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好きの思いとスキンケア
(今日は化粧水だけかな)
乳液やクリームに延ばしかけた手を引っ込める。
(スキンケアだけでいいのはすごく楽)
オレが周囲を見渡すと、昨日まで使っていたカミソリは消えている。
髭剃り後は肌が荒れているため、いつ化粧を重ねるか悩んだこともあった。
(スキンケアもやりすぎは危険だっけ)
親は保湿やクレンジングについて口を酸っぱくして話したことを思い出すオレ。
耳にタコができるよ、と聞いていたオレはダイニングで、親と挨拶をかわす。
親は鍋に鶏がらスープの素と溶き卵、もずく、葱、調味料を入れ煮立たせる。
中華風のスープとご飯と焼き魚とサラダを食べ、オレは学校に向かう。
途中でオレは先輩に会う。
「おはよう。ボクも女の子になれたよ」
いきなりのことで戸惑うオレに、先輩はさらに言葉を重ねる。
「好きです。付き合ってください」
よほど女の子が好きなのか、先輩は楽しそうに告白してきた。