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どうせ夢だしやってみる
目が覚めると、オレは女の子になっていた。
泡を食ったように周囲を見渡すオレ。
部屋は昨日寝る前と同じに見える。
オレが部屋の中を探すと、枕元には薬の瓶がひとつあった。
その下には薬瓶の下に手紙がある。
「『この薬を飲めば性別が変わります』か」
顎に手を当ててしばし時を置くオレ。
考えている姿が、鏡に映る。
「ああ、明晰夢」
オレはそう結論づけ、また薬瓶を見つめなおす。
「とっとと飲んで戻ろうか――」
そうつぶやいたオレの顔つきが変わる。
「そうだ!せっかくなら」
オレは素早く着替え、薬瓶を持って部屋を出る。
まるで放たれた矢のように素早く動いていた。