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寝しなに聞いた声ひとつ
オレは意気消沈して家に帰る。
「女の子が好きだからってそんな……」
部屋に戻り天井を眺めるオレ。
出かけるときはさっぱりとしていた気持ちが、今は地の底に沈んでいる。
茫然自失、オレは部屋に戻ってからずっと天井を見ていた。
時計の針が動く音とたまに車の走る音が聞こえてくる。
地の底に沈んだオレの耳に、食事ができたと呼ぶ声が届く。
後にすると返事をしようとしたとき、腹の虫が鳴る。
「こんな時でも腹は減る、か」
オレは苦笑して食事に向かい、風呂に入った後、早めに寝ることにした。
(女の子だったらよかったのに)
眠る前にオレは窓から星が輝く夜空を見て、カーテンを閉める。
(その願いかなえてあげましょう)
眠る直前、誰かの声が聞こえた。