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これからが修業パートなのは一目瞭然なわけで

ガチャッ

「ただいまー」

「いや、迎え誰もいないから。」

もうちょっと鋭い突っ込みが欲しかったなあ・・・なんて。

「いや、別にええですやん。」

今は、高篠さんの件から一日後。結局高篠さんは、あの後自力で起きて職員室に行っていたらしい。

その後、高篠さんがどうなったかは分からない。多分、早退したのかな。僕たちも昨日の夜は、体の回復とか、勉強とかで忙しかったから詳しくは調べてない。分かっていることは今日学校には来ていなかったということだ。まあ、どうでもいいけどね。

だけど、僕が高篠さんと待ち合わせていたことを知っていた扶郎が「彼女大丈夫かよ」とか、「なにしたんだよ」とかダル絡みしてきたけど、そもそも、高篠さん自身は僕たちのことを全く覚えていないから、とりあえず、勉強相談をしていたって言っておいた。

とりあえず、一つ言えることは放置していた正解ということだ。ガハハ!

「あ、そうそう!鳳。」

荷物を置いた花が何かを思い出したかのように、僕をよぶ。

「どうした?」

「この体に戻る練習しよう。」

「というと?」

「実は今この体は、俺が魔力で強制的に心臓とか血とか内臓とか動かしてんだけどさ。」

「え?そうなの?」

あ、そういえば数日前の夜にもちょこっとだけ言っていたな。そもそも、なんで、その必要があるの?

僕がクエスチョンマークを頭に浮かばせていると、それに気づいたかのように花が言った。

「まず、あの夜について詳しく言おうか。まず、君が例の手紙をもらった日の夜、僕と出会う寸前になにか操られている感じがしたよな?」

「ああ。何か外で雪?みたいなのが降っていたから気になってベランダ出ようとしたら、急に・・・」

「俺も意識の中で見ていたが、その手紙の魔力が光ると君が操られたようにベランダへ出たんだよ。」

「なるほど。」

あれ?あの手紙ってどこやったんだっけ?失くしちゃったのかな?まあ今はどうでもいいか。

で、花がい操られたって言っても、そうなってもそんな緊急事態にはならなくないか?

「あれは雪なんかじゃないんよ。空から降っていたのは、もう極限まで圧縮された魔力弾が光線のように降り注いでいたもの。君がベランダに出た瞬間、その直撃を受けたってことだ。それで魂を保護していた肉体表層の魔力膜が貫かれて、体内に張り巡らされていた魔力回路がこなごなになって。その結果、魂をこの肉体に繋ぎ留めていた結び目が断ち切られて、魂と肉体は完全に分断されたということだ。」

いーや、分かりやすい!すごい!よくそこまで専門的なことを入門したてのひよ子ちゃんに淡々と言えるね!でも、もうちょっと尺を短くしてほしいな!あと、初めて出てきた単語を流ちょうに話さんといてください!

「はい!質問です!」

「なんだ。」

「体の中の魔力回路って何ですか?」

「よくぞ聞いてくれた。魔力回路はな、導線の様なもので、魔力を全身に巡らせているものなんだよ。魔力は無意識下でも血を流したり、内臓とかの働きを機能させたりしている。ちなみに、霊体も同じように、魔力回路に魔力を流して、内臓とかやってる。あと、魔力膜っていうのは魂を肉体にとどめておく役割を果たしている。全部俺が調べて、名付けたものだがな。フハハハハハハ!」

最後の一言がまあまあクソ邪魔だったし、すごいおたっくぽく話していて鬱陶しいけど、なるほどね。ようやくわかったわ。

「ということは、その肉体の魔力回路がなくなったから内臓と血に魔力を意識して流さないといけなくて、魔力膜もなくなったから、肉体と魂は離れることができているんだ。」

「そのとおり!だから、常に高度な魔力操作を発動させていかないといけないんよ。あと、どの方向にどれだけ魔力を流さないといけないか、とかもね。俺も最初こそは難しくて、死ぬかと思ったけど、火事場の馬鹿力がでたね。しかも、いつもこの体に密接だったからなれると意外といけたから、鳳もいけるぞ。」

いや、なれるといけるって、めっちゃ大変じゃん。

これを聞くと魔獣と戦っていた時に魔力弾を正確に頭に向けて高出力で打ちながら、肉体を生かし続けていた花って、めちゃすごいんやな。あと、“めっちゃ”しか言っていない気がする・・・

花に関心していると、当の本人はソファーに横たわり、とんでもなくだらしない姿勢で寝ころんだ。

それが人と話しているときの態度なんかと思うけど・・・

「全身の力が抜けるからさ、文字通り。だから、楽な体勢にならなってから魂の入れ替えは行おう。」

あーしょうゆことね・・・すまんこのギャグはおもんないかもしれん。

それにしても♰魂の入れ替え♰とか、♰魔力回路♰とか♰魔獣♰とか♰魔力膜♰とか・・・

こいつ僕よりも痛い奴なんじゃね、知らんけど。

まあとりあえず、さわりだけ♰魂の入れ替え♰をやろう。

「今から十秒経ったらもどってこいよ。」

「了解!」

えーっと、内臓と血を強制的に動かしたり流したりする魔力操作のイメージか・・・

きっと多分、おそらく、定かではなくて、不確定だけど、僕ならいける!気がしなくもない。

「やるぞ。」

「ふっ!」

花の魂が抜けたのを確認してから、体内の中に入った。

気張るぞぉ!

