歪む。
顔が引きつっているのは分かっている。
苦しい。内臓は悲鳴を上げている。それでも——嬉しい。
こいつを殺る、天才的な方法を思いついちゃった。
ただし、一人じゃ無理だ。
花の協力が、絶対に要る。
『・・・あいつを・・・動けなくして。』
『え、はあ?どゆ・・・』
『・・・頼む。』
死にたくはないけど、ワンチャンにかけるしかない戦略。
そもそもだ、互いにボロボロのはずなのに、なぜあいつだけが、この濃密な毒霧の中で平然と呼吸ができる?
この毒は、元はと言えばあいつ自身の魔力だ。だが、自分の魔力だからといって無害なわけがない。ましてや、これほど殺傷能力の高い猛毒だ。吸い込めば、僕たちみたく動けなくなって、苦しくなるのが道理だろう。
だというのに、あいつの動きには淀みがない。
つまり、そこにはカラクリあると見た。
毒を無効化する免疫・・・いや、“耐性”といったところか。
それがあれば、この致死の環境下で魔獣だけがピンピンしている理由にも納得がいく。
ワンチャン、先天的なものの可能性もなきにしろあらずであるが、そこは賭け、“ワンチャン”だ。
「ならば、答えはシンプルか。僕も同じモノを手に入れればいいということ。」
僕は不敵に笑う。
毒を食らい、毒に侵され、その果てに毒を克服する。生物としての限界を強制的に突破し、進化するのだ。
では、どうするか?ちまちま吸っていても、耐性がつく前に死ぬだけだ。なら―――全部、飲み干してやるというのが策として良き!
「・・・天吸っ!」
力強く、けれど祈るように呟く。
それは雨音を切り裂いて響く。
そして、天吸発動と同時に、工事現場一帯に漂っていた黄緑色の霧が、渦を巻いて僕の体へと殺到した。
皮膚から、呼吸器から、毛穴の一つ一つから。致死量の毒が、津波となって体内へなだれ込んでくる。
「ぐっ・・・ぅおぁッ!?」
瞬間、全身の血管に熱した鉛を流し込まれたような激痛が走った。
自分の体を、毒の貯蔵庫にする。いかれているが、今は仕方がない。
しかし、その代償は即座に現れた。内臓がねじ切れ、筋肉繊維が溶解していくような感覚。喉が焼けつき、吸い込んだ酸素すらも毒に変わっていくようだ。
息が、できない。 視界が明滅し、意識が暗転しかける。
痛い、苦しい、熱い、寒い、死ぬ、死ぬ、死ぬ――!
でも!心臓を動かせ。血を回せ。
耐えろ。この地獄の先にある“進化”を掴み取るまでは、意地でも死んでたまるか!
「限界を超す!」
そういいながら魔獣を睨みつける。
アハハ!困惑してるわ。間抜け顔をさらしてるわ!
まさか、自殺行為を敵がいきなりするとは思わんだろうなぁ。
ほんで!
ズシャ
「ギヒャッ!」
花からもらった剣が、魔獣の腹に突き刺さる。
この油断を待っていた!
毒霧の魔力に紛れて離れていた剣を、天吸で自分の手にとる途中に切り付ける!
やはりこのスキルは便利極まりない。魂から離れているだけで操作できるのだから。
それに、この膨大の魔力の中の異物を魔力感知で見つけるのは至難の業。
そして一瞬の隙!
最高のロケーション。
魔獣から血がドバドバと出ている。
そして、そのまま地に伏せる。
僕は目の前に倒れた魔獣を見て嘲笑するように、苦しいながらも笑う。
「アハハハハ!馬鹿がよ!情けねえなぁ!」
とは言っても、こんなんで死なんだろう。
魔力操作での回復で意味をなさないだろう。
しかももう僕も限界だ。しばらく動けないし、痛みでそれどころじゃない。
『すっげえな。まあ、とりま結界張っておくね。』
だから、すぐに花に結界で魔獣を閉じ込めてもらう。
『ああ。』
青紫色の結界が目の前に張られてゆく。
回復されてもしばらく時間稼ぎはできるってところか。
これで、魔獣の心配はいいな。
本題は・・・
「ぐらああああ!」
耐性を手に入れるといっても、本当にあるか分からないし、相当我慢しないといけないと思う。
このまま死ぬのかな?というか花が一日毒に当てられて耐性を獲得していないって、ヤバいんじゃ
いや!今は考えるなそれよりも・・・クソッ!ほんとうんざり!
この気持ち悪さと痛み。死にそうだよ・・・
とりあえず耐えろ!耐えて耐えて耐え抜け!