「ぐっ!」

あの時と同じ感じだわ。やべえかも!うわ、胸が痛い!この心臓が動いていない感じがマズイ。

しかも、はやく呼吸を・・・って言っても、肺が動かん!くそ!胸糞悪りぃ。

ソファーでのたうち回っていると、花の声が聞こえた。

「魔力操作しろ!」

くっそ!そんなん分かってるわ!こんじょぉぉぉぉおおおお!スキル発動ぉぉぉおお!

まず心臓と肺を動かせ!あと脳にも魔力を!頑張ってぇぇえ!

「ふーーーー、すぅーーーーーー。」

僕は大きく深呼吸を数回した。

一回一回の呼吸が、痛い・・・というか車酔いレベル一〇〇みたいな感じで、気わりぃ。

そして、心臓を強制的に動かして、酸素を取り込んで、脳を中心に血を巡らせ、

「はーい、ストーップ!」

その声が聞こえると僕はすぐさま肉体から出た。

「簡単なんかじゃなかったやんけ!死ぬかと思ったわ!」

甘い気持ちでいってたから、想像以上にきつくてガチでびっくりしたわ。

こんなに難しいんか、肉体を動かすのって。

「もう一回行っとくか?」

へらへらしながら、そんな戯けたことを言っているけど、てめえしばくぞ!この悪魔冷笑系男子が!

「悪魔か!休ませろ。」

もう、これきつくない。できる気せえへんて。

花ケロッとしているけど、相当意識して動かさないといけないやん。

というか、あれ?今気づいたんだけどさ、寝てるときってどうすんの?

「あのさ、寝てるときってどうしているの?寝てないとかないよね。」

「あー。俺の場合は・・・というか、絶対心臓と肺を強制的に動かしたり、血流とか脳とかほかの内臓を機能させたりするために、バンバン魔力を垂れ流さないといけないと思うよ。ちなみに、俺はこれをオート・・・?というか、魔力操作のレベルが高いからできるようになったって感じ?だから、意外と楽だよ。起きているときは、体雨後さないといけないからめちゃむずいけど。あと、垂れ流す分、朝起きたら天吸して、魔力回復しないといけないけどね。」

オート化・・・できればいいんだけどね。難しいよ。

まずは魔力操作がレベル高くないといけないんか。今どれくらいだっけ。ステータス画面!

『―――スキル:低・魔力操作・・・』

前確認した時と変わらずか。確か、花のステータスは、中・魔力操作だったよな。

はあ、まだ道は長いか、なんていってられねえよ!

「花!」

「へい!急に大声どうした?」

やべ。興奮しすぎて、近くにいるのに大声出しちまったよ。気まず。

「すまん、で!僕にその体二日間、寝るとき以外だけ貸してくれない?」

腰を直角に曲げて全力でお願いした。

久しぶりにこんな物腰低くしたかも。

でも、仕方ない、それぐらいの真剣さを見せないと相手に失礼ってもんでしょ。

「え、いや、別にいいけど。死んじゃうくね?」

天然だから僕の気持ちに気づいてくれないのか、焦らしているのか。

とりあえず、ちょっとだけピリっと来たな。

まあでも、多分前者だろう。だって、僕の気持ち・・・というか、僕の“目標”とそれに対する姿勢もまだ誰にも言っていないんだもの。あの夜にあんな快楽を知ってしまったのだからこの目標は変えられるわけがない。

あと、その目標のためにも誰かに見下されることなんて許せない。

「なめんなよってばよ。僕も本気出すぜ?」

言葉と顔ではふざけているけど、目は真剣だ。

これも、目標への一歩と考えてやる。

そう思うと、本気を出さないなんてことは出来っこない。

「じゃあ、やるぞ。本当にきついからな。」

「ああ、やってやるよ。」

「その言葉に責任持てよ。」

目が鋭い。その言葉と視線は僕の心に深く、鋭く刺す。

たぶん花は、死にそうになっても死ぬまで救出してくれないだろう。

いや、そんなことないか?まあとにかく花に僕の気持ちが伝わっているようでよかったよ。

そんな雰囲気をまといながらその思念が伝わる。

花は再び、ソファーの上で超絶だらけた姿になると肉体から花が出てきた。

「じゃあ、いくぞ。」

「おりゃあ!」

僕はぜってえ死なねえからな!絶対!絶対だ!

「ぐっ!」

苦し・・・くないね!全身に魔力をドバっと流して、血を巡らせる!

肺は横隔膜を引っ張って押し込んでを繰り返すように、心臓は握って離すを繰り返すように!

痛みが生じても関係ない!この痛みが僕を突き動かす!

ガチ本気街道じゃいぼけえ!

「ふう・・・ふう・・・ふう・・・はあ・・・」

「落ち着いたか?」

「あ、がふ!」

あぶね、集中しないと、吐血しちまう。

『平気だ。でも集中しないと!』

花が若干心配そうに僕のことを見守ってきたから、大丈夫報告を一応したが、集中しないと、死んじまうよ。

これがずっと続くんか・・・耐えられるか?じゃなくて!耐えるんだよ!

「ファイトー」

もううざ!そんな他人ごとみたいな言葉言わんといてよ。傷つくってー。

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